両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー]
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経済評論家・植草一秀氏が詳細に伝えている「瑞穂の國記念小學院」への国有地払い下げ疑惑ですが(http://mediagong.jp/?p=21620)、払い下げ価格などの不可解な問題に加え、もうひとつの問題があるように思います。
ぜひ動画サイトで検索し「大阪 開成幼稚園」および「塚本幼稚園」園児の動画を視ていただきたい。壇上にならぶ園児たちが大声で叫んでいるのはなんと「教育勅語」、続いて大きく口を開けて元気に斉唱しているのは、「海ゆかば」、「愛国行進曲」、「日の丸行進曲」など。
こうしたことを教育方針とする幼稚園の園長が森友学園の籠池泰典理事長です。保護者向け文書に「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記載し、民族差別とかヘイト文書ではないかと大阪府から調査を受けています。
園児が暗唱する「教育勅語」は忠君愛国を国民道徳として強調した明治天皇の勅語です。もちろん戦後廃止されています。
園児が斉唱する「海ゆかば」は「海ゆかば水漬く屍/山ゆかば草むす屍/大君の邊にこそ死なめ/かえりみはせじ」という詞で、「海では水に、山では草の上に屍となっても、天皇のために死ぬなら後悔などない」といった意味でしょうか。戦時中は戦死者がでた戦況を大本営が発表する時にテーマ曲として使われた曲です。
幼い園児たちが何の疑いもなく忠君愛国を唱え、天皇のために命を捨てることを厭わないと一心不乱に歌っています。この姿は、筆者にはあまりに痛々しく、幼い子らにそこまでしなくても・・・と強く思えました。