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天竺鼠・瀬下は「芸人やめます」 女性2人が「中絶」「暴力」告発

「週刊文春」編集部

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「この度、結婚をしてるにも関わらず不貞を働き、世間を騒がせてしまいました。関係者の皆様、ファンの皆様、本当に申し訳ありませんでした!」

 4月10日午後0時半、渋谷のヨシモト∞ドーム。神妙な面持ちで深くお辞儀し、満席の客席から拍手を浴びたのは、漫才コンビ・天竺鼠の瀬下(せした)豊(42)だ。

 

 小誌が、妻子ある瀬下の、20代半ばの女性・A子さんとの不倫を報じたのは3月31日号。不倫関係を問う記者に対し、「うわぁぁ来た!」と驚きつつも、カメラにポーズを決めた。同号発売日にはツイッターを更新。妻に「ノーチャンスやから次はないからね」と叱られたと明かしていた。

 妻やファンへの謝罪を済ませ、舞台上で軽妙なトークを繰り広げる瀬下。

 だが――。その頃小誌には、記事を見た女性たちの告発が相次いでいた。

「生きてたら今頃7歳くらいかな。月命日が近づくと、苦しくて……」

 そう涙ぐみながら語るのは鹿児島県在住の30代女性、B子さん。

 鹿児島は瀬下と相方・川原克己(42)の地元。2016年の東京進出以前は仕事で度々帰郷していた。

 そんな中、12年頃、地元でタレント活動をしていたB子さんと出会った。B子さんは当時20代前半。

瀬下とB子さん

 B子さんが言う。

「14年の夏、深夜に瀬下から『飲んでるから来ない?』と誘われて市内のバーで飲み、誘われるままホテルで関係を持った。『ゴム着けたら意味ないやん』と、避妊はしませんでした」

 瀬下は07年に結婚、2人の子も儲けていた。B子さんはそれを知っていたが、その後も関係は続いた。

 そして15年の10月頃。自宅での性交後、B子さんは体調の異変に気付いた。検査を受け、妊娠が判明。

「せっかく授かった命を堕ろしたくない。シングルマザーになる覚悟で赤ちゃんを産みたいと思った」

 大阪にいる瀬下に電話で伝えると、彼は言った。

「外に出したからできるわけないやろ!」

 思い当たるのは瀬下以外にない旨を説明したが、

「堕ろしてくれ。育てる金がない。俺に家族がいるのを知って不倫したお前も悪い。嫁がお前を訴えて負債を抱えることになる」

 と言い、

「大阪に安くて身分証も必要ない医者がいる。こっちで堕ろしてくれないか」

 パニックに陥ったB子さんは、その後の交渉を母親に託した。母親が証言する。

「謝罪の言葉は一切ないどころか、まだ堕ろしてもいないのに『水子供養に行ってきました』と……。娘は、見るのも辛い状態だった。娘は玩具じゃなく、一人の人間なんです」

 県内の病院で堕胎手術を受ける決心をし、母娘は病院に向かう。だが、立ち会うはずの瀬下は仕事を理由に来なかった。中絶費用は10数万円。瀬下はB子さんの口座に10万円を送金した。

 手術の2日後に仕事に復帰したが、B子さんの心は蝕まれていた。急に泣いたり冷汗が止まらなくなる。1週間後の深夜にはリストカットに及んだという。

 その後一般男性との結婚、離婚を経て家事手伝いをしているB子さん。瀬下への感情を吐露する。

「私はずっと辛い思いをしている。文春の報道を見て、私みたいな被害者を二度と出したくないと思いました。瀬下は女性を何だと思っているのか」

 もう一人、大阪在住の30代女性・C子さんは元々瀬下のファンだった。12年1月、ミクシィでメッセージを送るとすぐに返事がきて1週間後に会うことに。

 瀬下は車をひとけのない工場地帯へ走らせた。

「抱きしめられて後ろの席へと移動するとパンツを脱がされました。避妊はしてなかったです。『中に出していい?』と言われたが断りました」(C子さん)

 憧れの瀬下との、一度きりのつもりだったが、誘われては会ううちにC子さんは瀬下に依存していく。

「『髪切ったんや。めっちゃ似合うやん』と頭を撫でたり、女心を掴むのが上手なんです。いつしか恋愛感情を持ってしまい、嫌われたくない一心で、ピルを服用するようになりました」

 橋の下や、ときには瀬下の自宅至近の公園などで性行為。カラオケ店で瀬下が見ている前で後輩芸人との性交を指示されたり、ホテルで先輩芸人と性交し、行為中の動画を撮って送れと指示されたこともあった。

 当初は、C子さんの意思と合致していた面もあったという。だが、次第に身長177センチと大柄な瀬下が、50キロに満たない華奢なC子さんの身体を傷つけるようになった。

「性行為中に痣だらけになるほど強く噛むんです。血が滲み、2週間傷跡が消えないこともあり嫌でした。酒に酔ったら暴力的になり、些細なことで言い合いになると腹や足を殴られた」

C子さんの背中のあざ

 13年頃の深夜、瀬下からの電話で起きたC子さん。瀬下は少し前、自分に黙って後輩芸人と会ったことに怒り、C子さんは「今すぐ来い」と呼び出されると壁に叩きつけられて殴られた挙句、首を絞められて失神したという。

 C子さんの同僚が語る。

「瀬下に平日の夜中に呼び出されて、寝ずに虚ろな目で出社することも度々。何度も関係を断つよう説得しました。当時のC子は瀬下に支配され、異常な精神状態だったのだと思います」

 そんな中、一人の男性の存在がC子さんを目覚めさせた。C子さんは言う。

「今回ばかりは笑えないです」

「18年に現在の婚約者と交際を始めました。温厚な彼と過ごしていると、自然と瀬下さんのことが頭から消えていったんです」

 同時に湧いてきたのは瀬下への怒りと、自分の愚かさの自覚だった。

「瀬下さんとは縁を切る決心で『結婚して北海道に移住した』と嘘を伝えたのですが、時折『何してるん?』と連絡がきます。その度に恐怖が蘇ってきます」

 深く息を吐いた後、C子さんはこう言った。

「瀬下さんを好きだったのも事実です。関係を切られるのが恐く、玩具のような扱いにも耐えていた。今思えば決断を先送りにして、時間を無駄にした私も馬鹿だった。同じような女性がこれ以上出てほしくない」

 冒頭のライブ後、楽屋口から出てきた瀬下に話を訊いた。B子さんの中絶や、当日立ち会いをしなかったことを認め、

「それは本当に申し訳ないと思ってます」

 と言う瀬下。“身分証の必要がない大阪の医者”を勧めたことは、

「知り合いに聞いたとこで。大阪だったら僕が近くにおれるから……」

 ただ、手術費10万円しか払わなかったという点は「結構痛手(な額)ではありました」と、それ以上の額を支払ったと主張した。

小誌記者の取材に応える瀬下

 C子さんについては、「噛んでほしい、首絞めてほしいと頼まれて、付き合っただけ」と、暴力に恐怖を抱いていたというC子さんとは食い違う認識。同僚芸人との性交渉を指示したことについても、芸人やC子さんに「頼まれただけ」。

「(自宅至近の公園での性行為は)あまり気にしなかった。俺がバカなんで」

 そして瀬下はこう言った。

「もう……芸人に見切りつけようかな。次出たら芸人やめると決めていた。目茶苦茶やってきたからまた出てくるだろうし。今回ばかりは笑えないですしね」

 所属事務所の吉本興業は、小誌の取材に対し、「プライベートについては回答を差し控えます」とした。

 瀬下は今、周囲の関係者にも辞める意向を漏らしているという。

YouTube「佐久間宣行のNOBROCK TV」では川原から“公開説教”

source : 週刊文春 2022年4月21日号

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