革マル派の存在はすでに過去形だ
田原 日本共産党と袂を分かってブントを結成したあと、そのブントは崩壊し、清水さんは革共同(革命的共産主義者同盟)に加わります。その後革共同は、中核派と革マル派に分裂する(62年2月)。中核派と革マル派はどこが違うんですか。
清水 カクマルは大衆運動を進める論理をもっていません。彼らがやっていることは、黒田寛一(革マル派議長。2006年死去)のイズムを広げていく運動でしかない。かたや中核派は、反帝国主義・反スターリン主義という世界革命の綱領をちゃんと確立しています。
日本社会党や日本共産党に代わる本当の労働者の党を、日本につくらなければいけません。中核派はそのための組織論ももっています。
田原 社会党や共産党は労働者の党じゃないんですか。
清水 現実に何もやっていない。
田原 だって日本の労働組合は、ほとんどが社会党系か共産党系じゃない。連合(日本労働組合総連合会)は最近、反共産党だけどね。
清水 一部を除いて、今の労働組合はほとんど無力化しちゃっています。彼らは労働者のために闘えないんですよ。
田原 なんで戦えない?
清水 今は資本主義が危機に陥っています。恐慌によって資本主義はメタメタになり、コロナの問題まで覆いかぶさりました。こういう状況で、社会党や共産党に闘う力なんて全然ありません。
田原 あなたたちは革マル派と手を組んで一緒に自民党をぶっ潰すべきなのに、なんで革マル派とケンカしてるんだよ。権力はありがたい限りだよね。自民党は大喜びだ。公安警察なんか大バンザイだよ。敵は革マル派じゃない。本当の敵は自民党のはずじゃないですか。
清水 そうです。だから我々はちゃんと闘っていますよ。
田原 何もやってないじゃない。
清水 何もやってない? 田原さん、その言い方は冗談じゃないですよ。
田原 中核派は、革マル派と仲良くして自民党をぶっ潰すべきじゃないですか。
清水 カクマルは反政府運動を進めると標榜してはいますが、いまは分裂して無力化しています。彼らは権力と闘う論理をもっていません。かつての彼らの目的は、権力と一体となって、中核派をつぶすことでしかなかったのです。
田原 中核派をぶっ潰しておかなければ、自分たちがぶっ潰されるという恐怖心をもったんじゃないですか。
清水 我々はカクマルに対して組織的に反撃を続け、徹底的に闘って勝った。その後、我々の運動はどんどん前進しています。我々にとって、カクマルの存在はすでに過去形です。今の我々は、彼らの存在なんてとっくに乗り越えて次の段階に進んでいます。