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純日本人会2351 / 貿易統計から読み取れる日本経済の大きな一面

財務省の貿易統計が発表された。

新着情報    02月07日        令和4年1月上中旬分速報発表
https://www.customs.go.jp/toukei/info/index.htm

令 和 4 年 1 月 20 日 財 務 省報 道 発 表 令和3年12月分貿易統計(速報)の概要
https://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2021_12.pdf

●総額

輸  出 金 額   7兆 8,814億円  +17.5% 10ヵ月連続の増加
数量指数    109.6  + 2.0% 2ヵ月連続の増加

輸  入 金 額   8兆 4,638億円  +41.1% 11ヵ月連続の増加
数量指数    107.3  + 1.0% 2ヵ月連続の増加

差  引 金 額   ▲5,824億円 - 5ヵ月連続の赤字


・輸出
(増加品目)

自動車 :+ 17.5%
鉄鋼  :+ 75.1%

半導体等:+ 25.9%

・輸入
(増加品目)

原油    :+ 116.6%
液化天然ガス:+ 100.5%
石炭    :+ 178.4%

(為替レート:税関長公示レートの平均値)
 令和3年12月 : 113.95円/ドル(対前年同月比:9.5%の円安)
(令和2年12月 : 104.11円/ドル)

以上は公表資料からで、気が付くのは輸入物価の上昇。金額が41,1%上昇で数量は1,0上昇だから輸入物価が相当に上がっていると言える。輸出物価も上がってはいるが数量で17,5%で金額は2,0%だから大した事はない。

輸入で増えたのはエネルギー。これは低下傾向とはいえ長年続いている傾向。そしてコロナ禍以来エネルギー価格の上昇が世界的規模で続いている。

物価が上がる原因は生産と消費の均衡が崩れる、通貨発行が増えるなどが言われているが、基本は売りたい人より買いたい人が多い事で起きる。今は、サプライチェーンが壊れたからなのだろうか?エネルギー価格だけが異様に上がっている。日本の場合石油やその他のエネルギーを使って更に高度な製品を作るから製品価格に占めるエネルギー価格分の上昇は薄められる。産業の高度化が遅れている国、地域はエネルギー価格の上昇が物価に跳ね返る比率が高い。

日本の主要貿易相手国の米国、EU、中国とは輸出の伸びより輸入の伸びが大きく、しかしそれ等諸国からはエネルギーはもともと殆ど大して輸入していない。と言う事は日本経済は世界的に見ると経済悪化の程度が低いと言う事になる。日本国民は日本政府の優秀さに自信を持ってよい。岸田政権を支持しているとかいないとかの話ではなく、政府や与党政治家を無闇に馬鹿にしない方が良い。

 菅総理を自民党は何故続けさせなかったのかがいまだに不思議。安倍総理は残り任期1年で病気退陣で、私には有能に見えて巧く仕事をこなしていた菅官房長官が総理大臣に成り、直後の大人気の時に解散していれば更に圧勝だったはず。政治家の批評は難しいものだと言う事をつくづく感じる。改憲の雰囲気つくりを少し後退させたのではないかと思い残念な気がしている。地方の自民党員云々の前に外国侵略勢力による公権力の行使があったのでは?と疑いを感じる。有れば侵略である。私の経験では外国侵略勢力は「保守」を偽装して近付いてくる。

そんな話は其処までとして、日本経済は1970年頃から政府の政策転換でおかしくなり始めた。1980年代に入って中曽根、レーガン時代に日本の経済政策の足をひっぱたのは明らかに日銀だった。国内の物価が上がらないように消費を抑制する為に大蔵省が財政政策をすると日銀が金融政策面で引き締める。経済成長は財政政策と金融政策の阿吽の呼吸で成功する。

1970年初頭以来の日銀の政策方針はゼロ以下物価上昇目標だった。その方針の拠って立つ根拠は「物価の安定」。

日銀法では《 第二条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。》とある。

国際的には「物価の安定」と言うのは何%なのかと言う国際的な定義はなさそうだが2~3程度に物価上昇を抑えるという事ではないだろうか。外国ビジネスマンと話した時は、彼はそう言っていた。「何処の国(欧米)でも2~3%の物価上昇は当たり前ですよ!」と言って目を丸くしていた。

しかし日銀の今までの政策、発表を監視していると日銀の考える「物価の安定」というのはゼロ以下物価上昇と判断せざるを得ない。それなら経済成長はゼロ成長となる。

大蔵省、今は財務省が政治家の要望で国債を増発して景気浮揚を図るも、必然的に日銀が「マネー」を増発しながら、しかし金利、売りオペ、買いオペ、その他様々な金融政策手段を駆使してゼロ以下物価上昇を目指して消費を抑制し、財務省が税率で金融資産と高額所得者を優遇して資産格差、所得格差を拡大させる。格差が増大すると日本国内の消費性向を引き下げ、ゼロ成長では日本経済が低迷するのは当然のこと。それほど難しい経済学の理論は必要のない話。

日銀、財務省という経済政策の二本柱がギクシャクして何十年も続いたから、日銀は金利も貨幣供給量も効かない状態になっている。薬を使いすぎて効かないようなもの。

安倍総理が物価上昇を目指す政策を執ったが巧く行っていない。日本経済の病状がそれだけ重いというわけ。ところが此処へ来て輸入物価の上昇である。建築費なども高い。エネルギー価格の上昇は他の分野の価格にも上昇圧力が掛かる。2%物価上昇目標にとってまたとないチャンスではないか。日銀はゼロ以下物価上昇思考を転換するか否かが日本経済の分岐点になるのではないだろうか。ヘンな経済ヒョーロンカに踊らされずに、物価上昇がゼロでは経済成長もゼロである事を国民は理解するべき。

  栗原茂男

 
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