現地住民が語る「森友学園用地」の訳あり過去

 大阪市の学校法人「森友学園」が、大阪府豊中市に建設中の小学校用地から出たゴミ交じりの土砂を埋め戻したとされる問題で、豊中市は2月27日、廃棄物処理法に基づき現地を調査した。施工業者からの聞き取りも実施。市の担当者は記者会見で「ゴミ交じりの土を1年近く仮置きしていたと説明を受けた」と述べ、ゴミを事実上放置していたとの認識を示した。用地売却の格安問題も含めて騒動で揺れる現場を取材した。

 市の担当者は先月27日、「埋め戻しがあったかどうかは現場で確認できなかった」と説明。現場にゴミの保管を明示した掲示板がなく、廃棄物処理法の保管基準に違反するとの見解を明らかにした。

 撤去に当たった業者が「掘って出た汚染土を埋め戻した」と証言したことを受けた対応。野党は衆院予算委員会で改めて追及した。

 市によると、27日の聞き取りや現地調査は、用地から出た産業廃棄物の保管基準が満たされているかどうかを確認。市の担当者は「埋め戻しが事実なら、同法違反になる」としており、土地所有者の森友学園側から事情を聴くことも視野に入れている。

 評価額9億5600万円の国有地を、地中に埋まったゴミの撤去費用8億円以上を差し引いて、1億3400万円で売られた格安売却問題。同法人との契約に関わった財務省近畿財務局が記録を廃棄したため真相は謎だが、8億円の撤去費用はともかく、大量のゴミがあったのは間違いないとの指摘も。幼いころから同地に住むという男性(74)の話。

「このあたりは4つ池があったんや。おぼれて死んだ人もおるくらい深い池やったんやけど、処理できなくなったゴミを豊中市が池に捨ててた。昔は今ほどゴミの分別もしてなかったから何でもほかして(捨てて)たわ。そこを業者が買い取ってアパートや文化住宅を建てた。そのあと、伊丹空港にB滑走路ができて、騒音問題で立ち退きが始まって空き地になったんや。そりゃ、掘ったらゴミ出るに決まっとる」

 また、現地で配管工事に携わったという男性も「石綿の破片とか瓦とかガラクタばっかり出てきて、その部分は入れ替えなアカンから砕石して潰した砂に入れ替えたけどな」と明かす。
 周辺一帯は再開発され、学校や公園、道路がきれいに整備されているが、それらの工事の際にゴミの問題は出なかったのだろうか?

 前出の住民は「昔、この辺りは海やったらしいけど、貝やらなんやらが出たりする。鉄筋の建物を建てる場合、遺跡が出たら教育委員会に届けなアカン。それで工事が止まると自費負担にもなって嫌やから、出てきても黙ってたって話も聞いたことあるよ」。

 さらに、今回の払い下げについても「そら、当時の人はもういてないやろけど、役所はゴミ出てくるのは分かっとるはずや。分かった上で、わけありの土地を売るんだから、あとで補助金で返したるっていう話なんやろな」と推察した。

 現地では、4月の開校に向け急ピッチで小学校の建設が進んでいるが、松井一郎大阪府知事は小学校の設立が認可されない可能性についても言及している。

 安倍晋三首相の妻・昭恵夫人が「名誉校長」に就任していたり(すでに辞任)、同法人が経営する「塚本幼稚園幼児教育学園」の“安倍賛美”の実態が問題視されるなどいろいろと“飛び火”もする中、住民らは「もう建ってしまってからとやかく言うても…東京の築地の問題と一緒や」と、降って湧いた騒動に困惑顔だった。

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