「フジが勝負をかけた昼の帯番組がスタートしました。でも、中心を担うはずだった女性を巡って、現場は困惑しているんです」
こう語るのは、4月4日にスタートしたフジテレビの昼の新情報番組「ポップUP!」の関係者である。
坂上忍の「バイキングMORE」に代わって始まった同番組。司会を佐野瑞樹(50)と山﨑夕貴(34)の局アナ二人が務め、曜日ごとに小泉孝太郎や田村淳、前田敦子や高岡早紀らが脇を固める布陣で始まった約3時間の生放送だ。
「司会が局アナ二人になったのは、経費削減に力を入れているから。『笑っていいとも!』の後継という難しい番組を8年間支えた功労者の坂上忍さんの番組を終わらせたのも、年間1億円ともいわれる高額ギャラにメスを入れる必要があったためです」(フジ関係者)
4日の放送では、上白石萌音が「本日のスター」コーナーにゲストとして生出演。用意された椅子に「重役の椅子みたい」と笑顔をみせるなど、終始和やかな雰囲気で終了した。
だが、本来そこにいるべきなのに、一切姿を見せなかった女性がいる。同番組の責任者として準備を進めていたチーフプロデューサー(CP)のAさんだ。
「Aさんは40代半ばで、過去、『めざましテレビ』や『とくダネ!』を手掛けるなど情報番組のプロデューサー経験が豊富。『制作費は少ないけど頑張りたい』と周囲に意欲を語り、編成部長のXさん、Aさん、男性プロデューサー、総合演出ら4、5人で熱心に打ち合わせを重ねていました」(同前)
ところが、2月頃から突然休養に入ってしまった。
「タレントのブッキングも担当していたAさんが急にいなくなったため、番組スタッフは芸能事務所から『一体どうしたの?』と言われて困っていた」(同前)
新番組スタート前にCPがいなくなる異常事態。おまけに会社側からは、現場のスタッフらに対しても何の説明もないという。
結局、その後男性プロデューサーが代わりにCPに昇格。Aさんは約2カ月が経った今も休んだままだ。局内では異例の事態にこんな話が駆け巡っている。
「編成部長のXさんとAさんは新番組を巡って度々意見が衝突していたらしい」
Xさんとはいかなる人物なのか。
「一時は子会社に出向していましたが返り咲き、昨夏キー局初の女性編成部長として話題になりました。今も“フジの天皇”として君臨する日枝久フジサンケイグループ代表のお気に入りで、昔は日枝氏が海外出張時にXさんにブランド物を買って帰ったとの“伝説”もある。昔から部下に『何回言ったら分かるの?』、『全然違う!』などと激しく詰めるタイプなので、『Xさんのパワハラでは』との声もあがりました」(フジテレビ社員)
真相は何なのか。フジテレビにAさんの休養やXさんのパワハラについて問うと、「(Aさんの休養は)個人情報ですので回答は控えさせていただきます。(パワハラは)全くの事実無根です」と広報部が書面で回答した上で、「社員を傷つけるような記事にすれば法的措置も検討する」と強い否定を繰り返すのだった。
異例のCP交代で船出した「ポップUP!」だが、今後、アップアップすることがないよう祈るばかりだ。
source : 週刊文春 2022年4月14日号