休眠会社を不正転売容疑で男ら逮捕 広島県警
広島県警組織犯罪対策課は20日、休眠会社を転売する目的で、違法に法人登記を変更したなどとして、東京都豊島区の経営コンサルタント会社「健友社」社員、原光容疑者(26)=東京都練馬区北町5=と、無職で中国籍の高景洋容疑者(38)=埼玉県坂戸市薬師町=を電磁的公正証書原本不実記録・同供用などの疑いで逮捕した。
県警によると、健友社は休眠会社売買を中心に事業を展開。同社が転売した休眠会社35社が、架空請求など特殊詐欺事件に悪用された疑いがあり、うち11社について実際に被害が出た。被害者は19都府県にまたがり、被害額は約1億2千万円に上るという。
逮捕容疑は、高容疑者が健友社から休眠会社を購入した際に共謀して、実際には就任していない人物の取締役就任が可決されたように装った虚偽の臨時株主総会の議事録を昨年3月12日に法務局に提出し、不正に登記した疑い。休眠会社の売買自体は違法ではない。
原容疑者は司法書士ではないのに法人登記の申請手続きを代理したとして、司法書士法違反の疑いも持たれている。
健友社は約5万円で買い取った休眠会社を、高容疑者に約42万円で販売していた。県警によると2人は容疑を認め、高容疑者は「休眠会社を購入し転売してもうけようと思った」と話している。
県警は20日、健友社を家宅捜索した。今後、健友社の社長からも事情を聴く方針。
高容疑者は架空の会社を使って偽ブランド商品を販売したとして昨年秋、商標法違反容疑で逮捕、起訴された。この捜査の過程で休眠会社の違法転売が浮上したという。〔共同〕