ニート

登録日:2009/11/14 Sat 17:52:44
更新日:2022/04/13 Wed 04:56:35NEW!
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働いたら負け

かなと思っている


概要

ニート(NEET: Not in Employment,Education or Trainingの略)は、就業も就学もしておらず、就業訓練や就職活動もしていない人を示す。

本来の定義では、上記の状態の若者が該当する。
日本では、15〜34歳までの非労働力人口の内「通学・家事を行っていない者」を指し、35歳以上になると単に「無職」と呼ばれることが多い*1。「スネップ(孤立無業者)」という呼び方も提唱されたが、あまり普及していない。
とはいえ、現実には世代関係なく「理由もないのに無職な人」の代名詞と化している。
2010年代後半以降は引きこもりの若者がそのまま歳を重ねた「ニートの高齢化」も指摘され、80代の親が50代の引きこもりの子の面倒を見ている「8050問題」と絡めて社会問題とみなされ始めた。

傾向としては男性が多いとされ、統計では全体の7割を占めている。
ただし女性の場合、「家事を行っている」と回答したために定義から外れ、少なくなっている可能性がある。

定義を端的にまとめると、要するに「働く意思があるか否か」。
なので、自分だけの都合で求職活動を止めてしまったら就労意思が無いのでニートに該当する。
一方、心身いずれかもしくは両方に就労が困難な障害を抱えている、家族の介護などで働く意志はあるが働けない状態な場合、ニートには該当しない。
ただ、精神的な障害によって引きこもってしまった人達の場合、ニートかそうでないかを見分けるのはなかなか難しい。

誤解しないでいただきたいのだが、"正規雇用で働いていない者”=ニートではない。
アルバイトやパートで生計を立てている者(非正規・フリーターと呼ばれることが多い)、就職活動を行っているが職を得られていない者は、就業中あるいは求職中であり定義から外れるためだ。
「自営業者や経営者は雇われてないからニート」などという誤った解釈もあるが、当然「就業=雇用」ではないし、自営業や経営業自体は立派な「労働」であり「就業」しているのでニートには当て嵌まらない。
また、長期休暇の学生、家業に従事する者、在宅勤務が主な者、プロではあるが仕事の少ないフリーランスやミュージシャンなどが、
休みが多さや出勤の少なさを理由に(本人または第三者によって)ニートと呼ばれる事もあるが、これも上記と同じく誤用である。

また、インドアなイメージ等からオタクと混同される事もあるが、これもまた誤用である。
引きこもりだけでなく、就労もせずブラブラ放浪して遊び歩いているだけなのもニートに該当する。

日本では2004年頃から知られるようになったが、「働いたら負けかなと思っている」といった某コメントや、「親に寄生」といった悪い面のクローズアップ、かつてのフーテンやヒッピーなどのイメージと重ね合わされた事などから、
「怠け者」「パラサイトシングル」のようなマイナスイメージが付き纏う蔑称となってしまっている(実際、レッテル貼りとして使われることも多い)。

そのためにニートは「いい年して怠け癖が抜けないだけ」「仕事を選り好みばかりしている」ような人間ばかりと思われがちだが実際は社会構造、経済状況によるところも大きい。
仮に就職できたとしても、過酷な内容に見合わぬ給与の安さ、休日が異常に少ないなどブラックな仕事ばかりという状況では労働の意欲も湧くまい。
無理にそういう仕事に就いても長続きしないどころか、肉体や精神を病む可能性だってある。
また、未就労期間を就職面接で問い質され、それを理由に不採用とされた結果、強烈な自己否定を受けたと感じ病んでしまう(そこが負い目になって踏み出せない)というパターンすらある。



※以下の記述には多分に偏見が含まれているかもしれませんが、判断することは不可能です。真実かどうかは貴方自身で確認して下さい。


生活資金

国からの生活保護もしくは親族の資産で賄っている……
といわれているが、健康体なら求職しないと生活保護は受けられない(給付されていても打ち切りになる)。
また、「親族の資産」と言えば聞こえは良いかもしれないが、大抵は親族が労働で得た生活費で賄っている。
中には子供時代のようにお小遣いをもらっている事も珍しくない。

よくニートの親族は資産家なのかという疑問が挙がるが、必ずしもそうとは限らない。
子供時代と変わらない水準の生活であれば、平均的な世帯収入でもどうにか養えてしまう事もあるだろう。
ただ、いつか両親が定年を迎えるなどして、現状の生活を維持できなくなる事が目に見えており、ニート本人が一生安泰とは言えない。

生活保護の場合、実際のところ、何かしらの精神疾患を患っていると判定されているパターンや、
求職してはいるものの、勤め先の条件が悪過ぎる、面接を受けても落とされるなど、受けるには各種の厳しい条件があり、一概にどうとは言えない。

過去に就労自体はしていたという人は79%はいるらしく、人によっては前職分の失業保険で生活できているという場合もある。
ただし、失業保険はあくまで「次の就職先が決まるまでの繋ぎ」であり、受給するには一定回数の求職活動の認定をハローワークで受ける必要があり、
職を紹介された場合正当な理由無しで断り続けたりすると認定に響く事もあるので文字通りのニートでは受けられずない*2
受けられたとしても大抵は90日分、どんなに優遇されても最大360日分しか受けられないので*3本当に一時のつなぎである。
不正取得しているケースもなくはないが、それはごくごく少数の中の僅か。まあこれは断じて許されないが。

なお、一定期間だけ期間従業員(所謂「期間工」)として働き、それ以外は仕事をしないという例外もある。
期間従業員とは一定期間(3ヶ月~およそ2年11ヶ月)だけ勤めるという雇用形態である。
主に自動車の生産ラインなどに多い。有名な自動車メーカーは大抵期間従業員を熱心に募集している。
基本的に免許や業界経験などが不要なので応募のハードルが低いのが特徴。給与もそこそこ高く、ボーナスに相当する各種手当ても充実している。
休日数や各種福祉もひととおり備わっており、遠方からの出稼ぎでも寮が提供され食事もある程度保証されている(格安の食堂が付属している・食事補助が給付されるなど)。
結果、出費が少なく貯蓄し易いので一定の期間だけ働き、十分な貯蓄ができたらしばらく休み、また働くといったサイクルができる。
条件こそ非常に厳しいが、年齢と会社でのがんばり次第では正社員登用の可能性もある。
ニートのイメージとは違うのではないかと思うだろうが、貯蓄で生活している間は労働をしておらず、求職もしていないので定義上はしっかりニートである。
資産運用や印税等の不労所得で十分豊かな生活が可能になり、経済自立したした人物もこの範疇であろう。
こうした人物は、「高等遊民」「ネオニート」*4とも呼ばれる。
ただしこれらが合法的な手段で稼いだ物で、なおかつ定められた額の税金や公共料金などを支払い自立出来ているなら問題視される云われはない。


なぜニートは増えるのか

ニートが増えた背景には不景気による若年失業率の上昇や仕事に対する価値観の変化がある。
個性発揮や専門性を過度に求められ、生きていくのにはオールラウンドあるいは生産性のある個性が必要で自分のやりたい仕事に就けなければ自分の人生は不幸だと信じ込んでしまいがち。
ただしあまり努力家でないタイプは大半はマルチタスク脳だが悪くいえば飽き性で集中力が散漫、定職に就いてもすぐビジネスに無関心になり、ニートになるパターンも見られる。
そんなプレッシャーが家庭やメディアで発信され続けている。
そういったプレッシャー源になるものとは正反対の位置にいる、個性も専門性も要求されないイメージが持たれ易い職業である肉体労働や軍人にすら高い専門性が求められるご時世である。

近年問題視されている「 YD(やりたいことしかできない)病な若者の増加 」もこれが原因であるとされており、人気は高いが求人の少ない事務職などのデスクワーク、室内作業といった所謂ホワイトカラーな職種にばかり求人が少ないにもかかわらず応募が殺到し、逆に需要が多く人手不足な土木・建設業や(本物の)警備業、運送業や介護職の様に就業条件の割に給金が低かったりする業種、また伝統工芸職人やアーティストの様な極めて専門性の高い技術を要する為に修業期間に生活時間や青春の大半を費やす必要がある業種、
農業や畜産業、水産業などと言った「自然環境によって生産品の量も質もバラつく上に需要に読みが必要となる」業種(いわゆる第一次産業)などの業界は、どんなに求人や教育環境を整えようとその過酷なイメージから(実際過酷だが)見向きもされにくいという厳しい現実も存在する。
先述の伝統工芸やアーティスト系の高い専門技能を要する職種は健常者でも中途転職する場合があるが、
親の背中を見て決意した様な家業として継ぐ者や幼少期の時点で道を決めた者達に技術や経験の点で劣る場合が大半である事も課題の一つである。
また所謂ニートが本業にステップアップする為の軽作業などは若い世代のフリーターや、賃金や就業条件がより厳しくても働ける発展途上国系の海外労働者に回されがちだったり脱ニート者向けの負荷が低い作業を一般の健常な若者が取ってしまったり昨今言われている「AIに置き換えられて無くなる仕事」が多いなどの問題もある。

他国ではまた事情が異なることもある。
例えばアメリカでは、個人の独立性を重んじる国民性ゆえに、同様の事態が発生するとニートよりも若年ホームレスの方が増えやすいようだ。
これは子供が成人になったら扶養義務がなくなったとして家から追い出す文化があるからである
…と言われていたが、昨今ではなんだかんだで両親が家から追い出すことをしなくなった結果日本同様のニートが増加しているというデータもあるらしく、もはや世界的な問題になりつつあるのが現状である。


ニートから脱却する為には

抜け出したければまず現状を変えることが大切であり、行動が早い(年齢が若い)ほど抜け出して軌道修正する難易度が下がる
未成年者ならともかく、歳を重ねれば重ねるほど状況が悪化していく事になる*5
しかし、だからといって年齢を理由に諦めてしまっては、破滅の未来から逃れることはできない。たとえどんなに厳しかろうと現状打破のために動いた方が良いことに変わりはない。

親族や知人の協力が不可欠の場合は、土下座するくらいの強い気持ちでお願いしよう。
些細なことからでも良いので、まずは第一歩を踏み出してほしい。

ただし、闇雲に就職した結果辞め(させられ)てニートに逆戻り……なんて事になっては笑えない。
一旦辞めると立ち直るのにも相当なエネルギーを使うので、そうなるくらいなら就職しない方がマシになることもある。
地固めはキッチリする事と、地固めを就職しない言い訳にしない事の両方が大切である。


一例

ニート脱却に悩むアニヲタ諸君の参考になれば幸いである。

  • まずは何より現実逃避を止める
ひたすらゲームやネットサーフィンにふけったり、ただただ寝ていたり、お酒に頼ったりしても、状況はまったく好転しない。
まずはきちんと現実を受け止める事が、ニート脱却の最初の一歩と言える。
何らかの病や障害が疑われる場合は、病院に行ってみるのも手だろう(後述)。


  • 生活習慣を改善しよう
意味もなく昼夜が逆転していたり、ファストフードばかり食べていたり、食事の時間が不規則といった生活習慣を改善しよう。
こうした不摂生が日々の気力を奪っている要因かもしれないし、仮に就職できても体調不良の原因となる。
夜の寝静まった時間は自分もちゃんと寝る。朝はしっかり起きて日光を浴びる。昼寝は時間を決めて程々に。基本的な部分からメリハリを付けよう。


  • 一度病院に行ってみよう。
気づいていないだけで、何らかの病気が潜んでいる可能性もある。
うつ病を患っていたり、発達障害等で就労・学習が困難な場合や、体力を奪う要因になっている病が見つかるかもしれない。
きちんとした診断がつけばもはやニートではなく、社会復帰のサポートを得られるだろう。
度合いによっては障碍者手帳などが交付され障碍者年金含めた公的な支援を受けられる。
病気や障害と知らないので敬遠していた人も、そうだと分かれば支援してくれる人も出てくるだろう。


  • 自宅で特に何をするでもなく過ごしているなら家事のお手伝いでもしてみよう。
料理、皿洗い、洗濯、掃除、買い物何でも良い。もしかしたらお小遣いをもらえるかもしれないぞ、それも立派な労働で得た対価だ。
また、両親に対する感謝の気持ちが生まれ、恩返しのための勤労の意欲が湧くかもしれない。
こうした基本的な家事が、アルバイト等のスキル習得に繋がったりもする。


  • 読書をしよう。
新たな知識を得る事は自分の武器となる。
漫画や雑誌も良いが活字がお勧め。読書の習慣が無い人は、まずは10ページ…いや1ページでも良いので、少しずつ習慣付けてみよう。
図書館に行ってみるのもお勧めである。


  • 新聞やテレビも見よう。
ニュースならネットの記事で一発だろと思うかもしれないが、断片的にしかまとめられていなかったり露骨に偏った記事も少なくないのだ。
面接の場でも社会情勢についての見解を尋ねられたり、質問前後の雑談にそれとなく混ぜ込まれて観察される事もあるため、下手なニュースを鵜呑みにしているとあっさりその狭量さを見抜かれペケをつけられる。というかネットなど悪意だらけ。
これは新聞やテレビも偏っているじゃんとかいう人はもういっそ世俗を捨てよう*6
偏った情報がよくないからと言って全く情報を仕入れないのでは、余計に思考が凝り固まったり、ただの無知になってしまい本末転倒だ。
というか、人間が作っている以上どんな媒体でも多少の偏りは避けられない。大事なのは自分に都合の良い立場だけでなく、様々な角度(複数のメディア)から情報を仕入れ、それらを比較し俯瞰的に考えること。

また、バラエティー番組や芸能人、流行の話題も他人とコミュニケーションを育む上では役に立つ。何事も概要くらいは知っておくと良いかもしれない。
社内のコミュニケーションは勿論、営業職や接客業なんかだとある程度顧客と雑談するスキルも求められるので猶更。


  • 学習をしよう。
学生時代の復習や興味のある分野がお勧め。長らく学習していない人は、まずは習慣付けからスタートしよう。
陰謀論疑似科学に騙されない為にも、正しい知識と自分の頭で考える能力は必要である。

進学(受験)を目指す場合は、社会人や引きこもり向けの予備校や家庭教師を利用するのも手で、義務教育の学習範囲すらうろ覚えと言う人にも対応してくれる。
そうでなくとも企業の中には義務教育修了程度の学科試験を導入している所も少なくないので、義務教育レベルの国語・数学・英語くらいはある程度勉強しなおしておくと良い。

また、就職する前に最低限のビジネスマナーやネットリテラシーを身に付けておきたい。
特に言葉遣い、身だしなみ、電話やメール対応、席次、名刺交換の作法などは、あらゆる職種で役に立つ。
ネットリテラシーは情報漏洩や炎上等から身を守る為に覚えておこう。
仕事が終わらないからと会社の機密データだけどUSBに入れて持ち帰って終わらせよう…なんてやめた方が身のためで、下手しなくても懲戒処分コース、紛失して悪用されようものなら加えて何千万単位の損害賠償モノですよ。


  • 学校に通い直そう。
上記の派生として、時間やお金は掛かるものの学校に通い直して(転校、再入学含む)勉強する選択肢もある。
若ければ若いほど有効な方法 であり、10代であれば転校又は再入学してしまう方が進路の修正も効きやすい。
20代からの再入学でもアプリケーションや交通機関等で学割が利用できるメリット*7もある。
通常の学校は勿論、定時制高校や通信制高校、通信制大学(院)、夜間学校も充実している*8のでチェックしてみると良いだろう。

また、義務教育段階でつまずいて学校に通わないままニートになったようなケースだと、初歩の漢字や四則演算すらわからないため就職できても上司の指示の意味すら分からない、資料の読み書きができなくなり、続かなくなってしまう。
本項目を読んですいすいと意味が分かるニート諸君は大丈夫だろうが、家族がそうなっている場合、義務教育からの学び直しから考えた方がよい場合も多い。せっかく学校に通ってもついていけずに挫折では何にもならないのだ。
そのような場合は、義務教育レベルから指導してくる学校に通うか、予備校などを併用する事をお勧めする。

特に職や目標が決まっていない場合、一般論として高校は卒業して(高卒資格は持って)おいた方が良いと言われる。
アルバイトであっても高校生or高卒以上を対象にした職種は多く、大学・短大・専門学校を目指す場合も高卒(卒業見込み)である事は前提となっている。
場合によっては「高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)」も選択肢に入る*9かもしれない。

高校を卒業した(している)場合は、大学・短大・専門学校進学を目指すのも良いが、 卒業後の履歴書に学歴として記載できる学校を選ぶ事 (無認可の学校は公的な学歴として認められない)。
大卒者でないと受験できない資格や求人を狙う場合や、より高度な知識を学びたい場合は、一考の余地があるだろう。
有り余っている時間で猛勉強し、難関校を狙うのも選択肢かもしれない。

いずれにしても、 現役世代と比べて学歴が就活に有効とは限らない(新卒扱いにならないなど)ので、しっかり目標を持って進学してほしい
学生だからといって遊び惚けていては、進学せずに就職した方がマシだったという結果になりかねない。

なお、ニート脱却(就職)と言う事を目標に据える場合、趣味色が強い分野の学科や専門学校はあまりお勧めできない。
こうした学校は、幼少の頃より研鑽を積んできた(入学の時点で高度な知識・技術力を持つ)人も多い事、(特に芸能関係は)若い人材が求められやすく、周囲より年上・経験不足という状況で入学しても就職は難しい。一般的な職種で役に立ちにくい内容であれば尚更。
また、趣味色の強さから就職(活動)への実感がわかなかったり、モチベーションを保てずにニートに逆戻りというパターンも考えられる。


  • 資格取得しよう。
特に「免許」と付く物を取得すると応募できる職種が増える。様々な装置や車両を動かせる人は引く手あまたである。

まずは何より「運転免許」の取得を優先したい 。就活を抜きにしても顔写真付きの身分証として役に立つ。
それに「運転免許」は、事務職等でも銀行や官公庁、取引先への出向業務のため優遇(又は必須)とする求人は多く、
更に大規模な工業地帯の構内や僻地の職場だと公共交通機関も乏しい場合や、
徒歩通勤を想定してない立地だったりするのでマイカー通勤を必須条件にしている所も出てくる。
マイカー通勤が出来れば充分で特殊な車種を運転しないという場合はAT限定でも問題ない。取得だけならAT限定の方が簡単である。
とはいえ、社用車がMT車の企業や、MT免許が必須になっている職種もあるので、職の幅を広げたい場合はMT免許を取得しよう。
ネット上では「ATは甘え」「今時MTは不要」など激しい論争や煽り合いが繰り広げられているが、あまり気にし過ぎないように。
というかネットの意見など鵜呑みにしていたら命がいくつあっても足りない。あくまであなた自身にとって何が必要なのか、で考えよう。

ほかにも「玉掛け技能講習」、「天井クレーン」、「第二種電気工事士」、「アーク(ガス)溶接」、「フォークリフト」、「中~大型(牽引)免許」、「ボイラー技士」、「各種危険物」などが必要としている職種も多い。
決して楽な職種ばかりではないが、十分選択肢になるだろう。
ただし、一部は職業訓練校などを利用しないと学習自体が厳しいものや、実務経験や大学などで専攻している必要があるものもある。

逆に、よく取ればお得などと宣伝されている簿記英検IT系などは未経験からの中途採用を狙う場合はオススメ出来ない。
20代半ばまでの若年層なら兎も角、これらの資格が活きる業界は基本的な事はそれほど教えなくてもこなせる経験者を求めており、実際求人でも〇年以上の経験を必須としている所も少なくないからだ。
ましてこのテの業界は上述したように求人数が少なく、その少ない枠に上位の国家資格を得つつ10年単位で専念してきたプロも殺到するため、未経験の人間が低級の資格ひとつ取っただけでは勝ち目はない。
特に英検で給料をもらうつもりなら準1級程度は無いと厳しく、どんなに妥協しても2級からでないと目に通してさえもらえない…どころか3級や4級なんかだと逆に「いい年して中学レベルの英語って…」とマイナス評価の原因にさえなりかねない。2級以上だと難易度もかなり高くなるのでぶっちゃけコスパは良くは無い。
エンジニア方面に至っては資格よりも「それまでにどれくらいプログラムを企画し作ってきたか」という 経験と実績がモノを言う業界 な為、仮に死に物狂いで「応用情報」レベルの資格を取ったとしても実務経験が無いと首を傾げられがち。
このテの資格は学生のうちに、或いは在職中に更なるステップアップするために取得するものと思って良い。


  • 基本的なPC操作を身に着けよう。
スマートフォンやゲーム機が高機能化した現在では、PCを扱えない人が増加していると言われている。
しかし、ITとは一見無関係の製造業や営業職等でもPC操作(データ入力、メール送受信、日報や資料作成、勤怠管理、ビデオ通話など)を求められる事が一般的なため、最低限扱えないと白い目で見られかねない……というより業務にならないのだ。

IT系ではない求人に「最低限のPC操作」とざっくり書かれている場合、
周辺機器の知識・OSの基本操作・ファイルの移動や受け渡し・検索エンジンの使用方法・メール送受信(設定含む)・拡張子の種類(特によく使用される物)・Officeソフト(「Word」「Excel」「PowerPoint」など)の使用方法を概ね理解していれば最低限のPC操作ができている と言えるだろう。
独学が難しい場合は、PC教室や情報系の学校に通うのも手。

また、データ入力が多い職種では、「ブラインドタッチ(タッチタイピング)」の入力が求められる事も。
ブラインドタッチとは、キーボードを見ずに入力することであり、習得することで効率の良い入力が可能となる。
人差し指のみでキーボードを打つ人も多いのだが、可能であれば全ての指を使用したブラインドタッチを身につけたい。
ブラインドタッチは兎に角反復練習で体に覚え込ませる事。
まずは、各キーの位置を記憶するだけでも入力速度が格段に上がる。


  • 職業訓練を受けよう
いきなり求人に応募する事が難しい場合は、職業訓練を受けるという選択肢もある。
職業ではないため無職と名乗らざるを得ないのがツラいが、ニートからは外れるので脱却の半歩になるし、完全に何もしないよりは遥かにマシ。
また、卒業すれば企業の斡旋を受けられ、条件は厳しいが自治体によっては在学中に毎月一定額の給付金が支給される所もある。


  • ボランティア活動をしてみる。
収入は得られないが、それでも「何もしてませんでした…」よりずっと心証が良い。
そこで出来た人脈や経験が仕事に繋がる事もあるだろう。


  • 人と話してコミュニケーション力を身につけよう。
家族は身近すぎるので友人などが理想だが、誰とも話していないならまず家族からでもいい。
元々吃音などの言語障害を持っていてスムーズにしゃべれないというなら仕方ないが、健常者でも誰かと長らく会話をしないとびっくりするくらい声が出なくなる。
いきなり会話は難しいという人は、発声練習をしたり、カラオケに行ってみるのも手だろう。
ただ、いきなり長時間声を出して喉を傷めないように……。


  • 身だしなみを整えよう。
見た目に自信が付けば外に出る意欲が湧くかもしれない。
髭やムダ毛を剃る、髪型を整える、シェイプアップする、新しい服を買う、スキンケアやメイクをする等…できる事ならたくさんある。
まさかしわくちゃのスーツとネクタイ&襟が黄ばんだワイシャツを無造作に着て無精髭と寝癖ボッサボサな顔写真を履歴書に貼り付けるつもりじゃないよね?
まあ、まずは(非常時は除いて)風呂には毎日入りましょう。ここを見る余裕があるなら水とガスは通ってるはず。


  • 外出したり適度に運動をして体を鍛えよう。
引きこもったままだと就職出来ても体が持たない。通勤やデスクワークだけでも結構体力を消費するのだ。
筋トレは精神的にも良い影響を与えるとされるが、いきなりハードなトレーニングをすると身体を壊すので注意。
公共交通機関を利用しても旅をしてみるのも良い。…そもそも一人で電車に乗れる?
切符の買い方や路線図の見方ぐらいは覚えておいて損はないだろう。


  • 趣味を作ってそれに集中する。
お金が必要になり働く意欲が出るかもしれない。
無論、どんな世界でも簡単にプロになれるほど甘くは無いが、その趣味が仕事に繋がる可能性もある。
ただ、熱中し過ぎて就職活動が疎かになったり、酒や煙草といった嗜好品やパチスロ等のギャンブルにお金を使い過ぎないように注意しよう。


  • 自分を見つめなおせば何かしら取り柄に気づけたりするかもしれない。
やりたい事や目標を紙に書いてみたり、PCのメモやワードで文章を作ってもいい。
また、余裕があれば一人旅に出てみても良いが、危険地帯に行くのは絶対に止めよう。

「やりたい事」が特にないならば、いっそ「耐えられそうな事」を探してみよう。
今普通に働いてる人達だって、元々やりたかった仕事に就いているとは限らないのだ。


  • 視点を変えてみる。
主にネットで底辺職などと揶揄されている職種でも、そこで長らく働いて自立し立派に家族を養っている人が沢山いるのだ。
底辺という表現も、見方によっては社会を支える基盤として無くてはならない最重要なポジションといえる。
ホワイトカラーな仕事だけでは世の中が物理的に成り立たない。
こうした所謂ブルーカラーの現場職の人達がモノを生み出し、或いは獲得しなければホワイトカラーのお仕事は始まらない。
また、この手の職種は雇う側も「失業者が次の仕事を見つけるまでのつなぎとする」「夢を追いながらとりあえずの生活の糧を得ようとする」といった目的で入社する者の存在を想定し、「来る者は拒まず、去る者は追わず」というスタンスを取っていることが多い。
また、性格によってはホワイトカラーの職種よりもブルーカラーの職種の方が向いているという事も充分にあり得る。
ネットの穿った書き込みだけを鵜呑みにせずに視野を広げ情報を集めよう。0か100かだけの極論に染まってはいけない。
理由も無く無収入のニートのままでは、ネット民の中での底辺職未満という事をお忘れなきように……。


  • 自分が働きたい会社だけではなく、自分を雇ってくれる会社を探そう。
今の自分のスペックや職歴などではありえない好条件・職種ばかり探して「自分は就職活動してるからニートじゃない」と納得させてるならなおさらだ。
あくまで就職する為の活動である事を忘れずに。失業保険の認定だけかっさらう為の常套手段でもあるが…。


  • 自分の好みだけではなく「自分の適性」も見直してみよう。
好みと適性が合致しているケースだけでなく、逆の「好みと適性が不一致」というケースも少なくない。
ハローワークではそういったマンツーマンでの適正チェックやセミナーなども定期的に行っているので、自分に合っている職種が分からなくなったら利用してみよう。


  • 親族や知人のツテを利用してそこで雇ってもらう。
「七光り」や「甘え」等と言われる事もあるだろうが、人間頼れるツテを活かすのは当然の事である。
結果として 就職し真面目に働いて利益に貢献したのなら他の労働者と何も変わらないし恥じる事も無い
イージーモード扱いされがちなコネ入社だが、実際はコストやリスクを承知で紹介・採用してくれた人達の面目を潰さないよう、そうでなくとも社内で目立ってしまう立場な為一般入社組よりも襟を正さなければならず、事情を知る社員からも厳しく評価される。
コネ入社=ちやほやされるなんて創作の中だけの話である。


  • いっそのこと起業してみる。
無計画に起業する事はお勧めできないが、選択肢の一つではある。
普通に雇用されるよりも厳しい道のりになるかもしれないが、雇用されるよりも向いている場合もあるかもしれない。

ただし、 甘い言葉で誘惑されがちだが、ネットワークビジネス、情報商材で紹介されているビジネスなどには注意が必要
再現性が皆無の(稼ぐことが出来ない)悪質な情報商材に引っかかってしまったり、逆にお金や人脈を失うといった事もあり得る。
酷いケースだと詐欺組織や反社会的勢力などに加わってしまって刑務所行きということさえあるのだ。

また、実務経験が一切無いままフリーランスのクリエイターやアーティスト、プログラマーになる事はお勧めできない。
何度か記述したが、この手の業界は長年地道な学習・開拓を行っているようなプロがごまんといる世界であり、
その中で未経験のフリーランスが継続的に仕事を得られる可能性は殆ど無いのだ。


  • 覚悟が出来たら求人に応募をしてみよう。
最初は、正社員に拘らずアルバイト・派遣・期間工も選択肢に入れる。
給与は高くないが、軽作業を在宅で可能な内職から始めてみるのも良いだろう。
また、学校に通い直す場合も学費を稼ぐ必要があれば、アルバイトも含めて何かしらの職に就かざるを得ない。


ニート対策

さすがに国も対策を打っているが、事態の抜本的解決は簡単ではない。

というのも、全く働く気の無い者を無理に働かせたところで貢献度などたかが知れている。法律で最低賃金が定められている以上、貢献できないからという理由で薄給にするのにも限界があり*10、意欲のなさゆえボケーっと重大なミスや事故を起こされては雇い主にばかり負担がのしかかってしまう。
また、冒頭でも記したようにニートの背景には精神的な病気等があるケースも少なくなく、そうと知らず無理な対応を取った結果、事態がさらに悪化するケースもある。
抜本的な解決には、 本人に最低限度の勤労意欲を持ってもらわなければならない が、これがとても難しいのである。

一方、しばしばこの話題になると「ニートを徴兵して鍛え直せ」という意見が出るが、 あまりに暴論 である。
そもそも 軍隊・自衛隊は教育機関ではない し、自衛隊を例にとっても隊員には命令なしでもある程度臨機応変に対応する機敏な行動(判断)力や緻密なチームワーク・徹底した上下関係の礼節の把握・ 相手を選ばない(たとえ日本語も英語も通じない外国の兵士相手だろうと対応できる)柔軟なコミュ力 ・不測の事態や過酷な状況にも耐えられる肉体能力と精神力・複雑化する現代戦に対応する機器の操作*11・災害救助時には日本国内法、戦時中なら国際法規の知識…これら全てが必要不可欠。海外の軍隊との合同訓練・任務もあるので日常会話を難なくこなすレベルの英語力*12は必須。
当然こんな超人になろうとすれば何年もかけて徹底的に鍛え上げる事ができて意欲に溢れ、厳しい試験をクリア出来る程度の能力を持った志願兵でなければ到底使い物にならないし、ただでさえ深刻な予算不足に悩む自衛隊に、将来育てたとしても使い物になる見込みの低い自衛官を養う余裕などない。
また、仮に「実は自衛官とかに憧れていた」「俺もそういったのになれるのならやる気を出そう」と、やる気がありそのために努力する気もある者なら見込みはあるにしても、それすらない者は正直どうしようもない。
仮に予算があったところで、そういう自衛官がいれば逆に能力のある自衛官の足を引っ張ることになってしまう。一刻を争う災害現場や紛争地帯なんかの任務でキョドってマゴマゴされたりしょうもない凡ミスをされようものなら、被災者や部隊の命運すら危ぶむ惨事に繋がりかねない。規律や懲罰で脅した所で、無能が有能になることはない。
こういったことを言われると「囮にはなる」「使い捨ての突兵にはなるだろ」と主張する者もいるが、それは現代においては国家問わず正規の軍隊として憚られるし、 もはや「事情がどうであれ、引きこもりの命はどうなってもいい」という暴論を通り越して人権無視の(世界共通の)危険思想 である。
仮に彼らの主張が正しいならば、良心的兵役拒否*13が認められないなど厳しい兵役制度を持つ韓国にはニートなど存在しないはずだが、
残念ながらニート・引きこもり・不正な兵役逃れは韓国でも深刻な社会問題となっている。

また、最近はニートを養う事に苦しむ親御さんを自立支援ビジネスの悪徳業者(通称「引き出し屋」)が狙っていると言われ、業者が裁判で敗訴する例も出てきた。
ニートを養っている親御さんは「今は」ニートを一応養うお金がある訳で、しかも精神的に参っていることが多い。
そのため、引き出し屋にとってはいいカモなのである。
「うちにお金を払えばニートのお子さんを自立させられる」と甘言を吐きつつ、実際には何の専門性もやる気も無い怪しい「自称支援団体」が増えてきている。
藁にもすがる思いでなけなしの金銭(大体数百万円になる)をそんな団体に払ってもカウンセリングなどの専門的な支援などなく、理不尽同然の理由で暴行を加え暴力的に拉致して施設に叩き込み、痛めつけるだけ。場合によっては経営陣が責任逃れや証拠隠匿の為に「施設内居住者同士での諍いや私刑を止めさせたり仲裁しない(暴力を振るったのはあくまで連れてきた「更生者」にすり替えるという事)」という形で虐待を行うケースも有る。
結果、ニートは数少ない拠り所だった親に対しての信頼までもなくし、うつ病など心に深い傷を負って外出すら出来なくなる。
勿論社会経験や就職した際の技術などは微塵も身に付かない。
最悪、暴行の末自殺に追い込まれたり殺されたりする事すらある。
また、「ニートを更生させる」名目でニートに「自立支援」「研修」名目で無給・或いは最低賃金以下・労働基準法なんてクソ食らえな労働条件で仕事をさせる自立支援業者に見せかけたブラック企業も出ている。
ニートから脱却するためだからと言って安易にブラック企業に就職してはいけない。
更生からは程遠い結果になることも少なくないし、ブラック企業がのさばれば健全な企業が競争に負けて消えてしまうという形でニートとは無関係な所でも社会の害になりかねないのだ。
よく「ニートは仕事を選ぶな」「選り好みしなければ必ず仕事がある」と言われるが、就職出来ても定着出来なければ意味がないし、それで退職なんてしたら本末転倒だろうしそもそも、選ばなさすぎるというのも問題である。

ニートを養うのが大変でなんとかしたい親御さんは、自己流でなんとかしたり甘言ばかり口走る怪しい団体に高い金を払う前に、まず病院やハローワーク・役所に相談してみよう。
真っ当な自立支援ビジネスの業者もいる。しかし、インターネットでちょっと検索して見つけた業者が真っ当かどうかは分からない。
業者に頼むなら、せめて業者が本当に信用できるのかどうか、多少は時間をかけてしっかり見極めよう。業者に頼む何百万円ものお金があるなら、その程度の余裕はあるはずだ。
少なくとも、テレビで引き出しの光景を取材・放送させているような業者はアウトである。
たとえ対象者を匿名でモザイクをかけようと衆目の晒し者にし、関係者の心をより頑なにさせかねないことに抵抗感のない業者がまともなわけがないのだ。

そして、悪徳業者に依頼して子どもの心を壊し、業者には逃げられたとなれば、親も(法的なものも含め)責任を問われることになりかねない。
よく「生半可な措置ではニートは社会復帰しないんだから多少の荒療治は仕方ない」という意見もあるが、荒療治には相応に重いリスクもついて回る事を忘れてはならない。
何故医師免許が最高峰の難易度を誇っているのかをよく考えてみよう。

上でも何度か触れているが、自治体によっては各職種での知識や資格などが格安で得られ、企業への斡旋もしてくれる職業訓練制度もあるので、
迷ったらこちらも検討してみるといい。


余談

ニートという言葉の流行当初から「求職中の失業者」、果ては「就労したくても身体・精神的に不可能と診断された人」をもニート呼ばわりする風潮がある。
が、冒頭でも挙げたように「働けるのに働く気の無い」人がニートなのであって、同じ無職でも一日でも早く職を得ようと努力をしている人は必死なのだ。
そういう人の精神に攻撃するような真似はやめよう。
必死で努力する人の精神を攻撃すれば、ニート脱却の気力も失われて本来脱却できるニートからも脱却できなくなりかねないし、逆に叩けば脱却できるほどニートは簡単な問題ではない。
そもそも単に職を失った人は「失業者」であって「ニート」ではない。

またその一方で、かつては「専業主婦になるための職業訓練をしている者」と見なされていた女性の家事手伝いが、
女性も外に出て働く事が当たり前になったことでニート同然と見做されるなど、ニートとそうでない者の境界は社会情勢によって変化するようだ。

ネット上では、しばしば「ゆうすけ」ないし「ゆうちゃん」なる名前がニートの代名詞扱いされ、所謂「ゆうちゃんコピペ」が多く制作されている。
これは2ちゃんねるニュース速報板に存在した「【お盆こわい】 親戚がくるぞー!逃げろー!」というスレッドにて、ニートである>>104がうっかり自分の名前を書いてしまったことが由来。
きちんと働いているゆうすけ諸氏からすればとんだ災難である。

アニメ・漫画等における主なニートキャラは こちら。



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最終更新:2022年04月13日 04:56

*1 ただし、34歳以下でもテレビ等で紹介される際は「無職の○○さん」と呼ばれる

*2 「職業選択の自由」は憲法でも保障されている正当な権利だが、職業の選択そのものとそれを条件に任意で受ける給付金制度とは話は別である。

*3 20年以上勤務(雇用保険の加入)していて、更に倒産といった完全な会社都合での退職を余儀なくされたり、或いは身体的な障害を患っていた場合の特別枠など。

*4 こちらの場合、どこかに勤めれば税支出が大幅に増える、事業を起こせば不労所得源を危険に晒してしまう等の理由により、「働いたら負け」が冗談では済まなくなる。

*5 より良い労働条件が減る、体力や記憶力が落ちて労働や学習が難しくなる、両親が退職して世帯収入が減る、周囲からの目が厳しくなる等……。

*6 言うまでもないが自給自足もラクじゃない。篤い信仰心をお持ちなら宗教に帰依して僧侶や修道士になるという選択もあるが、信仰をすべてに優先してあらゆる未練を断ち切るくらいの覚悟と体力はいる。一応職業ではあるものの、ふつうに就職して働くよりずっと大変である。

*7 ただし、年齢制限を設けている学割も珍しくない。

*8 なお、全日制の高校は現役世代でないと入学できない場合が多い。

*9 16歳以上になると受験可能になる試験で、高卒と同程度の能力がある事を証明する試験。合格すると高卒とほぼ同等の扱いで進学、資格受験、就活ができる(一部例外もあるが少数派)。学校に通う必要が無く受験可能だが、あくまでも高卒と同等レベルであるいう証明だけなので高卒扱いにはならない(学歴欄には「高等学校卒業程度認定試験合格」と書く)。

*10 一定の条件が揃えば減給処分も出来るが今はかなり厳しく、減らせる範囲も限られている。

*11 操作は勿論、日頃のメンテナンスや最低限の修理なども含む。これらの装置は極めて高度かつ繊細な構造で、素人が聞きかじった程度で弄ろうものなら即故障させてしまう。

*12 低く見積もっても英検準2級以上(下手すりゃ英語圏以外もある)。

*13 平たく言うなら、戦場で敵であっても人を殺したくないからといった理由での拒否。