かなり時期外れではあるが、夏の風物詩と言えば花火。夜空に咲いた大輪の打ち上げ花火もいいものだが、手持ち花火の最後を締めくくる存在といったらやはり“線香花火”ではないだろうか。
儚くも美しい線香花火の灯火は多くの日本人の感性を刺激する一方で、火花が飛び散る仕組みについては長い間謎とされてきた。
今回はそんな線香花火の謎にハイスピードカメラがメスを入れた、美しくもためになる映像をご紹介しよう。
■線香花火の謎とは線香花火とは、こよりの先端に少量の火薬が詰められ、火を点けることで小さな火球が生まれる花火のこと。時間経過によって燃え方が変わっていくのが特徴で、パチパチと飛び散る独特の火花の形は「松葉」にも例えられる。
考えてみればこの火花、一体どのような仕組みで火球から発生しているのだろうか?
燃えている様子をハイスピードカメラで捉えることによって、今回それが明らかになる。
■高速度撮影で正体が明らかに東京大学大学院の井上智博特任准教授と共同研究者たちが発表した線香花火の映像。高速度カメラ「Photron SA-Z」を使用し、火球から火花が飛び散る様子を毎秒10万コマで撮影したものだ。
「線香花火の火花は液滴であり,火球表面にできた気泡の破裂によって液滴が飛び出すこと,そして,液滴が最大8回連鎖的に分裂することで松葉火花ができることがわかった。」(動画の詳細より)