つまり、「プレイステーション道はもの狂ひ也」。ああ、たしかに「もの狂い」と考えればいろいろなことが納得できるな......という話はさておき、どんな戦略もまずは冷静な現状認識から。店頭在庫のダブつきが誰の目に明らかになった時期に「PS3を在庫している小売店は一軒も存在しない」「在庫を見つけたら1200ドル進呈する」と言い放って物笑いの種になったSCEAのとても偉い人のような現実否認ではなく、いまここから巻き返して勝つ、全力を尽くすという宣言が本体の社長から聞けたことは非常に心強いものです。
一方、反撃に転じるスペシフィックな案のなかでも確実に実行できる「値下げ」については、「迂闊に言える状況になく、コメントしかねる」との慎重姿勢を示しています。たしかに買い控えに直結する値下げはうかつに口にできるものではありませんが、ソニー戦士の総帥たるストリンガー卿はFT紙に対して「検討している」「クリスマスまでには」と分かりやすいフレンドリーファイア的コメント。
厳しい状況ではあるものの、ソニーほどの企業が一丸となって死に物狂いになれば不可能はありません。時価総額がおなじくらいのゲーム専業会社、あるいは企業規模が桁違いで勝つまで諦めない米国企業も死に物狂いにならなければ楽に勝てるんじゃないでしょうか。