第5回 事務所の中で最高の弁護士人生を目指す Interviewer & Written ぽんぽん
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0.はじめに
こんにちは!ぽんぽんです。
司法試験終了後も、私たち司法試験・予備試験受験生は『そこに所属するのか』問題の渦中に放り込まれます。
弁護士という職業柄、優劣競争からはもはや逃れられないにしても、せめて、掌中にできる限り多くの選択肢を持ちたい。そのためには、就活生・採用側の双方において『真実の情報』に触れることができる場が必要だ、という観点から「ミライの弁護士」シリーズはスタートしました。
ここでは、様々な法律事務所・企業で働く弁護士の方、法務部の方にインタビューさせて頂き、その魅力・業務内容・なぜそこで働くことを選んだのか等、これらから法曹となる皆さんが職場を選ぶ際に「知りたい!」と思うであろうことをお聞きしていきます。
「司法試験に合格した後、どんな事務所で、どう働きたいか?」
現場の生の声をお届けすると共に、これからの時代の弁護士の魅力をお伝えすることで、皆さんが今後の進路を選択される際の一助となれば幸いです。
1. アディーレが考える『身近な法律事務所』の意義
ぽんぽん(以下、『ぽん』):今日は、全国各地に64事務所を構え、弁護士総勢187名で運営されております弁護士法人アディーレ法律事務所の採用担当弁護士の落合亮太先生にお話しを伺います。もしかして、いつもTwitterで『アディーレ弁護士×採用担当』アカウントで活躍されている先生でしょうか…!?
落合先生(以下、『落合』):そうです!いつもお世話になっております(笑)
ぽん:こちらこそ、いつもお世話になっております。なんだかアイドルのオフ会に参加したような感覚です…!
このように、御所ではTwitterを初めとして様々な新しいツールを随所に取り入れ積極的に活用されています。それらの行動の根本にある『身近な法律事務所の実現』との理念についてお聞かせください。
落合:弊所が掲げる『身近な法律事務所』とは、一言でいうと顧客第一を意味します。顧客が気軽に相談できる環境を整備し弁護士にアクセスするまでを簡単にすることで、人生において何かしらの問題が生じた場合に、「弁護士に相談してみよう!」と気軽に思って頂くことにつなげていきたいと考えています。
ぽん:確かに、日本ではまだまだ弁護士が活躍可能な領域があると言われています。この領域を拡大するためには、まずは顧客に利用可能性に気付いてもらう必要がありますね。
この理念の具体化として、御所ではどのようなことが行われているのでしょうか。
落合:『身近な法律事務所』の具体例としては様々なものがあります。土日や夜間の法律相談、費用を完全に明確化している点もそうですね。さらに、デジタル全盛期である現代に適応するため、アディーレ所内の事件をデジタル管理し、アディーレ所内のどの弁護士であっても同じクオリティの仕事が提供できる体制を整えていきたいと考えています。
ぽん:全国64か所に拠点を持たれている御社ならではの発想ですね。いずれの取組みからも、旧態依然とした状況から脱却し、『身近な法律事務所』として時代に適応した事務所を目指す姿勢であることがうかがえます。
2.アディーレが研修制度を重要視する理由―希少な人材を所内で大切に育てる
ぽん:御所では、就職活動をする修習生にとっての特長のひとつとして『事件に1年目からどんどん触れられること』及び『研修の充実』を挙げられています。
これらは弁護士としての活動に不安を覚える修習生にとって御所を志望する大きなインセンティブになると思いますが、この研修制度について具体的に教えてください。
落合:まず、弊所では『研修』と『OJT』をそれぞれ実施しています。具体的には、入所後、最初の3カ月間は全新人共通の「新人研修」に参加してもらい、配属後は各部署での専門教育(OJT)を実施するという流れです。
ぽん:研修だけではなく、OJTもカリキュラムとして用意されているのですね!これらを分けておられるのは、何か理由があってのことでしょうか。
落合:はい、弊所では研修=インプット&基本的アウトプット、OJT=応用のアウトプットと捉えています。そうだな…司法試験で言うと、『研修』は体系を理解して身に付ける基礎講座とその確認答練、『OJT』は未知の応用論点に取り組む答練の位置づけだというと理解してもらいやすいでしょうか。
実際に、研修では弊所が扱う各分野の相談で必須となる基本知識をインプットし、その後に模擬起案や模擬法律相談を通して簡単なアウトプットを繰り返します。その後のOJTにて各分野の相談における応用を学ぶわけですが、アディーレでは「膨大な事件数」という強みから「事件処理に対する共有知」が蓄積されていますので、体系的なマニュアル類も用意されていて、シケ〇イのようなツールが事務所基幹分野ごとに存在します。
入所1年目でも自信を持って法律相談に臨み、事件に関わってもらえるよう万全の体制を整えています。
ぽん:確かに、司法試験受験生のほとんどが予備校を利用しているはずですので、このような体系的な学びは馴染みがある人が多く、新人弁護士であっても飛躍的に成長できそうな仕組みです!
しかし、御所は弁護士数全国8位(※2021年6月現在)という大規模事務所ですから、新しく入所される弁護士数も相当数に上ると思います。全員にこれらの研修及びOJTを行うことは、膨大なコストも時間もかかると思うのですが、それでもこれらを重視される理由はなんでしょうか。
落合:私たちが採用に関連して目標としていることは「人材の定着」です。
弁護士は専門職ですから、いくら司法試験の合格者数が増加したといってもまだまだ人材は希少であり、離職した人の代わりを補填することは簡単ではないというのが現状です。研修制度を充実させることで、貴重な人材を成績や学歴、年齢といった点にかかわらず採用し、弊所内でしっかりと育てていくことが弊所全体の成長につながると考えています。
弊所も以前は離職率が高かったのですが、ここ最近は離職率がかなり低くなっているだけでなく、一旦弊所を離れても帰ってきてくれる人も複数名出てきているほどなんです。出来る限り長くアディーレで働いてもらえるよう内部の所員に対しても充実した制度を構築する必要があると考え、研修制度を初めとして様々な面で心を砕いてきた成果が出始めていると感じています!
3.アディーレでは決められた分野しか扱えないという噂について、真実は?
ぽん:研修を終えて各ドメインに分かれて以降、配属ドメインの中で専門分野を磨かれると思いますが、この専門分野の変更や御所にない分野にコミットすることは可能でしょうか。 と言いますのも、実は、「アディーレでは決められた分野しか扱えない」という噂を聞いたことがあり、この点を鵜呑みにしてしまっている方も多いのではないか?と感じたんです。
落合:結論から言うと、配属ドメインの変更及びアディーレの取扱分野以外の分野を弁護士として扱うことはもちろん可能です!
ただ、なぜこのような噂が出てしまったのかというと、『取扱分野』と『それ以外の分野』での弁護士のコミット方法が異なるからかもしれません。
簡単に言うと、『取扱分野』に関する事件は法人受任といって、弊所の事件として受任します。『それ以外の分野』については、弁護士個人の事件として各弁護士の裁量の下に個人受任して頂く、ということですね。
ぽん:御所では、就職活動をする修習生にとってのもうひとつの特長として『個人受任案件を事務所から所属弁護士へ提供することの意義』を挙げられています。
実は、多くの修習生が個人事件受任の可否が与える影響を認識していないと思います。
この点が御所の特長たる所以を、上記の法人受任or個人受任の違いも含めて教えて頂けないでしょうか。
落合:弊所は本当に事件の依頼数が多いです。確かにCM等の広告を積極的に行っているからでもありますが、実は、CMで宣伝している取扱分野以外の相談や、以前の顧客からの再相談も多いんですね。
そこで弊所では、取扱分野の事件依頼については法人受任とし、全国どの支店、どの弁護士が受任しても、一定のクオリティの成果を提供できるようにしつつ、取扱分野以外のご相談がある場合には、「一般事件相談」として所属弁護士が個人事件として扱うことができる制度を用意しています。
ぽん:なるほど、そうすると『取扱分野』以外の分野にも積極的に関わるチャンスは多数あるということでしょうか。
落合:その通りです。個人受任ですので、経費として20%を事務所に納入して頂ければ、事件への取り組み方はもちろんのこと、事件を受任するのか、報酬はいくらか、着手金の有無等もすべてご自身で決めて頂けますし、全国どの事務所でも自由に使用して頂くこともできます。単独で受任される先生もいれば、少しチャレンジングな事件を同期や先輩と複数名で受任することもよくあります。
ぽん:御所は知名度抜群なので、想像以上に多種多様な事件が舞い込んできそうですね。
落合:おっしゃる通りです!取扱件数の多さが私たちの強みでもありますので、取扱分野は決められたフローに従ってこなしていただく一方、将来的な独立やステップアップを視野に入れ、個人受任の事件にもどんどん積極的に取り組み、日々スキルアップをしている弁護士も多数います。
将来を見据えて専門分野を磨いて頂くことも可能な環境だと思いますよ。
ぽん:御所では弁護士一人一人に理想があることを踏まえた運営をされていると感じます。自分の将来に対して様々な理想がある方にとっては、柔軟に働くことが出来る点が本当に魅力的ですね。
4.アディーレが考える『弁護士の個性』の在り方
ぽん:御所にはエンタメ業界に進出されている方、Twitterで活躍されている方、お笑い芸人を目指されている方等、様々な個性をお持ちの先生方がおられます。採用過程ではこれらのプライベートな目標や夢も考慮されておられるのでしょうか。
落合:個性だけに着目して採用することはありませんが、入所して下さるお一人お一人のライフプランや目標は可能な限り尊重すべきだと考えていますし、実際そのようにしています。
ぽん:この『尊重』の方法として、制度としての具体例はあるのでしょうか。
落合:例えば、これは中途採用対象となってしまうのですが、法律ライター職や法律研究職採用があります。
法律ライター職採用では、在宅勤務希望の女性弁護士から多数のご応募をいただいていますし、法律研究職採用では、日々コミュニケーションが必要とされる法律相談業務よりも、法と向き合って研究に専念したいという方からご応募を頂いています。
そのほかにも、希望があれば「時短勤務」や業務内容や量を調整することなどで多様な働き方を実現できるように努めています。
ぽん:双方ともに就活生の間でも話題となっていました!両方とも中途採用ということですが、新卒ではやはり厳しいのでしょうか。
落合:やはり、新人の頃には弁護士として実務に関わり学ぶことも多いと思いますので、まずは実務にコミットして頂きたいと考えています。しかし、採用時に「ゆくゆくは法律研究職になりたい」と将来のプランとして表明して頂くことは大歓迎です!
ぽん:落合先生のように、採用広報としてTwitterの積極的な運用をやってみたい!という就活生もいそうですね。
落合:もちろん、それも大歓迎です!私は社会人出身者で、昔はマーケティング等の業務にも深く関わってきたんですね。もちろん弁護士としての業務にもコミットしていますが、メインは採用×広報です。一緒にやりたい方、お待ちしています!
ぽん:落合先生の採用×広報は、法律事務所就活としては初めての取組みではないか?との声もありますので、気になる方はぜひTwitter@adire_recruitをチェックしてみてくださいね。
弁護士になったら法律に興味を持ち、日々顧客のために法律の観点からスキルを磨かなければ…というプレッシャーを感じることもあると思うのですが、弁護士といえども「法律にだけ興味がある」人は意外と少ないのではないでしょうか。
自分の興味を弁護士としての業務に活用するなど、自分の弁護士としの働き方を希望に合わせてカスタマイズできる職場環境は「やりがい」に直結しそうです。
5.アディーレが見据える未来の新分野は?
ぽん:現在、債務整理・交通事故・家事事件・労働事件・B型肝炎の給付金請求訴訟の5つを事務所の柱とされているとのことですが、今後事務所全体として参入予定or参入検討中の分野がありましたら可能な範囲で教えてください。
落合:弊所が取り扱いを考えている新たな分野は…あります!
もっとも、これが全てとは思っていません。これから就活をされる皆さんに、「自分がアディーレに新たな取扱分野を作りたい」という意気込みを持って来て頂きたい、と強く願っています。
ぽん:何かアイデアをお持ちの方は、ぜひ入所して実力を試してほしいということですね。御所の取扱分野とするためには、どういったことが必要なのでしょうか。
採用:私たちは、お客様はから「アディーレ」というブランドを信頼してご依頼をいただいています。そのため、一定のクオリティの成果をお客様に提供することが必要です。具体的には、適切な業務フローや弁護士・事務局の協力体制や教育の仕組み等を作るなど、弊所の中に一つの新事業を構築するという感覚でしょうか。
私たちと共に新たな事業分野に挑戦したい方のご応募をお待ちしております!
6.アディーレの事務所説明会が『3時間』の理由
ぽん:御所の事務所説明会は3時間にも及ぶと伺いました。
落合:そうなんです。お伝えする情報の細部にまでこだわり、時間をかけて弊所についてお話ししています。
私たち自身も、決して一般的な事務所ではないことをよく理解していますので、入所後のミスマッチを防ぐためにもこのような形態にしています。
ぽん:3時間というのは確かにかなり長いと思いますが、事前に知るべきことをすべてお伝え頂きミスマッチを避けられると考えると、就活生・事務所双方にとって、実はかなりの時短になるのでは、と思います。
就活生は御所で働く姿をリアルに想像し、本採用にエントリーするか十分に検討できそうですね。
落合:まさにそこを狙ってのことです。色々と厳しいご意見を頂くことも多い弊所ですが、冒頭お話ししたように、私たちは『顧客第一』を掲げ、『身近な法律事務所の実現』のために所員一丸となって業務に邁進しています。
我々の考え方や理念に共感して下さる方は、ぜひ一度、事務所説明会にお越しください!
https://www.adire.lawyer/recruit/
7.『顧客の歩み』と『アディーレの歩み』をすり合わせる―アディーレが考えるミライの法律事務所
ぽん:AIの登場により、弁護士の業務領域は縮小傾向に向かうと言われています。御所ではこの傾向にどのように立ち向かわれるのでしょうか。
落合:弁護士・法律事務所業界でどれだけAIやデジタルが導入されているか、又はその是非はともかくとして、社会全体のデジタル化が進み、生活が少しずつ変化していくのは紛れもない事実です。
クライアントの世界がそのように変化している以上、弊所としてもそれに向き合うことは必然かつ当然のことだと思います。
弊所では、AIに仕事を『奪われる』という発想ではなく、むしろ、AIを仕事に『役立てる』という発想を持ち、AIやデジタル社会に親和性のある事務所を本気で目指していきます。
ぽん:『顧客第一』『身近な法律事務所の実現』という御所の理念は、時代が変わっても変わらずに続いていくということですね。これからの御所が私も楽しみになってきました…!
本日のインタビューはこれで終了となりますが、御所の事務所説明会に参加すると落合先生(アディーレ採用Twitterの中の方)にお会いできるのでしょうか。
落合:はい、会えると思います(笑)ぜひ気軽にご参加くださいね。
8.編集後記
アディーレ法律事務所は、大規模かつ取扱件数が多いという特徴から、決められた分野にしか取り組むことができないのでは、と感じていましたが、それは誤った認識でした。
むしろ、会社のような『大きい組織』である強みを存分活かし、弁護士一人ひとりの興味やライフプランに合わせた多方面での挑戦を積極的に応援されており、自分の姿勢次第で弁護士としての仕事をうまくカスタマイズできる事務所であると感じました。
家族や安定第一の人生を送りたい人も、弁護士として勝負に出てみたい人も、アディーレ法律事務所には『そのために必要なモノ』は平等にいくらでも用意されているはずです。 事務所の強みを活かして所員全員で新時代を駆け抜け、自分が考える最高の人生を実現してみたいと考える方は、ぜひ一度アディーレ法律事務所の事務所説明会等に参加して頂ければと思います。
アディーレ法律事務所へのエントリーがあなたの夢や目標を叶える一歩になることを心より願っています。