東京式アクセントの特徴
①第1拍と第2拍では必ず高さが変わる
日本語は様々なアクセントがありますが、日本語を教えるときは東京式アクセントを使うことが多いです。
この東京式アクセントですが、1つ大きな特徴があります。
それは
第一拍と第二拍とでは必ず高さが変わる
ということです。
(*「拍」についてはこちらの「「拍」と「音節」の違いについて」をご覧ください)
「みどり(が)」を発音するとき、「み」が高くて、「 どり」が低くなります。アクセントとしては「高低低(低)」となります。
「はつおん(が)」というときは、「は」が低くて、「つおん」が高くなります。アクセントとしては「低高高高(高)」となります。
(*アクセントの低いところには下線を入れています。)
ちなみに、アクセントについて話すとき、名詞単独ではなく、「みどり(が)」などの助詞をつけて「語」と考えることが多いです。
ポイントは、「みどり」の「みど」のところは「高低」、「はつおん」の「はつ」は「低高」になっており、1拍目と2拍目で高さが違っているということです。
これは関西弁(京阪式アクセント)などでは異なります。関西弁は1拍目と2拍目が「高高」や「低低」などの組み合わせも可能になります。
②1語の中で音の高さが急に下がるのは1回だけ
東京式アクセントのもう1つの特徴は、1語の中で、音の高さが急に下がるのは1回だけということです。
高いアクセントの部分は1か所のみ(連続して「高高高」の場合も1か所とみなします)ともいわれます。つまり1回アクセントが低くなると、もう高くなりません。
例えば、「みどり(が)」の場合、「高低低(低)」でした。1拍目のあとにアクセントが下がりました。
「ひらがな(が)」の場合は「低高高低(低)」です。この場合も、「ひらがな」の「らが」の場所が高く、1回「な」で下がると、もう一度あがることはありません。
アクセントが「高低」となるのは1語の中で1回のみということです。
「ひらがな」を「「ひらがな(が)(高低低高(低))」と発音すると、「高低」ところが2か所でてきますが、このように発音すると、東京式アクセントではなくなってしまいます。
ちなみに、この音の高さが急に下がる直前の音のことを「アクセント核」といいます(「みどり(が)」の場合は「み」、「ひらがな(が)」の場合「が」がアクセント核です)
東京型アクセントの種類
なお、東京式アクセントは、音の高さが急にさがるところがあるかどうかで、大きく「平板型」と「起伏型」に分けられます。
平板型は音の高さが急に下がるところがないもの(アクセントが「高低」となるところがない)、起伏型はそれがあるもの(「高低」となるところがある)です。
また、起伏型は、どこにアクセント核があるかで、頭高型・尾高型・中高型の3つに分けられます。
平板型
平板型は、第1拍が低くて、それ以降はその後の助詞なども含めてすべて高いというものです。
平板型では、アクセントが急に下がることがありません。
つまり、一回上がったあと、
- にほんご(が) 低高高高(高)
- さくら(が) 低高高高(高)
この「にほんご」「さくら」は1拍目が低くて、その後は高くなっています。助詞がついた場合も同じです。
ちなみにアクセントの平板化が進んでいると言われています。これは以前は、以下に述べる起伏型だったものが、どんどん平板型に変わっていくというものです。
アクセントの平板化でよく例に出される例は、「としょかん」です。
「図書館」は、「としょかん」と「低高低低」のアクセントだったのですが、最近は「としょかん」と、平板型の「低高高高」で発音し、最初の「と」のみ低く発音する人も増えています。
起伏型
①頭高型(あたまだかがた)
頭高型というのは、第1拍が高く、そのあとの拍は低いことです。アクセント核が1拍目にあります。
- みどり(が) 高低低(低)
- みかん(が) 高低低(低)
- あめ(が) 高低(低)
②中高型(なかだかがた)
中高型は、第1拍は低く、その後高くなりますが、語が終わる前に低くなるものです。アクセント核が2拍目以降(最終拍の前まで)にあります。
- おかしが 低高低(低)
- のみものが 低高低低(低)
- ひらがな(が) 低高低低(低)
③尾高型(おだかがた)
これはアクセント核が最後の拍にあるものです。
この場合、単語のみを発音すると平板型と変わりません。ただ、単語の後に助詞をつけると、助詞の部分で下がります。
- いもうと(が) 低高高高(低)
- おとこ(が) 低高高(低)
まとめとアクセント辞典
東京式アクセントについて説明しました。
アクセントについてはアクセント辞典もあります。
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