ITmedia News経由、産経新聞のソニー中鉢社長インタビューより。第90回「ソニー戦士ストリンガー登場」株主総会で掲げた07年度方針「復活から利益を伴った成長へ」については「『勝ち組』に入る兆しはあるが、慢心はしない」としたうえで、前期の営業損失が2323億円に達したゲーム事業、特に「達成できたと考えて」いた目標に届かない550万台を生産出荷・うち360万台が流通に渡った(つまり店頭の目に見える在庫のほかに約190万台がソニー在庫だった) プレイステーション3事業については、「死に物狂いでやる。グループの総力をあげ、本体とSCEで共同作業を深める」

つまり、「プレイステーション道はもの狂ひ也」。ああ、たしかに「もの狂い」と考えればいろいろなことが納得できるな......という話はさておき、どんな戦略もまずは冷静な現状認識から。店頭在庫のダブつきが誰の目に明らかになった時期に「PS3を在庫している小売店は一軒も存在しない」「在庫を見つけたら1200ドル進呈する」と言い放って物笑いの種になったSCEAのとても偉い人のような現実否認ではなく、いまここから巻き返して勝つ、全力を尽くすという宣言が本体の社長から聞けたことは非常に心強いものです。

一方、反撃に転じるスペシフィックな案のなかでも確実に実行できる「値下げ」については、「迂闊に言える状況になく、コメントしかねる」との慎重姿勢を示しています。たしかに買い控えに直結する値下げはうかつに口にできるものではありませんが、ソニー戦士の総帥たるストリンガー卿はFT紙に対して「検討している」「クリスマスまでには」分かりやすいフレンドリーファイア的コメント

厳しい状況ではあるものの、ソニーほどの企業が一丸となって死に物狂いになれば不可能はありません。時価総額がおなじくらいのゲーム専業会社、あるいは企業規模が桁違いで勝つまで諦めない米国企業も死に物狂いにならなければ楽に勝てるんじゃないでしょうか。