精選版 日本国語大辞典「成ない」の解説
なら【成】 ない
② (「なくては」「なければ」「ねば」など、打消の意の条件句を受けて) 不履行が許されない意を表わす。
(イ) 実行の義務・責任または必要がある。(…しないと)だめだ。
※洒落本・妓者呼子鳥(1777)一「十日迄に二十両ないとならねい事があるが」
(ロ) 論理上当然の帰結であることを表わす。…のはずだ。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)初「衣類(きもの)のつまが濡て居なけりゃアならねへはずだが」
③ (多く自発の意の動詞・助動詞および感情を表わす形容詞に「て」の付いたもの、また形容動詞の連用形に付いて) その心的・肉体的状態が、自ら押さえられないほどであることを表わす。…でがまんができない。…でしかたがない。むやみに…だ。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「夜がな夜一夜(よっぴてへ)騒々しくてならねへよ」
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