頭をかいて警察署から出てきた男。
駅の案内所に侵入した建造物侵入の現行犯で逮捕された、中村陽一容疑者(44)。
マスクの下から長いひげをのぞかせ、一度もカメラのほうを見ることなく車に乗り込んでいった。
事件は、5日午後11時ごろ。
横浜市営地下鉄ブルーラインの下永谷駅で起きた。
中村容疑者は、改札横の柵を取り外し案内所の窓をたたくなどして暴れ回ったという。
横浜市営地下鉄・磯貝康宏戸塚管区駅長「電車から降りてきた方と聞いている。(窓を)たたいている中で、(案内所の)中にいた駅員も外に出て、2人で対応したときに、隙を突いて(駅員が)柵を取り上げたが、(容疑者が)駅員の隙を突いて案内所に入ってしまった」
さらに、駅員の制止を振り切り案内所の中に侵入。
中にあった機械などをなぎ倒していったという。
犯行直後の案内所の中を捉えた写真には、床に書類などが散乱している様子が。
棚の上にあったという定期券を発行する機械やレジが転がり、足の踏み場もないほどに散らかってしまっている。
壊れた機械などの被害額は、およそ800万円にのぼるという。
磯貝康宏戸塚管区駅長「画面が割れていたり、線がちぎれていた物もありますね。IC乗車券をなくしたときに再発行するのが、この駅ではできなかった形ですね。ちょっと多めに(職員を)置いて、券売機でも発券できるように対応した」
現在は復旧しているが一時、窓口での定期券の発行や精算ができず、業務に支障が出た。
新年度となり、定期券を求める人が増える中で起きた、今回の事件。
中村容疑者は当時、酒に酔っていたということで、調べに対し「覚えていません」と容疑を否認している。
警察は、器物損壊の疑いでも捜査している。