袖口から光線を発射する男nate trueがなにやら怪しげなDIYプロジェクトを発表しています。写真の"Lucid Dreaming Mask"は、夢と自覚しつつ醒めずに行動できる明晰夢の状態を意図的に作りだそうという装置。(モデルは元engadget / いまMAKEのPhillip Torrone氏)。

人間の睡眠にはいくつかの段階があり、体の動きなどから睡眠ステージを推測してすっきり起きられるタイミングで起こす目覚まし時計といったものも製品化されていますが、一般に売られている明晰夢装置はREM睡眠の状態になったら覚醒しない程度の刺激を与えて「これは夢だよ」信号を夢の中の被験者に送るというもの。




市販の明晰夢マシンは眼球運動を調べるセンサーなどややこしいものが多くて高価なところ、作者が辿り着いたアイデアは「眠りの段階は最初から気にせず、深 い眠り(夢を見ていない)なら覚醒しない程度の光刺激を一定間隔で送る」。というわけでLEDと電池とタイマー(PIC)をゴムで顔面に括り付けただけと いう限りなくお手軽なドリームマシンができました。

肝心の結果をリンク先の人体実験記からまとめると、
  • 1日目はLEDの光が強すぎて普通に起きてしまい寝不足になった。
  • 2日目は夢を見ている途中にだけ起きるようになった。
  • 3日目は偽覚醒(夢から醒めた夢)を何度も繰り返した。
  • 4日目は覚醒しているのか夢なのか分からなくならないように「夢かどうかテスト」(目が醒めたと思ったら足を使わずに窓から飛んで出ようとし てみる)を準備して就寝。本当に起きたりまた寝たりを何度か繰り返した後、気がついたら窓から空を飛ぶ夢を自覚しつつ見ることに成功。
と、なかなか面白いことになっています(現象そのものよりこれをやっている人がいることの方が面白い)。作者も認めるようにプラシーボ効果(覚醒夢 を見られると信じて眠る効果)の割合も大きいと思われるものの、自分でもぜひ試してみたいという物好きには明晰夢マシン組み立てキット$30、プログラム 済みPICのみ$10で配布中とのこと。睡眠障害の気味がない好奇心旺盛なかたは試してみるのも一興かもしれません。ただ作者の実験方法に問題があるとす れば、夢ではなく本当に空を飛べてしまった場合との区別ができないところでしょうか。

[via MAKE: Blog]