ゼノブレイド、Wiiで2010年に発売されたRPGで、かなり評価が高いです。でも、本当なのかなと思い、少しプレイしたり、ストーリーを追っかけました。結論的には、絶賛されている割に、世界観が薄いです。
まず、システム。2006年発売のFF12のようにMMORPGのオフライン版のようなシステムです。戦闘はフィールドからのシームレスバトルです。アクションRPGっぽい自動戦闘だけど、本質はコマンド式と変わらないです。自由に動けるが動きで相手の攻撃を避けられるわけではないです。キャラがアイコンで見づらいうえ、ごちゃごちゃしているけど、割と面白いです。ここは評価できます。
フィールドが広い。これも評価が高いポイントです。
演出や音楽。このソフトで秀逸なのはこれです。いろんな感動的なイベントでの演出や音楽が素晴らしいので、その瞬間はすごく感動します。
でも、元のシナリオに戻ると、あれっとなります。この元が次の3つです。
1.世界観が薄い
2.シナリオのいくつか常識的でない齟齬がある。
3.シナリオを進めるキャラ(主人公、味方、敵も)の動機が基本自己中心的。
これからはネタばれなので、読むならば注意してください。
2.の最大のポイントは、なぜフィオルンの死を確認しなかったの?最初の顔つきの戦闘で致命傷的な怪我をして乗り物ごと投げられたが、その乗り物は残っていた。そこへ行けば、遺体は確認できたでしょうに。遺体も確認していないのに、シナリオ的には完全に死んだことになっていた。主人公の動機づけにもなっていた。そして、途中で復活したら、死んでいなかったのか?と驚く。最初に、乗り物がどこかに連れされるような演出があり、ほとんど死んでいるかのように見えて、確認できていない状態になっていないとあの演出は成立しない。同じように、ヒゲ隊長も遺体を確認していないのに死んだことにされている。このゼノブレイドでは、シナリオを進めたり、感動的な演出をするために、キャラの生死をかなりご都合主義的に使っている。
次に、世界観。巨神と機神だけで進む世界がとても狭い。シームレスなフィールド移動でその狭さを感じさせないようにしているが、結局は、局所的な戦いになっている。でも、神もどきがその世界(惑星?)全体を作り変えようとしている。でも、海のある惑星はかなり大きいように見えるのだが。その海の広さがどこにも影響がない。
また、最後にこの世界を作ったきっかけを語るシーンがあるが、そこで、なんで地球人のような存在を出すのだろうか?これだと、このゲームの世界は実在していなくて、コンピュータの中のシミュレーション世界にしか見えない。トロンのような世界をコンピュータの中に作ってそこでの物語が進む感じである。
3だけど、途中までのボス・エギルや本当のボス・ザンザ、主人公シュルクの動機が全て私怨などの私的な理由でしかない。途中でその私怨を捨てようとかシーンがあるが、それもとってつけたように見える。三聖も結局それほど意味がある存在でもなかった。途中で急に裏切ってシナリオを盛り上げるけど、その行動や動機が不明瞭で倒しても単なるちょっとしたゲーム的なハードルでしかない状態。もっと、三聖に性格づけ動機付けが欲しかった。
そして、このソフトの前の名前であるモナド。結局、最初のモナドがどうしてできたのかは語れなかった。謎のまま。モナドが限定的で万能なのか、一般的なのかもよくわからない。最後で主人公のモナドが出てくるけど、すべての生き物にモナドがあるような解説があったので、むしろ最後はワイルドアームズ2のように世界のすべての生き物のモナドを集める演出があったほうが感動的だったと思う。創造された生物の創造主の神への対峙という意味でも意味があったと思う。
シームレスなフィールドや演出、音楽は素晴らしいけど、これほど持ち上げられるようなRPGには見えなかったです。オペラで言えば、アリアはすごいけど、ストーリーやキャラが馬鹿なトスカのようなゲームです。マーケティング戦略的に「ゼノ」の名がついていたけど、ギアスのような世界観はまったくないと思います。別の名(モナドではなく)で出すべきゲームでした。
この続編っぽいのが、WiiUで出るようだけど、PVを見ている限り期待できないかな?この惑星での世界を広げるしかないと思うが。
テーマ:ゲーム
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