ゲーム業界ニュースGameDaily BIZのインタビューにて、ソニー・コンピュータエンタテインメント アメリカのエグゼクティブVP兼Co-COOのジャック・トレットン氏がソニーの戦略そして他社との競争について語っておられます。
特に興味深いのはニンテンドーDSとPSPについて語った部分。ソニーが初代プレイステーションとプレイステーション2で新たな市場を開拓し圧倒的なシェアを築いたことを強調して、(公正を期すためかなり長めに引用します):
「PSPは据え置きゲーム機におけるプレイステーションそのもの。われわれは新たな道を切り開き、かつて携帯ゲームで遊ばなかった層、ゲームボーイの技術やソフトウェアに魅力を感じなかった20代のユーザを開拓した。」
「ニンテンドーDSが訴求しているのはゲームボーイと同じ層。発売から17カ月の普及率を見れば、DSはPSPの後塵を拝しているだけでなく他のプラットフォームにも負けている。任天堂はコアとなる客層を潜在的に失いつつあり、それ以外の層にもほとんど拡大できていない。
その一方で、PSPはまったく新しいユーザ層を開拓している。ソニーはかつてプレイステーションで実現したのとまったく同じことを実行する。今後は若年層にも浸透を進め、いずれわれわれ自身が初代プレイステーションで開拓した地球規模の巨大なオーディエンスに訴求するだろう。」
(注:変な人ではありません。ソニーのとてもえらい人です。)
Nintendogsや川島教授がいわゆる非ゲーマー層にも受け入れられ、ニンテンドーDSが社会現象的な売り上げを示している日本の感覚からすると何か悪いものでも食べたのではないかと不安になってしまう現状認識ですが、トレットン氏はPSPが日本や欧州ほど苦戦していないSCEアメリカのEVP。同氏の目から見ればゲーム人口の拡大を進めているのは任天堂ではなくソニーであり、PSPがいずれPS/PS2の累計1億台に迫る普及を果たすのは必然のようです。
PSP失速をCFOが認めるなど心細いニュースが多い昨今ではPSPファンとして非常に勇気づけられる言葉であり、世界最大の市場である北米部門の幹部がこのように発言しているからにはこちらこそ真実と思いたいところですが、念のためゲーム専門姉妹サイトJoystiqに米国ではどう聞こえるのか問い合わせてみました。
Joystiqのコメント:「Trettonは現実と向き合う必要がないのだろう」。「SCEAの広報は重役用にもう少しましな現実味のある話を用意してやるべき」。
この偏向サイトめ!姉妹サイトの縁(?)を切ってやる!