Q:各部門ごとの業績について。
「ゲームについてもですね、利益的には、想定より若干良くなっています。えー、これはひとつにはですね(苦笑)、あのー、ま、ちょっと数が少し落ちたということで、まあ逆ザヤ分が減ったというようなことも(軽く吹き出す)ございましてですね(笑)。若干ですけどこれもまあ、上ぶれしていると」。
Q:在庫、流通在庫について。
「(今回の発表)の(出荷)数が71万、若干、当初の計画より下がっていることがひとつ。年間での1100万台という目標は、いまのところ達成するということで動いている。だから在庫レベルとしては上がっているということは言える。(どれくらいでしたっけ?と確認して)まあ、200億というレベルでは、上がってるんじゃないかと。だいたい流通在庫としては、60万台くらいマーケットにあるかな、という風に理解しています。」
Q:半導体が好調だが、ゲームの販売数が落ちているという。(PS3向け半導体が減って)工場の稼働率が下がることは。減損になる可能性は。
「半導体の稼働率に関しては、現時点では問題ない。1100万台を(PS3の)年間ターゲットとしてやっているかぎりにおいては、(工場の)キャパシティからも先行的にやってゆく必要があり、稼働率については全然、問題はない。(仮に数が下がっても)外に出しているものを(ソニーの工場に)取り込むといった形で調整できるところもまだあり、減損ということは、相当ひどい数にならないかぎりありえないと考えています。」
Q:65ナノプロセス化の時期は。逆ザヤ(売るほど損)解消のタイミングは65nm化なのか。逆ザヤ解消のトリガーについて。
「逆ザヤ解消の大きなところはたしかにCellのコストダウン。それからRSXだとか、半導体がまず大きい。それから(ドライブの)ピックアップ。これも大きい。
まずCellが65nmに行きます。具体的にいつとは申し上げられないが、いずれにしてもピーク時にそのへんは出てくると理解していただいて問題ない。RSXについては多少遅れるのではと考えている。逆ザヤを解消するのはそれらが全部出たあとということになりますので、今期ギリギリどうかな?って感じでみてますけども。具体的なことについては、今の段階で断定的にはいえることではないと。」
続きます。
Q:RSXの65nmも今期末投入という意味か?
「そこまでは申し上げられませんので、まあCellよりは遅くなるとはいえると思います。」
Q:通期見通しを修正しなかった理由。エレキ・ゲームとも慎重に見ているという理由は?リスク要素は。
「大変厳しい質問。まずテレビの価格低下。欧州では特に予想より5%10%早い。慎重にみざるをえない。1000万台をみれば5パーでも500億吹っ飛ぶ(略)
もうひとつはps3の数。ソフトも今期末までにはあと200本入れる。アメリカでは60GB版を499に落として80GB版にゲームをバンドルして599。欧州では60GBにソフトバンドルとコントローラもうひとつなど、プロモーションしている。この成功については慎重に見ておく必要がある。この2つが大きな要素。慎重に見ている。」
Q:PS3について、今後為替など状況が厳しくなっても、赤字拡大してでも1100万台を売ってゆくのか。それともゲームはゲームで500億~600億程度の(エレキがカバーできるレベルの)赤字に押さえるのか。利益か数字か。
「長期的には、ある程度の数がないとこのプラットフォームというのは死んじゃうんだと思います。」
「従いまして、ある程度お金をいれても数をだしてゆくべきではないかと。そのためのコストダウン、プロモーションを考えている。よほどのマーケット環境の変化がないかぎり、予想の半分とかいうことはありえないんじゃないかと思います。
基本的には、やはり長期的に育ててゆくべきプラットフォーム。PS2にしても8年とか9年になる。現時点で赤字は出しているが、このプラットフォームについては長い目で見ていただくことになる。
特にHDの環境下で、ネットワークを使ったそういうサービ......えー。ゲームを。ゲームだけでなくてですね。ネットワーク上でのいろんなサービスをエンジョイできるというプラットフォームはですね、ほかにはなかなか無いわけで、それらはやはりある程度の時間が必要ではないかと思います。」
(ここでエレキ部門の細目についての質問。テレビ以外は全部良い、のあと「オーディオもいろいろいわれているけど」ほとんどすべてで利益が出ている、との回答あり。)
Q:ゲームについては(売れなかったため) 当初予定よりも若干良かった。Q2にかけて増えるということは、赤字が増えるのか?(Cellだけでなく) 全体が65nmにならないと黒字にならないのか?
コストダウンは着実に進んでる。大幅にコストが下がってくるのは65nmなどいろいろあるがこれは先になると思う。損益に幅を持たせているのは評価損の関係。コストと売値の関係。コストと売価の差は確実に減っている。数量との兼ね合いでどちらが効くかで振れてくるが、コストダウンは着実に効いている。(おなじ数で考えれば)評価減は減るし、逆ザヤも減る。
「最終的に解消するのは「今期がかなりきびしいかな」。(今期でないにしても)それにかなり近いと想定している。」
Q:65nmベースのシャーシへの切り替えが若干遅れているようだが、在庫が消化できていないのが原因か?生産や調達には問題がないのか?
基本的には切り替えのタイミングに左右されているという理解。歩留まり云々の遅れはない。すでに生産始まっている。
Q:ゲームの通年見通し。赤字は500から600億は悪化するか。利益5%の達成はどうか。
ゲームについては前回より若干、下ぶれ。エレキが若干、上ぶれ。なので変えてません。全体としては5%達成できると考えている。
Q:三月末には(生産出荷550万台のうち)在庫が190万台という話があったが、6月末の在庫はどうなったか。9月待つにはどうなるか。
いまのソニー在庫は220, 230万台。Q1が予想より売れなかったから。通年では目標1100万そのままだから先行生産の必要がある。売上ピークの11月12月にあわせて多少膨らむ。期初・期末でいえば下がる。
Q:9月末の時点では230万より在庫が増えるのか?評価損のピークは6月末か?
計算してみないと分からないけどおそらく6月末か9月末。
といったところ。65nm版チップについては生産しているけどまだ出していない、年度末には(その前の在庫が一掃されることがあれば)でてくるかな?と考えれば良いようです。3-6月で71万台という数字、流通在庫、「今のところそういうことでやっている」目標1100万台をどう解釈するかはさておき、PS3は今後10年にわたって1億台を目指すプラットフォームであることを考えれば目先の数字にあまり意味はありません。とりあえず3~6月期についていえば「PS3の損益は予想よりも良かった」という非常に心強い結果といえるようです。