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西暦2030年 魔法という存在は、国民の間では本やアニメ、御伽噺の世界の能力であり決して存在するものではないと思われていた。しかし世界各国の首脳及び国家組織は魔法の存在を認知しており、また魔法師の存在も確認している。
世界各国の首脳たちが1番恐れているのは国民への魔法の認知と魔法の中でも最も恐れられている
"歪曲"が使われることであった。歪曲とは世界の理を崩してしまう恐れがあり、最悪の場合第3次世界大戦や地球滅亡の危機に当たるものである。その為、各国は警察組織や国家機関に魔法犯罪やテロを隠密に処理して民間人への魔法認知を防ぎつつ、歪曲の使い手の監視も同時に行うための対魔法犯罪対策本部を編成した。ここ、日本での怪異事件や未解決事件などの多くは魔法による犯罪であり、アメリカやイギリスに次ぐ魔法犯罪大国である。日本の場合は治安を維持する公安局の中に魔法犯罪対策室が編成されている。
これらが現在の魔法の認識であり世界の魔法情勢である。
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4月 東京 渋谷 青海学園 学園敷地内
どんよりと湿った空気が漂う、暗闇が当たり一体を支配し殺伐とした雰囲気に包まれていた。
そんな中、双子の
「今日も遅くなちゃったね。もう真っ暗
だよー。」
「先輩方には先に帰っていいよと言われました
が、どうやら最近この辺りで通り魔事件が起き
ているようです…」
学園は小学校、中学校、高校、大学が一つの敷地内にあるため、入口も複数ある。双子はその中でも駅に1番近い大学側の門から帰ろうとしていた。
すると突如暗闇の中から獣が数体双子の目の前に現れたのだった。獣は犬のような見た目をしているが、その姿は犬よりも醜い。
「な、何あれ!?犬!?」
と困惑する律花に対し、楓望は冷静だった。
「お、お姉ちゃん...絶対犬じゃないって!
とにかく逃げよ、なんかおかしいって!」
双子を見た獣は即座に2人に向かって襲いかかってきた。
「楓望!!私の後ろに!!」
と律花が庇おうとするが
「で、でも」
「いいから早く!!!」
楓望が躊躇うが律花が急かす。
その時、突如としての獣たちが赫き炎に包まれた。
獣たちの近くには人影が見えた。
「下がってなさい」
と女性らしき声が聞こえたが、双子はその声よりも目の前で起きている光景に目を奪われてしまった。
複数の獣が目の前にいる謎の女性に飛びかかっており、彼女は剣のようなもので獣の攻撃を防いでいた。それよりも驚いたことが目の前にいる彼女の腕が赫く燃えていることだ。更に、その両手に握られていた剣のようなものは、いつの間にか槍へと変わっていたのだった。
「なんなの...いったい…」
と律花が取り乱す中
「とりあえず校舎に戻ろう!!」
と楓望は冷静であった。
「そうだね」
律花が頷くと、二人は急いで校舎に戻ったのだった。
その頃、謎の女性は獣を容赦なく斬って斬って斬り刻んでいった。斬られた獣は赫き炎に包まれ一瞬にして灰へと帰した。それも数十体と。
獣との戦いが終わったのか、獣と戦っていた謎の女性も帰ってきた。
「あなた達、大丈夫だった?」
律花と楓望は驚きを隠せずにいた。
「せ、先生!?」
声の主は二人の担任の舞雪先生だったのだ。
二人の反応を伺いつつ舞雪は二人の安全を確保するための行動に移った。
「諸々は車内で、とりあえず私の家まで
逃げるわよ、あなたたちの家じゃ危ない
だろうから。」
一行は車に乗り先生の家へ向かうこととなった。
~車内~
「先生、あれは一体どういうこと?」
律花が尋ねた。
しかし舞雪は答えることなく。逆にこう尋ねた。
「あなたたち魔法は知ってる?」
「先生ふざけてるんですか??そんな御伽噺
みたいなことあるわけないじゃないです
か。」
と楓望は反論したが、舞雪はバックミラーに真剣な眼差しを二人に向けこう言い放った。
「ふざけてるわけないじゃない、あれを見て
まだそんなこと言えるの?
まあいいわ改めて自己紹介を。
村雨舞雪、
魔法師です。私の任務はあなた達の監視
及び護衛です。」
舞雪が真剣に話しているのに対し、律花は呟いてしまった。
「先生って厨二病ってやつなのかな?」
舞雪はまさかここで厨二病と言われるとは思わなかったため、内心かなりショックだったのはここだけの話。
「なぜ私たちの護衛と監視を?」
と楓望が質問すると舞雪はこう答えた。
「あなた達を護衛していた理由は、
あなた達二人が持っている魔法、歪曲と
呼ばれるものを持っているから。まだ
曲名は決まってないけどね。
歪曲を簡単にいうと世界を滅ぼせてしま
う魔法ね。
体のどこかに模様みたいなのが入ってい
るはずよ。」
話を聞いた双子に沈黙が走った。
二人には心当たりがあったのだ。
小さい頃から二人の背中には模様みたいなものが刻まれており、水泳の授業では友達などに不気味がられたのだった。
その為、二人とも驚きを隠せずにいた。
律花が恐る恐る尋ねた。
「あれってアザとかじゃないんですか?」
「驚くのも無理ないわ、これを見て」
と舞雪が袖をまくってみせた。
するとそこには大きく細かな模様が腕いっぱいに
描かれていた。
律花と楓望が唖然とする中、舞雪は何かを感じとったのか眉をひそめた。
「あなた達、少し揺れるわよ。」
すると後ろから学校で襲われた時と似たような獣がまたもや襲ってきたのだった。
「先生!!また来たよ!」
律花と楓望が怖がる中、舞雪は何かを待っているように見えた。
突然舞雪がブレーキをかけると後ろにはもう獣の姿が見えなかった。
「何があったの...」
と律花が混乱している中、外には二人の人影が見えた。
舞雪が車外へ出ると何者かと話している様子が見えたので、律花と楓望も一緒に車外へと出た。
「全く、来るのが遅いのよ。」
「いや、すまんすまん」
舞雪と一緒に会話している男性は50代後半と思われ、その傍には若い男性も一緒にいた。
「嬢ちゃんたち、驚かせて済まないね。
私の名前は村雨政俊、舞雪の父であり公安局
執行課の人間だ。今後ともよろしく。」
「どうも、同じく公安局執行課の睦月伸一です。よろしくね。」
「律花です。」
「楓望といいます。よろしくお願いします。」
律花と楓望は戸惑いながらも挨拶した。二人は舞雪の指示で車に戻ったのだが、外でまだ3人が話していた。
「あのことは話したのか舞雪?」
「いや、話せるわけないじゃない。あなた達が
200万人を殺した隕石を降らせましたなんて
さ。」
と、舞雪と政俊で話している中、伸一はまだ話の内容を理解出来ていなかった。
「一体なんのお話を?」
「そうか、伸一は知らんかったな。あの双子が
持っている歪曲が14年前に東北で起きた隕石
災害、通称: "運命の日" を引き起こしたと言わ
れている。その日から歪曲に対する警戒心が
一気に跳ね上がり、世界中で歪曲を持つ者の
監視が始まったんだ。」
「そうなんですか!?」
政俊の話を聞いた伸一は驚いた様子を見せた。
「ま、マジっすか…」
「マジよ…」
と舞雪は返したがすぐに態度を切りかえた。
「とりあえず私の家で二人を匿うから家まで
護衛よろしくね。」
「ちょ、そりゃないですよ先輩!! 走れとでも
言うんですか?」
「うん。」
舞雪の答えに対して伸一はガクンと肩を落とし深いため息をついたのだった。それを見て政俊は伸一の肩をポンポンと叩いたのであった。
皆さん最後までお読みいただきありがとうございます。
やっと本編に入れて個人的にはほっとしております。
自分の書いた文章を読み直すと結構誤字が多くて自分の国語能力を疑ってしまいますw
もっと激しいバトルシーンを見せてくれ!!という方はいらっしゃると思いますがバトルシーンはすごいのにするので楽しみにしてください!!
では今回はこの辺で、また次話でお会いしましょう!
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