(社会新報2022年2月9日号2面より)
社会民主党全国連合常任幹事会は1月26日、参院選の比例代表に新人で東洋大学教授の金泰泳(キム・テヨン 井澤泰樹)さん(58)を擁立することを決定した。比例代表予定候補としては福島みずほ党首、大椿ゆうこ副党首に続き3人目となった。
キム・テヨンさんは31日、参院議員会館で出馬表明の記者会見を開き、「『大切にされている』と誰もが思える社会に」「多様性を力に」と決意を語った。
会見に同席した福島党首は「この日本社会の中で全ての差別をなくしたい。多様性を認め合い、共生社会を実現していきたい。それが社民党の立場だ。まさに『大切にされている』と誰もが思える社会をつくっていくために全力を挙げていく。キムさんの当選を含め全力を尽くしたい」と述べた。
多様性を尊重し力に
キムさんは2009年に日本国籍を取得した経緯について「すでに作られている制度に従うだけではなく、自分が制度を変えたり、制度を作る側になりたい。その思いから日本国籍を取得し、参政権を得た。在日コリアンルーツを持つ人間として、エスニックマイノリティとしての視点から現代の社会における多様性を尊重し、それを力にしていきたい」と説明した。
その上でキムさんは、「社会のマイノリティ(弱者・少数者)の問題は、ともすれば『弱者救済』と捉えられがち。しかしそうではない。社会的マイノリティのための政策は『弱者救済』だけに終わることなく、この国と社会や経済の活力に結びついていく」と強調した。
また、キムさんは東京・武蔵野市議会で昨年12月に「外国人の住民投票を認める条例案」が否決された際、反対派議員が「外国人の住民投票を認めると次には地方参政権を認めなければいけなくなり、日本人の権利が抑圧され、浸食される」と言及したことに関し、次のように指摘した。
共生は他者も幸福に
「それは大きな間違い。『共生』とは自分たちの幸福を追求することで、他者の幸福を抑圧することではない。自分たちの幸福の追求と他者のそれを両立させるバランスを取る営みが『共生』。定住外国籍住民が権利を持つことは、日本人の権利を侵食したり、日本を壊すことではない。日本を創造していくことだ」
最後にキムさんは実現したい具体的な政策として、①定住外国籍住民への地方参政権付与②子どもの国籍付与における出生地主義、複数国籍を認める③教育費の補助・無償化と奨学金の返済免除③朝鮮学校授業料無償化の実現④「大学生も生活保護の対象に」を実現⑤「自分たちが変える」を実感できる主権者教育・市民教育の実施 を挙げた。
↑参院選比例代表に出馬する決意を述べる金泰泳さん=左。右から服部幹事長と福島党首(1月31日、参院議員会館)。
金泰泳さん
東洋大学社会学部教授。専門分野は社会学(共生の社会学、ダイバーシティ論)。1963年、愛知県生まれ。98年、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了.博士(人間科学)。2009年に日本国籍を取得。参院選比例代表で社会民主党から立候補を予定。ツイッターのアカウントは@kim_TaeyougTK
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