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はい 撮ります。 はい チーズ。(シャッター音)
Okay.
Thank you.
Hmm….
(ひなた)May I help you?Oh, thank you.
I’m looking for the dojo.
The dojo? It’s….
That way?
Matt Rollins!?
(マット)That’s me.
My goodness!
<ハリウッド映画「サムライ・ベースボール」の製作と主な配役が発表されました>
モモケンさん?
(剣之介)ひなたちゃん。 久しぶりだね。
この度は おめでとうございます。ありがとう。
Oh. You must be Kennosuke.
マット・ロリンズさん。
And you must be Matt Rollins.
I’ve really been looking forwardto meeting you!
会うのを楽しみにしてました。
こちらこそ!Likewise.
<マット演じる主人公に大きな影響を与える侍という大役にはモモケンこと 二代目桃山剣之介に白羽の矢が立ちました>
Please.
「There’s something you can seeonly in the darkness.There’re some songs you can listen toonly in the darkness.」
「Kibinojo is here!」
おお…!
I’ve been watching “Kibinojo”ever since I heard we were goingto be working together in this movie.
共演が決まってから「黍之丞」シリーズを見てはるそうです。
Thank you. 私も あなたの主演映画を全て拝見していますよ。
I’ve watched all the moviesyou starred in as well.
Thank you.
Oh.ハハハハッ。
フフッ。
<斬られ役ひと筋の虚無蔵の抜てきも話題になりました。すみれも小さいながら役をつかみました。いくつかのシーンは条映で撮影されることも決まっています>
(□原)あっ 大月さん ちょっと。はい。
さっき ハリウッドの担当者から連絡があってな。
はい。コスチュームの一部をこっちで作ってほしいらしいんや。
コスチュームの一部いうのは?
足袋や。足袋?うん。
向こうでも試作はしたらしいけどやっぱり足が痛うならへんなじみのええ足袋作ろう思たら相当の技術がいる いうて。ああ… そうなんですね。
春に来はった時にいくつか持ち帰らはったけどとりわけ雉真繊維の足袋がええ言うたはる。
えっ。うちの衣装さんらも気に入ってあれ以来 雉真にシフトしはったんやて。
はあ~ 知らんかった。
大月さんは親戚やし 先に伝えとこ思て。
ありがとうございます。 あの 私からも大叔父に電話してもいいですか?
うん 構へんよ。あっ ありがとうございます。
あの これ…。ああ ありがとう。
♪~
♪「君と私は仲良くなれるかな」
♪「この世界が終わるその前に」
♪「きっといつか儚く枯れる花」
♪「今、 私の出来うる全てを」
♪「笑って笑って」
♪「愛しい人」
♪「不穏な未来に 手を叩いて」
♪「君と君の大切な人が幸せである」
♪「そのために」
♪「祈りながら sing a song」
♪~
<「サムライ・ベースボール」はSF時代劇です。マット・ロリンズ演じる主人公は現代を生きるアメリカ人ですがある日 幕末の日本の弱小藩にタイムスリップしてしまいます。その藩主を演じるのが剣之介>
(太鼓の音)
<そして その藩主が最も信頼している無口な家老が虚無蔵です>
(太鼓の音と シャッター音)
ハリウッド映画「サムライ・ベースボール」への出演が決まりました桃山剣之介さん 伴 虚無蔵さんの記者会見を行います。
(小声で)虚無さん。
(小声で)まぶしいでしょう。
(小声で)暗闇にいたんじゃあ見えないものもあるんですよ。
(泣き声)
(轟)よかった…。(畑野)はい!
<剣之介演じる藩主は藩政が うまくいかず悩んでいます>
<タイムスリップしてきた主人公は侍たちと なんとかコミュニケーションを図ろうと 野球を教えます。主人公は 野球を教えることで侍たちと交流を深めていきます。藩主は 野球を通して藩の侍たちを統率することを考えまた 主人公も藩主を通し武士道を学びます。しかし やがて尊皇攘夷の嵐が吹き荒れクライマックスは これぞハリウッドという大合戦シーンが撮影されます>
Use your glove.It’s for the ball.
Now, knee throw.Overhand like this, ready?
Wow, you’ve got a really good arm!
そういうたら 今回 来てはりませんねえアニー・ヒラカワさん。
(□原)ああ…。 キャストも撮影もほとんどは ニュージーランドやからそっちに行ってはるんやろ。
そうか…。
ただいま。
(るい)お帰り。(勇)お帰り。
大叔父さん!?よう。
商工会の集まりが大阪であってのう。せっかくじゃから寄ったんじゃ。
急に連絡してきて びっくりしたわ。うん。 すまん すまん。 ハハハッ。
桃太郎 元気にしてる?ああ。 わしに似て 名サードじゃ。
アハハッ よかった。
ひなた。 今朝の新聞 読んだで。えっ?
条映でハリウッドの映画が作られるんじゃてな。
いや うちは協力するだけで作るのは あくまでもハリウッドなん。
撮影は ほとんど海外やし。
何にしても うれしいニュースじゃ。ハッハッハッハッ…。
その映画のことでもう一つ ビッグニュースがあるんやで。
うん?
(すすり泣き)
そうか…。 雉真の足袋が…。
そうか そうか…。
ああ… はあ…。
ようよう打順が回ってきたのう。
打順?うん。
雉真繊維は 小せえ足袋屋から父さんが一代で築き上げたんじゃ。
(千吉)足袋ゃあ 作り続けてくれ。
(勇)もちろんじゃ。 足袋ゃあ雉真の1番バッターじゃからのう。
雉真の足袋が…こねえな形で ひ孫の仕事の役に立つたあ。
父さんも 草葉の陰でどねえに喜んどるじゃろう…。
作り続けてよかった。
守り続けてよかった。
わしゃあ 今 心から そねん思う。
(泣き声)
(拍手)
(慎一)ありがとうございました。はあ~ 夢みたいです。
こんな小さな喫茶店で トミー北沢と大月錠一郎が演奏してくれるなんて。
どこでも気分が乗ったら演奏しはるんや。
ツアー帰りに寄ってもらってセッションなんて 感激です。
(足音)じいちゃん。
じいちゃんってば。(健一)うるせえのお。
わしゃあ 今余韻に浸りょんじゃ。
(錠一郎)ますます定一さんに似てきたなあ。
アッハハッ。
(せきばらい)
錠一郎君。(錠一郎)はい。トミーさん。
クリスマスフェスチバルに出てもらえんじゃろうか?
クリスマスフェスチバル?(トミー)クリスマスフェスティバル?
じいちゃん。駄目だよ そんな無理なお願いしちゃあ。
何でなら。何でって…。
何なの? それ。ジャズのコンサートです。 クリスマスの。
えらい急な話やねえ。
あっ 今年じゃなくて来年のクリスマスです。
ああ 来年か。地元のイベントなんです。
場所だって小さいですし。
(錠一郎)どこ?偕行社です。
偕行社?(健一)ああ。陸軍将校の社交場があった場所じゃ。
(トミー)ああ。昔 進駐軍に接収されてたいう建物か。
ジョーさん。うん。(トミー)何や?
あっ いや…僕がジャズに出会った場所や。
定一さんが 酔っ払って「サニーサイド」歌ったステージ。あれも クリスマスやった。
(トミー)ああ そういうことか。
どうして ひいじいちゃんが進駐軍のステージで歌うの?
知らん。じゃから 酔っ払っとったんじゃろう。
(慎一)ええ… すごい度胸だな…。
トミー。はいはい。 皆まで言うな。
ええよ。(慎一)えっ。出るよ。
(慎一)ええっ!
本当ですか? 本当にいいんですか?
僕も 演奏してみたい。 あのステージで。
♪~(ラジオ)
ただいま。あっ お父ちゃん お母ちゃん お帰り。
ただいま。トミーさんも お帰りなさい。
おう サニーちゃん。サニーちゃんて…。
ミュージシャンは変な符丁で呼びたがるもんなんや。
符丁て言うな。 しかも変て言うな。
どないや? ハリウッド映画は。
マット・ロリンズがめちゃくちゃ かっこいいです。
そうか。 楽しみやな。はい。
・(錠一郎)ひなた。うん?ちょっと お茶いれて。
は~い。
トミーさんも どうぞ。いや 俺は ここで。
えっ? ここまで来はったのに。
サッチモちゃん。 気ぃ進まへんか?
偕行社のステージ。
何や そんな顔してたから。
あ… そやないんです。
うれしいです。
ほな 何で?
トミーさん。
こんなこと言うのぜいたくなんは分かってるんですけど…。
トランペットを吹かせてあげたかった。
その特別な会場にジョーさんのトランペットが響き渡るのを…聴いてみたかった。
フッ すいません。言うても詮ないことを。
いや。
・(錠一郎)るい。 トミー。 お茶入ったで。
あっ そしたら…。うん。 また。
・(錠一郎)あれ? トミーは?・帰らはった。
・(錠一郎)え~ 何で?