ESG投資の「不都合な真実」か
EUの脱炭素政策に戻ろう。石油、石炭など化石産業は、政策と連動したESG投資から外され、競争力を奪われ、上流への投資(資源開発)を行えず、そうした一連の流れがガス価格の高騰を招いた。
政策によって投資によって、プーチンという存在を生んだことへの反省から、今、EUでは自滅的な脱炭素、反原発政策を見直す動きが活発で、マスメディアの報道もそちらに流れており、化石燃料、原発関連企業が見直されている。
軍需産業も同じで、日米欧の同産業の株は高騰し、ドイツは防衛予算がGDP比1.5%から2%になると発表、流れのなかで、軍需・防衛産業はESG投資銘柄となった。
結局、流行のESG投資は、ESGスコアなる、ある種の金融工学に幻惑された金融手法に過ぎないのではないか。
プーチン大統領のウクライナ侵攻という蛮行によって、金融界にとってはその「不都合な真実」が明らかになったというべきかも知れない。