日本会議について書かれた菅野完氏の「日本会議の研究」、青木理氏の「日本会議の研究」によれば、日本会議の中でも主張は一色でないようです。全体として戦前回帰の傾向があるものの、籠池泰典理事長のように幼い子どもに「教育勅語」や「海ゆかば」「愛国行進曲」を強いるのは極端なのかもしれません。
昭恵夫人はこうした籠池泰典理事長の教育に深く賛同し、これに反する公立学校の教育を一部否定されているわけで、もし安倍総理も同じような考え方をされているとしたら、筆者を含め、かなりの方が震撼する事態ではないでしょうか。
安倍総理は衆院予算委員会でこう言い切りました。
『私も私の妻も、いっさい認可にも、国有地の払い下げにも関係ないのでありまして、(中略)関係していたということでありましたら、総理大臣も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい。』
「瑞穂の國記念小學院」に対する国有地払い下げ問題は、結局の所ほとんどタダで10億以上の国有地を籠池氏の森友学園へ払い下げたわけですから、数多くの不明瞭な点が露骨に見えています。実態に問題があれば、その経緯に安倍総理および昭恵夫人の影響がなかったのかも明らかにしなければなりません。
一方で、公人とおぼしき総理大臣夫人が戦前回帰的な国家観を日本の教育に求め、文科省が管掌する公立学校の教育を否定するような言動をすることに問題はないのか、さらに、夫であり、寄付集めに名前が使われ、文科大臣の上に立つ安倍晋三内閣総理大臣にも、ご自信の教育観や昭恵夫人の言動をどう考えるのか、確かめなければなりません。