(全然笑えるニュースではありません。)

ヤラセではなくプロモ」のウォークマン体験記や訴訟沙汰になった「ソニー映画だけ絶賛する架空の映画評論家」など、広告でないフリをして客を騙すのが大好きなソニーがまたやらかしました。今度は「若者に大人気」「ゲーム人口を拡大する」PSP。

事の発端はSomethingAwfulフォーラムの"Babylonian"氏が、YouTubeに素人ラップビデオとして投稿されていた「Cousin Pete Wants a PSP for Xmas Too!」(下にembed)をたまたま見かけたこと。

どう見ても30過ぎの男がPSP!PSP!を連呼しつつゲームや性能を絶賛、クリスマスにPSPを買ってくれと叫ぶひどい内容と不自然なコメントに不審を感じた氏がリンクを辿ってみたところ、開いたのは「素人の"チャーリー"がPSPを持っていない友人と従兄弟のため、親にPSPを買わせる方法を紹介する」と称するサイト"all i want for xmas is psp"。

"Read"先から眺めると分かりますがわざとらしい変則つづりを使ったり("to"は"2"、"your"は"ur"、"s"は"$"、"e"は"3"など)、すべて小文字にしたりと若者風を装ってはいるものの、スラングやネット方言の使い方があからさまにおかしく、例えていえば「子供にネット通なところをアピールしようと無理に2ch用語を連発する父親」状態。ネット口語表現を見慣れていると気恥ずかしさを通り越して気持ちが悪くなってきます。

しかも「チャーリー」が頑張って作ったということになっているコンテンツは「プリントして両親が読む雑誌に挟んで使おう!」という「これは広告ではありません」(上)やPSP用「249ドル札」など、サイトとちぐはぐな素人離れした出来。コメントももちろん「PSP最高!欲しい!」と絶賛するものばかり。

というわけでドメインalliwantforxmasisapsp.comをwhoisにかけてみると、登録者や連絡先として現れたのは"ZIPATONI"なる企業。わざわざリンクしませんが「コンシューマジェネレイテッド~」「私たちはプロのコンシューマー集団です」(?)といった広告屋用語が踊るいわゆる「口コミマーケティング」企業でした。


この顛末がフォーラムに報告されたため各メディアで一斉に報道され、ヤラセサイトのコメント欄は炎上という騒ぎになっています。(コメントを受け付けても大丈夫だと思っていたセンスがそもそも信じられませんが、途中までは「ソニーとの関連や企業の広告サイトであることを明記すべき」といったコメントは律儀に削除していたようです)。


いつもなら冗談で流したり、広報が足引っ張ってどうすると憤ったコメントを付けるところですが、今度ばかりはあまりにも辛いのでひと言だけ。「せめて誇り高く」。





まあ無理か。