こんにちは!
先日キミラノさんの公式ツイッターを覗いたところ、「大和撫子作品」なるものを特集しておりました。そのワードに惹かれて私なりの大和撫子作品を考えてみよう! と思い久々に布教記事を書きに参りました(`・ω・´)
というワケでなんとなーくで意味を知ったつもりになっていたもののそもそも「大和撫子」とは何だろう? と調べてみたところ、
日本女性のしとやかさ、奥ゆかしさ、あるいは清らかさ、美しさをたたえていうことば。か弱さの中に、りりしさがあることを、ナデシコの花になぞらえたもの。
大和撫子(やまとなでしこ)の意味・使い方 – 四字熟語一覧 – goo辞書
と出てきました。私の大好きなタイプのヒロインで万歳です(。-_-。)←
そんなことを踏まえつつ私個人の感覚ではあるんですがこの記事においての「大和撫子作品」の定義を、
①和風作品である。
②登場人物が着物を着ている。
③控えめな女の子や、可憐な女の子が主人公である。
④描写に和風な美しさがある。
としてみました。まぁ私が直感的に「大和撫子だ……!!!」と思った作品なんだなと思っていただければ( ̄▽ ̄) めちゃくちゃザックリ判定です。←
そんなワケで私が思う大和撫子作品、読んでほしい大和撫子作品をプレゼンさせていただきます!!!
読んだことある人にも読んだことない人にも楽しんでもらえれば幸いです(`・ω・´)
①浪漫邸へようこそ(深山くのえ/ルルル文庫)
大和撫子度:★★★★★
淡い恋:★★★★★
にぎやか優しい同居生活:★★★★★
【あらすじ】
大正初期。ある事情から、十六歳で家を背負うことになった貧乏子爵家の長女、紗子(すずこ)。偶然、危ないところを助けてくれた帝大生、伊織(いおり)との出会いをきっかけに、紗子は子爵邸で秘密の下宿屋を始めることになる。早速集まったのは、帝大生と画家と本屋、それに作家と写真屋というなんとも個性的な人々で!? ワケあり子爵家ではじまった、賑やかで優しい同居生活とほのかな恋。美しく密やかに、乙女の恋は花開く――大正ロマン譚開幕!
「大和撫子作品といえばコレでしょ!!!」と真っ先に思い当たった作品です(。-_-。) 主人公はいわゆる華族の娘、時代はまさに大正浪漫でございます。
華族でありながら下宿屋を営むというのはこの時代では変わった要素だと思いますが、華族の事情が見えつつ下宿人達のワイワイ感も見えてとっても楽しかったです。
しかしこの時代らしく控えめなのがまた愛おしいんよなぁ……!!!
現代ほどに物がない時代、しかし日々できることを考え、ちょっとしたことに目を留め心の深くにまで落とし込むこの時代の人々の営みが愛おしくならずにはいられません。あき先生のイラストがまた大正浪漫を感じさせる素敵なもので(。-_-。)
芽生え始めるほのかな恋がこれまた奥ゆかしくてたまらない(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 紗子の恥じらいがかわいらしいし伊織さんがこれまた素敵な学生さんなんだよね。そりゃあお互い惹かれますとも(笑)
基本的に紗子目線で話が進んでいくんだけど、ほんのちょっとだけある伊織目線がこれまたたまらないのでそこも楽しみにしていてほしい(`・ω・´)
嫌な人も出てくるのですが、そこをみんなで乗り越えていく感じが心強いので結構楽しめだったりもします(笑) 伊織をはじめとした下宿メンツがこれまたいいキャラしてるんだよなぁ~( ̄▽ ̄) 他にも同居している皆様とっても素敵なんですよ。
全3巻でスッキリ終わっていますので気軽に手を出しやすいかと思います。是非紗子のほのかな恋と常識外れな下宿屋さんのワイワイを見届けてください(。-_-。)
②姫頭領、百花繚乱!(彩本和希/コバルト文庫)
大和撫子度:★★★★☆
最強ヒロイン:★★★★★
不憫萌え:★★★★★
【あらすじ】
名門家の姫でありながら、人並み外れた剣の使い手である葵。彼女は、このたび桜花衆の頭領を任じられた。この陽源(ヒノモト)の国は長く国を閉ざしていたが、十七年前、他国に開国を迫られた。その際に「外来種」と呼ばれる毒性の植物が持ち込まれ、いまだに人々の暮らしを脅かしているのだ。この外来種の駆除を専門とする、クセ者揃いの剣豪集団に、紅一点、飛び込むことになった葵の運命やいかに…!!
戦う様や設定のひとつひとつに和の美しさが散りばめられているな、と思い紹介させていただきました。桜花衆、花狩番、散華姫、散華刀、などなど。とにかく言葉のひとつひとつが雅極まっていて惹かれずにはいられません。
主人公の葵の戦う様がまた美しく、女だてらに刀を握るとはいえ本人はまったく男勝りではありません。むしろ普段はおっとりめ、戦いの時でなければ女の子らしい着物に身を包んでいます。これもまたひとつの大和撫子なのかな? と思い、選ばせてもらいました。
葵が束ねることになる桜花衆は新選組をモデルにしてるのかな? というところが随所にあり、そこもまたワクワクポイント。葵はじめ皆々様本当にキャラが濃くて笑っちゃいますwww
しかし締めるところはしっかり締めるというか、戦いにつきもののシリアスな展開もありますのでそこも楽しんでもらえれば。
全4巻でスッキリ終わっているのでこちらも手に取りやすいかと思います。葵の恋や、外来種との決着を是非見届けてもらえれば。
ちなみに不憫萌えはイラストのくまの柚子先生が言ってたのですが表紙にいらっしゃる黒髪コワモテヒーローのことです( ̄▽ ̄)
③『白竜の花嫁』(永野水貴/一迅社文庫アイリス)
大和撫子度:★★★★★
待ち受けるむごい運命:★★★★★
狂おしいほどの恋:★★★★★
【あらすじ】
「君は綺麗だ。その紅い瞳も、肌も……」
婚礼を控え幸福の中にいた小国の姫・澄白は、国を護るため、竜に捧げられる”花嫁”に選ばれてしまう。
異なる形で国を護ろうとする兄の計略に従い、竜を殺すための呪をその身に刻み、嫁いだ澄白。
しかし夫となった竜・シュトラールの優しさに触れ、次第に決心が揺らいでいく。
竜を殺し許婚のもとに戻るか、竜を救うか——。
美しい竜の青年に出会い、澄白が選んだ運命とは?
現在『恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。-妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら-』を書かれている方です。
まったくの和風ファンタジーというよりかはいろんな国が出てくる感じです。むしろ西洋率の方が高い( ̄▽ ̄) 主人公の澄白は東洋人です。澄白は基本着物なのですが(そのデザインひとつひとつが美しい……(。-_-。))、たまに洋服も着てくれるので衣装チェンジが楽しみだったり(笑)。いろんな国が出てくるお話ならではですな👍
その澄白が奥ゆかしく控えめながらも彼女なりの強さを育んでいく物語だな、と思ったのでこちらも選ばせていただきました。
しかしながら、人間そう簡単に強くはなれないもの。人というものもまたむごく、同族であるはずの澄白に優しくばかりではなく。。。
様々な葛藤に苛まれ、打算なく慈しんでくれる竜の夫・シュトラールとも種族の違い故に苦しむこともしばしば。
どうにもならない現実や、人の醜悪さ、竜との分かり合えない溝に打ちのめされる澄白。
しかし全巻読み終えている今こうして記事を書きながら思い返してみると、それでもやっぱり美しかった、と迷いなく言える作品なんです。
手の届かぬほど凛然とした竜の在り方、澄白の内で渦巻く人間くさい葛藤、すれ違いばかりの澄白とシュトラールの狂おしいほどの恋。ここまでの出会いも、何もかもが澄白の心を踏み潰すばかりではなかった。
そうした物語そのものの否定しようがない美しさが澄白の魅力と重なり、大和撫子作品と呼ぶにふさわしいのではないかと思い紹介させていただきました。
残念ながら7巻で打ち切りの形になってしまったのですが、その7巻でここまで苦しんできた澄白が1つの答えに辿り着けたようで、ここまで書いて刊行してくださったことに本当に感謝しています。読み続けててよかった。
……という私の感想はさておき(笑)、ただ苦しいだけじゃなく事件そのものが入り組んでいて読み応えがあったり、葛藤ばかりの恋に澄白のバタバタぶりが愛おしかったり、いろんな竜と人の在り方があったり。
丁寧に練り上げられたむごく美しいハイファンタジーとなっております。どうかこの世界の虜になってほしい。
④『春夏秋冬代行者』(暁佳奈/電撃文庫)
大和撫子度:★★★★★
冬への恋慕:★★★★★
春に焦がれる:★★★★★
【あらすじ】
「春は――無事、此処に、います」
世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。
いま一人の少女神が胸に使命感を抱き、立ち上がろうとしている。四季の神より賜った季節は『春』。母より授かりし名は「雛菊」。十年前消えたこの国の春だ。雛菊は苦難を乗り越え現人神として復帰した。我が身を拐かし長きに亘り屈辱を与えた者達と戦うべく従者の少女と共に歩き出す。彼女の心の奥底には、神話の如く、冬への恋慕が存在していた。
暁 佳奈が贈る、季節を世に顕現する役割を持つ現人神達の物語。此処に開幕。
アニメ化もされた『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の原作者さんによる新作です。
めちゃくちゃ和風ファンタジーなんですが、実は舞台は昔っぽい時代観ではなく現代日本………………………………に、限りなく近い大和の国。だから表紙の2人がたまたま着物着てるだけで他はほとんど洋服だったりします(笑)
そんな現代日本風異世界で、春の主従がこの国に春を取り戻し、それぞれが負っている心の傷に決着をつける――いや、消えない傷もたくさんあるのだけれど――話。心の傷をどこまでも慈しむ物語、なのかな。
雛菊という春の代行者が幼い頃に誘拐されていたという事実から分かるように、かなり現代にあり得るむごさ、ファンタジー要素でありながら生々しい傷跡が随所に見られます。
神様でありながら普通の人間、しかし人間でありながら神でもある。そんな四季の代行者と、それぞれと痛いほど心が深くつながった従者。
季節や心の描写がまた美しく、春の主従にも大和撫子を感じましたので選ばせてもらいました。
春と冬の恋の痛みを伴う一途な恋にこれまた惹かれずにはいられません。
上下巻でひとつの決着を見られるので、上下巻買っての一気読みをオススメします(笑)
続刊決定も発表されていたのですが、先日とうとう発売時期も発表されました(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ コミカライズも既に決定していて楽しみですね(`・ω・´)
今年2022年、7月に今度は夏の主従の物語が始まるとのこと。一緒にそんな夏を待ちながらまずは春の物語に足を浸してみるのはいかがでしょうか(。-_-。)
⑤『水無月家の許嫁』(友麻碧/講談社タイガ)
大和撫子度:★★★★☆
許嫁から始まる恋:★★★☆☆
居場所はここに:★★★★★
【あらすじ】
高校一年生の水無月六花は、最愛の父が死の間際に残したひと言によって生きる理由を見失う。
だが十六歳の誕生日、本家当主と名乗る青年が現れ、“許嫁”の六花を迎えに来たと告げた。
「僕はこんな血の因縁でがんじがらめの婚姻であっても、恋はできると思っています」。
彼の言葉に六花はかすかな希望を見出すーー。
天女の末裔・水無月家。特殊な一族の宿命を背負い、二人は本当の恋を始める。
3月に発売されたばかりの新作です。作者はアニメ化された『かくりよの宿飯』の原作者さんでもある友麻先生。
主人公の六花は令和の大和撫子ヒロインと言っても過言ではないんじゃないでしょうか。
痛みを知っているが故に自分に自信がなく、生きる理由すら見失ってしまうほど。そんな中で思いがけず差し伸べられた手にすがり、そこで自分の居場所を見つけ自分にできることを考え始めていく。
この、自分の手に届く範囲をがんばろう、とするところが人間らしくて愛おしく。大人しくて控えめな彼女の心が徐々に花開いていく様はキラキラしていると私は思います。
現代日本が舞台なんですけど表紙でも着物着てるし水無月家は着物着てる率高いですからね(`・ω・´) 令和の大和撫子作品に違いありません(笑)
ファンタジー要素も現代日本の中に巧みに組み込まれていて読んでて楽しかったです✨ これがまた雅やかで美しいんですよ。。。
許嫁から始まる恋模様も控えめにおずおずと歩み寄る感じがたまりません。ご当主のダイレクトアタックにもご注目あれ(笑)。
3月に発売されたばかりで、どうやら続刊も既に決まっているご様子。しかもコミカライズも今月には連載開始という……!!!
1巻発売されたばかりとは思えぬ贅沢仕様。これはもう今からどっぷりハマるしかありません(`・ω・´)
というワケで、今回は私が思う私の大好きな大和撫子作品を5作紹介させていただきました。
いつもは青色で統一したがるところを大和撫子作品なのでピンクを基調にしてみました(笑)。鞭展開度を必ず評価してるところも大和撫子度に変えてみたりなんかして。
普段大人しい子が怒ると結構こわい……いえいえ(笑)、そういう子ほど強いというか、そういう子特有の強さがあるというか。それぞれのヒロインにやわらかく傷つきやすい心がありつつ、だからこそしなやかな強さがありつつ。怒るとそれはそれで凛とした魅力があって私は大好きです。←
そんな彼女達に惹かれずにはいられない。そして取り巻く世界、その描写にも大和撫子と呼ぶにふさわしい美しさが散りばめられています。
まだまだ4月、春にふさわしい………………………………のかはともかく(『水無月家の許嫁』は6月から物語が始まりますしね)、あなたの思う大和撫子作品を読んで、風雅な美しさに酔いしれてみてはいかがでしょうか。
余談。
キミラノさんが大好きな糸森環作品『かくりよ神獣紀』を大和撫子作品として紹介してくださったのですが、主人公の人間くさい面白さと異世界ハードぶりに私の中での大和撫子作品からは省かれましたwww ですがこちらもめちゃくちゃ面白いことをここに書いておきます👍