1937年、神奈川県生まれ。高校生時代に革命運動を志し、東京大学在学中に日本共産党に入党。58年に離党し、共産主義者同盟に参加。59-60年、全学連書記長として安保闘争を指導する。61年、革共同(革命的共産主義者同盟全国委員会=通称・中核派)に参加。97年、中核派議長に就任。69年4月より非公然活動に入る。2020年9月、実に51年ぶりに公然集会に姿を見せて人々を驚かせた。著書『清水丈夫選集』(全10巻予定)など。
中核派から国会議員誕生へのシナリオ
田原 アメリカやヨーロッパはこの30年、経済成長を続けてきました。90年代初頭のバブル崩壊以来、日本はまったく経済成長しなかった。こんな国は日本だけだ。今から30年前、日本人の平均賃金は韓国の2倍だった。今や平均賃金は韓国に抜かれている。なんでこうなったの?
清水 日本の帝国主義が、帝国主義間の競争で劣敗しているからです。
田原 なんで負けてるの?
清水 弱いからですよ。労働者・人民大衆の戦争反対、改憲反対の意識と闘いが強いから。
田原 だったら清水さんたちにとって大チャンスのはずなのに、あなたたちの政治勢力はなんで伸びないんだ。
清水 いやいや、伸びていますよ。
田原 国会議員を出してないじゃない。
清水 そんな単純な言い方はしないでください。
田原 国会議員を出せるくらいにならなきゃ。
清水 将来はそうありたいと思っていますよ。
田原 あなたたちは国会を否定してるのか!
清水 国会は直接には否定していません。しかし、あれは所詮、ブルジョア国会ですよ。
田原 そんなこと言ってたら、まったく展望がないよ。国会を否定してどうすんだ!! そんなこと言ってたら、いつまで経っても政権なんて取れっこない。議会制民主主義の内部に、あんたたちが現実に参加してないことが問題なんだよ!!
清水 我々はプロレタリア革命、暴力革命によって新しい社会を作ろうとしていますよ。
田原 ブルジョア国会だなんて言って国会を否定してるのに、新しい社会なんか作れっこないじゃん。あなたたちの暴力革命は、自分たちに反対する人間は全部敵だと思ってるんでしょ。
清水 そんなふうには思わないですよ。
田原 デモクラシーというのは、自分たちと考えが違う人間たちの存在を認めなきゃいけないんだよ。
清水 頭から否定なんてしていません。認めていますよ。
田原 革マル派は認めてないじゃない。
清水 あれは左翼じゃないですよ。カクマルの問題はもうケリがつきました。それに「考えが違う人の存在を認めるのがデモクラシーだ」と言われたって、我々を抹殺すると言っている連中とどうやって手を組むんですか。そんなことはありえないでしょう。