「せかいでいちばん」の小話※ネタバレはありません
「せかいでいちばん」の小話をネップリ登録しました!
A6サイズ正方形折本です。
データ手作りなので多少のズレが生じる場合があります。ご了承ください。
ローソン・ファミマ→ H2R738RY87 (~3/14 17時まで)
セブン→ FMQ3ETK7 (~3/13まで)
A3サイズ/白黒/20円
(カラーも選択できますが、表紙も白黒で作成しているため白黒で印刷してください)
熱を出して看病されるしょたフと大人のジェの話です。
次のページに本文のサンプルを少し載せています。
本文サンプル
するすると赤いりんごの皮を剥き、ヘタと芯を取り除く。いつもなら愛らしいウサギを作るのだが今日は違った。剥き終わったりんごをひと欠片ずつ丁寧にすりおろすと瑞々しい香りが食欲をそそった。それを皿に移し替えて引き出しから新しいスプーンを添える。それから、水と薬も忘れずに。
ジェイドは音を立てないようそっとフロイドの部屋へ持っていき、ベッド横のサイドテーブルに置いた。ベッドの上でできている山のてっぺんをやさしく叩いてその名を呼ぶ。
「フロイド、具合はどうですか」
「……じぇいど?」
もそもそと山を揺らしてブランケットの中からフロイドが顔を出した。火照って赤らんだ顔に、潤んだ瞳。呼吸をするだけで辛そうな姿にジェイドは胸が締め付けられる思いがした。
「じぇいどぉ」
くしゃりと顔を歪めて抱きつこうと手を伸ばしてくるフロイドをジェイドは受け止めた。抱きしめたそのからだは熱く、はあはあと呼吸も辛そうにしてまだ熱が下がっていないらしかった。額に貼ってあげた冷却シートはぬるくなってしまって、あとで替えてあげなければならない。
《後略》