一昨年12月28日から全国で一時停止しているGoToトラベル。政府は今年1月末頃の再開に向け調整していましたが、オミクロン株の感染拡大を受け、再開を先送りしました。
このページでは、”Go To トラベル再開”に関する最新の動向、岸田首相が取り組みを進める”新たなGoToトラベル2.0″の内容など、最新情報をお届けします。
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GoToトラベル再開いつから?再開予想はGW明け以降
政府は昨年11月19日、新たなGoToトラベルの内容の一部を正式発表。今年1月頃に再開する方向で調整していましたが、感染拡大を受け、GoToトラベルの再開を当面見送る考えを示しました。岸田首相は3月16日の記者会見で、「GoToトラベルについては引き続き、注意深く検討していく」と述べるに留め、再開時期については明らかにしませんでした。
GoToトラベルはいつ再開するのか?…斎藤国土交通相は3月15日、都道府県が独自に実施する旅行割引「県民割」を地域ブロックに拡大するステップを踏んだあと、GoToトラベルを再開する方針を明らかにしました。政府は、県民割を5月31日まで延長する方針で、感染状況が全国的に落ち着いた後の全国一斉再開を前提としていることから、GoToトラベルの再開は早くても6月以降となる見込み。
県民割の対象を隣県や地域ブロック(関東、近畿など)に拡大し、GoToトラベル再開へと繋ぎます。
新たなGoToトラベルの変更点は?
新たなGoToトラベル(Go To 2.0)主な変更点一覧
※12/8時点/内容については変更となる可能性があります
①ワクチン・検査パッケージの活用
…ワクチン・検査パッケージを活用。旅行後、2週間以内に陽性となった際の報告や旅行中の行動履歴の記録。
②補助内容の引き下げ(中小事業者へ配慮)
…割引率・割引上限額を引き下げることにより、低価格帯の実質割引率引上げ。
③旅行需要の平準化(平日分散)
…休日と平日の差をつけ、平日に旅行需要を分散。
④地方への観光支援(交通事業者支援)
…交通費を含む旅行商品の割引額を引上げ。
⑤ソフトランディング
…GW以降は都道府県による事業とし、割引率を段階的に引下げる。
⑥繁忙期は除外
…春休み期間など、繁忙期は除外。
GoToトラベル割引上限額や割引率、地域共通クーポンの比較
内容 | 前回 | 新たなGoTo |
割引率 | 35%OFF | 30%OFF |
割引上限額 | ・宿泊14,000円 ・日帰り7,000円 | ・交通付き10,000円 ・宿泊のみ7,000円 ・日帰り3,000円 |
地域共通クーポン | 旅行代金の15%分 (上限:宿泊最大6,000円 日帰り最大3,000円分) | ・平日3,000円 ・休日1,000円 |
感染症対策 | ワクチン検査パッケージ |
これまでのGoToトラベルについては、1人1泊につき2万円を上限に旅行代金の半額を補助(35%の旅行割引+15%分の地域共通クーポン)しており、割引上限が高いことから、高額宿に人気が集まりました。また週末や連休は観光地が混み合い、蜜になりやすいことや、人の往来が増えたことで感染拡大の一因となった可能性が指摘されていました。
これらの課題があったことから、岸田総理は就任前から、感染症対策を進化させた「GoTo2.0」を打ち出しており、ワクチン・検査パッケージを活用することを決めました。休日と平日の割引率に差をつけて旅行需要を分散するなど、安心安全を前提とした新たな制度に変更しました。
また高級宿に集中しないよう割引率・割引上限額を引き下げ、利用者が激減している交通事業者を利用する際の割引を手厚くし、交通事業者および地方の観光需要の回復を支援します。
政府は21年度の補正予算に”新たなGoToトラベル”の予算として約2,685億円を計上、既存予算と合計すると約1兆3238億円の巨大事業となります。
新たなGoToトラベル割引、地域クーポン額の早見表(宿泊プラン)
▽宿泊プラン平日の場合(1人泊)
旅行代金 | 割引30% | 地域クーポン | 割引合計 | 割引率 |
5,000 | 1,500 | 3,000 | 4,500 | 90% |
10,000 | 3,000 | 3,000 | 6,000 | 60% |
15,000 | 4,500 | 3,000 | 7,500 | 50% |
20,000 | 6,000 | 3,000 | 9,000 | 45% |
23,334〜 | 7,000 | 3,000 | 10,000 | 42% |
▽宿泊プラン休日の場合(1人泊)
旅行代金 | 割引30% | 地域クーポン | 割引合計 | 割引率 |
5,000 | 1,500 | 1,000 | 2,500 | 50% |
10,000 | 3,000 | 1,000 | 4,000 | 40% |
15,000 | 4,500 | 1,000 | 5,500 | 36% |
20,000 | 6,000 | 1,000 | 7,000 | 35% |
23,334〜 | 7,000 | 1,000 | 8,000 | 34% |
前回のGoToトラベルの割引率は50%、給付額の上限も1人1泊2万円と高額だったため、高級宿に人気が集まりました。最大では、2名1室8万円の場合に、4万円の補助を受けることができたのです。
新たなGoToトラベルでは、高級宿に人気が集中しないよう、低価格帯の実質割引率を引上げました。平日1人1泊あたり15,000円以下・休日1人1泊あたり5,000円以下の場合に、前回の割引率「50%」を超える制度設計となっています(※上表参考/内容は変更となる場合があります)。
尚、割引後の旅行代金が地域共通クーポンの付与額を下回ることがないよう枚数制限を設ける予定です。
新たなGoToトラベルいつからいつまで?
県民割⇒新たなGoTo(国)⇒新たなGoTo(県)
感染状況によってはスケジュールが変更になる可能性がありますが、新たなGoToトラベルは、夏休み前までの実施を想定しています。
昨年11月19日時点の情報では、次のような段階的な観光支援策を予定しています。(※GWなどの繁忙期は除外日を設ける方針)
- ①県民割(地域観光事業支援)の対象を地域ブロックまで拡大
- ②新たなGoToトラベル再開、国が主体で実施
- ③新たなGoToトラベル、都道府県が主体で実施
GW以降については、割引率上限を20%(割引上限額8,000円/人泊)、地域クーポン券上限を3,000円分とし、地域の実情に応じて、割引率などを柔軟に設定できる仕組みにする方針です。
上図のように、割引率を段階的に引き下げ、平常化へ向けソフトランディングをしたい考えです。
GoTo2.0で活用される予定の「ワクチン・検査パッケージ」とは?
「ワクチン・検査パッケージ」とは、ワクチン接種や陰性証明を活用し、新型コロナウイルスを感染させるリスクが低いことを示す仕組みのことです。「ワクチン・検査パッケージ」の導入で、ワクチン接種済の方や、陰性証明書がある方は、県境を越える出張や旅行など、国としての自粛要請の対象外となります。
主に国や都道府県が実施する観光需要喚起策(新たなGoToトラベル2.0や県民割など)に「ワクチン・検査パッケージ」を導入します。
GoToトラベル再開まで「県民割」(ブロック割)を実施
じゃらん地域観光事業支援クーポン
【4月8日更新】政府は県民割について5月31日まで延長する方針です。GW期間の適用可否を含め、来週にも正式に発表する見込み。
政府はGoToトラベルの停止が長期化していることから、昨年4月からGoToトラベル再開まで都道府県が実施している県民割引を財政支援する「県民割(地域観光事業支援)」を実施しています。事業の総額は約3,000億円で、GoToトラベルの予算を流用します。
感染が落ち着いている地域が対象で、1人あたり最大7,000円(旅行費用に最大5,000円+地域共通クーポンに最大2,000円)を補助、内容および割引率などは都道府県が独自に設定します。
実施期間を2022年4月28日宿泊分まで延長し、ワクチン接種歴や検査キットを活用する内容を条件に盛り込む方針です。2022年4月以降、感染状況を見て県民割の対象を「北海道・東北地方、関東地方、北陸信越・中部地方、近畿地方、中国・四国地方、九州地方・沖縄」と6つの地域ブロックへと拡大し、新たなGoToトラベルへと繋ぎます。
実施中のキャンペーンを見る47都道府県別「県民割(地域観光事業支援)まとめ
県民割クーポン配布中 じゃらん|楽天トラベル|るるぶ|JTB
GoToトラベルの予約は今がチャンス!?再開後に割引の事後適用が可能
楽天トラベルなど各旅行事業者は、Go To トラベルキャンペーンが再開された場合、既存予約にも「Go To トラベルクーポン」の割引を適用できる準備を進めていると発表しました。これにより、Go To トラベルキャンペーンが再開された場合に、予約の取り直しが不要になります。
人気ホテルや旅館でも、まだ週末に空きがあります。宿泊料金が落ち着いている今、キャンセルができるプランであれば予約しておくのも一つの手でしょう。
ただし、GoToトラベルの内容が変更となり、割引の対象外になるなどのリスクもありますので、ご注意ください。
GoTo事前予約受付GoTo再開時、割引を事後適用できるサイト一覧
GoToトラベル再開の主要ニュースまとめ
新たなGoToトラベル、早ければ6月以降再開へ
【22年3月12日】岸田首相は3月12日、「適切な時期が訪れたら迅速に再開できるよう準備を進めたい」と述べ、政府として再開する意向を示しました。
【22年2月18日】岸田首相は18日、「今後の感染状況を見極めつつ、新たなGoToトラベル事業などで観光需要の喚起を図る」と述べ、経済再生への施策検討を急ぐ考えを示しました。
【22年1月4日】岸田首相は6日「感染状況を見極めた上で慎重に考えるべき。具体的に言える状況ではない」と延べ、再開時期が大幅に遅れる可能性が出てきました。
【21年12月15日】和田観光庁長官は15日の定例会見で、「現時点で11月に示したプロセスを変更する予定はない」と述べ、当初の予定通り、年末年始の感染状況を見極めた上で新たなGoToトラベル事業の実施について判断する考えを示しました。
【21年11月19日】政府はGoToトラベル再開について、「専門家の意見を踏まえ、年末年始の感染状況等を改めて確認したうえで、 再開時期を確定する」とし、年明け以降(1月中旬〜2月頃)に再開する方向で検討していることを明らかにしました。またワクチン・検査パッケージを活用するなど、GoToトラベルの制度内容の変更を発表しました。
新たなGoToトラベル、ブロック割後に再開
【22年4月8日】政府は県民割について5月31日まで延長する方針を固めました。GW期間の適用可否を含め、来週にも正式に発表する見込み。
【22年3月25日】観光庁は25日、県民割(地域観光事業支援)について、「①4月28日までの期間延長、②地域ブロックに対象拡大、③ワクチン3回摂取済または検査の陰性結果を利用条件にする」と発表しました。4月1日からの県民割の運用変更について詳しく
【22年3月16日】岸田首相は3月16日の記者会見で「県民割について観光団体の合意を前提に、4月1日から地域ブロックへ拡大する。ワクチン接種歴や検査キットを活用した取り組みを盛り込んで、安心して県境をまたいだ旅行を楽しんでいただけるようにいたします。GoToトラベルについては引き続き、注意深く検討していく」と述べました。県民割は4月28日まで実施される見込みで、GoToトラベル再開は、大型連休明け以降となる見込みです。
【22年3月15日】斎藤国土交通相は3月15日、都道府県が独自に実施する旅行割引「県民割」を地域ブロックに拡大するステップを踏んだあと、GoToトラベルを再開する方針を示しました。
岸田首相、GoToトラベル2.0を検討。経口治療薬も条件か
【21年10月11日】岸田総理は、11日のテレビ番組のインタビューで「通常の社会経済活動を取り戻すためには、ワクチン接種、経口治療薬が必須である。これらを普及させるには年内いっぱいかかるのではないか。」と述べ、経口治療薬の普及も条件として取り入れることを示唆しました。(参考:WBS)
【21年9月19日】自民党の岸田氏は19日、日本旅館協会の会長らと会談し、新たな観光支援策「GoToトラベル2.0」を検討していることを明らかにしました。①ワクチン・検査パッケージの活用、②非接触にするためデジタルクーポンを導入、③中小企業には割引率を上げる、など、大手だけではなく中小にも恩恵があるような施策を検討していることを示しました。再開時期については「平時のような社会経済活動を再開したら」としました。
【21年7月20日】赤羽国土交通相は20日の記者会見で、「これまで通り、全国の感染状況がステージ2相当以下になることが再開の大前提」と話しました。
新GoTo再開時、県民割と並行して実施の可能性も
【21年5月19日】観光庁の蒲生長官は19日、GoToトラベルが再開した場合、「地域観光事業支援による県民割と併存する可能性がある。期間が重なった場合、旅行者がどちらかを選べるように検討を進めていく」と述べました。政府内では、地域観光事業支援の隣県での割引適用(ステージ2以下の地域のみ)を検討しています。
公明党が新・GoToキャンペーンを提唱、早期再開を要望
【22年3月28日】公明党は28日、新たな経済対策に盛り込むため、全国規模の新たなGoToトラベルやGoToイートの実施などを岸田首相に申し入れました。
【21年11月13日】公明党の山口代表は13日のテレビ番組で、GoToトラベル再開について、自民党が年内の再開を提案する場合でも、感染の収束や繁忙期を避ける等の理由から、来年2月頃の再開を要望する考えを示しました。
【21年7月12日】公明党の山口代表は12日の講演会で、昨年GoToキャンペーンの効果があったことは実証済みだとした上で、「新しいGoToキャンペーンを考えておく必要がある」と述べました。
【21年7月7日】公明党は2021政策パンフレットで、ワクチン接種が進み感染収束を前提として、大打撃を受けた観光・飲食産業を等を応援する「新・GoToキャンペーン」の実施を盛り込みました。(出典:公明党/PDF)
旅行関連業界がGoToトラベル再開を要望
【22年3月23日】全国知事会は、新たなGoToトラベルについて、高い割引率を設定し、飛行機の搭乗前の無料検査を実施するなど、さらなる感染対策の充実を求めました。
【21年11月30日】日本観光振興協会は、GoToトラベルの早期再開と継続的な支援などを記した要望書を岸田首相に提出しました。
【21年11月19日】全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部は19日、斎藤国交相に対し、GoToトラベルの早期再開や、GW後の割引率・補助上限額の見直しや、予算の拡充、GoToトラベルの継続的支援などの内容を盛り込んだ要望書を提出しました。
【21年11月11日】日本旅行業協会(JATA)は11日、来年1月以降に再開という報道を受け、「GoToトラベルは需要の平準化も含んでいるため、年末年始の需要を分散させるのも一つの目的。12月上旬は閑散期のため、早く再開を発表して欲しい。」と述べ、12月の年内再開を求めました。
【21年10月21日】経済同友会は政府に対し、GoToトラベル再開する際には、需要を平準化し、ワクチン・検査パッケージを適用条件にすることを求め、旅行予約に関する一連の手続きを完全デジタル化にし、観光産業のデジタル変革(DX)に繋げるべきだとしました。またインバウンド需要が見込めないことから、GoToトラベルを2022年6月まで実施するよう求めました。
【21年10月15日】観光業界団体(JTB会長・JR東日本会長など)が斎藤国土交通大臣に対して、GoToトラベル再開などを盛り込んだ要望書を手渡しました。要望書では、GoToトラベル再開を強く要望、県民割の隣県まで対象を拡大、ワクチン接種済みや陰性証明の方の隔離期間の撤廃などを要望しています。
新たなGoToトラベル事業は総額1兆3238億円も一部返納
【22年3月1日】未だ再開の目処がたっておらず、新たなGoToトラベル事業費の一部が、3月末で消化期限を迎えることから、国庫に返納される見通しです。
【21年11月26日】政府は今年度の補正予算に”新たなGoToトラベル”の予算として約2,685億円を計上しました。既存予算と合わせると、事業規模は約1兆3238億円です。再開後の委託費などを除いた旅行の支援額として、GW前までが7,327億円(うち、約4,600億円は21年3月までの予算)、GW後から夏休み前までが5,643億円を想定しています。
GoToトラベル公式サイトのお知らせ更新
【21年11月19日】GoToトラベル公式サイトが事業者向けに「お知らせ」を更新。新たなGoToトラベルの概要を発表しました。
【21年10月20日】GoToトラベル公式サイトが事業者向けに「お知らせ」を更新。「GoToトラべルについては、現時点において、 再開時期や事業内容等について何ら確定しておりません。政府において決定され次第、お知らせします。」と周知しました。
(お知らせ)10月放送のTBSテレビ「Nスタ」・「アッコにおまかせ!」等で、当サイト管理人が「GoToの達人」として紹介されました。また週刊プレイボーイ「GoTo再開を待たずに格安旅をするトク技BEST5」で紹介されました。