Mac miniを外付けSSDドライブ”Crucial SSD MX300 525GB”から起動するようにしてみました

POOHは、サブ機として、2014年版の”Mac mini“をオールドマックに収納して愛用しているのですが、1TBのハードディスクを内蔵しているモデルなので、正直言って、レスポンス速度はいまひとつ。

という悩みを解決してくれそうな定番ソリューションのひとつが、上部のドライブマウントにPCIe SSDを増設して、”Fusion Drive“にすること。そのために、

OWC Data Doubler 上段ベイ用 SSD HDD 増設補助キット Mac mini 2011/ 2012以降モデル用 DIYIMM11D2

Mac mini Late 2014用 PCIe SSD増設キット Ver.2“といった製品が販売されています。

ただ、この方法だと、Mac miniの内部にアクセスする必要があるので、時間と気持ちの余裕がある時じゃないと、なかなかできません。ま、いずれはトライしたいと思っていますが、いまいまはちょっと時間がなかったりします。

で、次善の策ですが、外付けでSSDドライブを増設して、システム周りを中心にSSD上に移行するといったソリューションです。これだと、”Fusion Drive”化はできませんが、macOSの起動やFinder周りの操作は高速化できるかも?

 

(1) 外付けケースとSSDを調達してみる

そんなことを考えていると、たまたまアマゾンのタイムセールで、メチャメチャお安い外付けのケースが目に止まったので、まずはこちらを購入。

Inateck 2.5インチ HDDケース USB 3.0接続 9.5mm 7mm 2.5″ SATA HDD SSDに対応、着脱は工具不要 FE2010

 

続いて、肝心なSSDの選定。(順番が逆なような気がしますけど…)

SSDは、各社山のように発売されているので、一体どれをチョイスすればベストなのか分からなかったので、ここは人気度の高そうな製品をいくつかピックアップして、ネット通販とヤフオクの両建てで、価格面でお手頃感のあるモノを探してみました。ちなみに、いくらSSDとは言っても、ストレージ・デバイスなので、中古はNG、新品のみにフォーカスしました。

で、悩んだ末、評判が良くて、価格的にもリーズナブルな”Crucial [Micron製] 内蔵SSD 2.5インチ MX300 525GB ( 3D TLC NAND /SATA 6Gbps /3年保証 )国内正規品 CT525MX300SSD1/JP“にしてみました。今回は、ネット通販よりちょっとだけお安かったヤフオクで落札しました。(ストレージものに関しては、ヤフオクでもアマゾンでも殆ど価格差はないと思います。勿論、新品という前提ですけどね。)

あ、そうそう、今回のように、外付けのストレージを起動ディスクにしたい場合、どのぐらいのディスク容量が必要になるのか気になりますよね。macOS周りとアプリを中心に起動ディスクを作るんだったら、128〜250GBタイプのSSDで十二分だと思います。(最小構成なら、60GBちょっとあれば起動はすると思います。)ただ、今後、書類やら写真ファイルなどを所定のフォルダに保存したいというニーズがある場合は、増加するであろうリソースの容量に応じたストレージの容量を想定する必要があります。POOHの場合は、Mac miniはあくまでもサブ機で、普段、ヘビーな用途で使っているわけじゃないので、多くても250GBぐらいで良いかなあ?と思ったのですが、万が一、SSD化して速度の向上が見込まれなかった場合、MacBook Proの外付けディスク化して、旅行中の写真ファイルを保存するのもアリかなあ、と思い、525GBモデルをチョイスしました。

 

(2) セットアップ作業は比較的簡単でした

(a) ハードウェアのセットアップ

ケースにSSDを装着する手順は、ケースを開けて、コネクタに接続するだけなので割愛します。

ケースにSSDを収めた後、SSDをmacOS上で使えるように、”ディスクユーティリティ”を使って初期化します。この際、注意すべきポイントは、方式として”GUIDパーティションマップ”を選択することです。詳しくは、アップルのサポートページ”外付けの Mac 起動ディスクを設定して使う方法“をご覧いただくとして、起動ディスクとして使うためには必ず設定しておくべき方式になります。

 

(b) クローン処理で起動用ディスクを作成してみます

今回の目的が、Mac miniの起動時間やファインダ上の操作を少しでも高速化したい、というところなので、SSDを起動ディスクにすればOKなわけです。ちなみに、メモリ容量は8GBのまま増設することができないモデルなので、ストレージの高速化だけが頼りです。

用意したSSDにmacOSをクリーンインストールしても良いのですが、こういった移行作業で、最も手間がかからない方法のひとつが、macOSやアプリ、書類などをごっそり丸ごと忠実にコピーする”クローン”と呼ばれる方式で、SSDを起動ディスク化するやり方です。

起動ディスクのクローンを作成する定番アプリと言えば、”Carbon Copy Cloner“です。このアプリは、本来、バックアップソフトなのですが、今回のようにディスク丸ごとバックアップして、起動ディスク化することができるので、こういった移行作業する際、必ずと言って良い程、登場するアプリです。しかも、30日間試用ができるので、起動ディスクを作成して終わりといった作業でしたら無料で使えます。

最初に、ソースとコピー先のエリアをクリックして、それぞれのデバイスを選択します。サイドバーやデスクトップから、ディスクのアイコンをドロップして、デバイスを設定することもできます。

コピー先の容量にゆとりがある場合は、丸ごとクローンを作成すれば良いのですが、コピー先の容量が小さめな場合は、クローンの対象とするフォルダやファイルを指定することもできます。

設定が終わったら、右下の”クローン”ボタンをクリック。後は、ひたすら待ちます。

使用しているmacOS環境やコピー先のデバイスなどによって、クローン処理の所要時間は異なりますが、2時間ほどで終わりました。

クローン処理が終わると、引き続き、”復旧用ボリューム”を作成するオプションが表示されますので、作成しておきます。

(3) 起動ディスクを変更してみます 

SSDで起動する準備が整ったので、早速、SSDを起動ディスクに設定したうえで、マックを再起動してみます。

が、しかし、途中まで起動プロセスが走るものの、その後、画面が真っ黒になってしまい、うんともすんともいわなくなってしまいました。

何度、トライしても、起動プロセスが完了しないので、クローン作戦は一旦諦めて、定石通り、SSDにmacOSをクリーンインストールする方法に作戦変更することにしました。

 

(4) SSDにmacOSをクリーンインストールしてみる

(a) MacBook ProでSSDにmacOSをクリーンインストールする

最初は、アップルのサポートページ”macOS を再インストールする方法“に掲載されているショートカットキーでインストールしようと試みたのですが、うまくいかず、仕方ないので、”App Store”アプリで”macOS Sierra”をダウンロードして、インストールを進めることにしました。ちなみに、クローン作戦の際、うまくいかない原因を切り分けできなかった経験を踏まえて、今回は、まず、MacBook ProにSSDを接続して、インストールを行い、ちゃんと起動できることを確認した後、Mac miniに接続、といった順番で作業を進めることにしました。そうすれば、少なくとも、今回買ったケースとSSDに問題はないことは確認できます。

はい、インストールは問題なく完了し、SSDでmacOSを起動できることを確認できました。

 

(b) Mac miniに接続したSSDを起動ディスクにしてみる

クローン作成の時には失敗してしまったSSDによる起動ディスク化を、Mac miniで再チャレンジし、無事にSSD上のmacOSで起動できました。

続いて、”移行アシスタント”を使って、Mac miniで使っていた環境に復元します。幸い、Mac miniは、Time Machineで常時バックアップを取っていたので、SSD上に環境の復元を行うのは至って簡単です。

はい、移行アシスタントによる作業も、問題なく完了しました。ま、ちょっと遠回りした感はありますが、当初の目的通り、SSDによるMac miniの起動と環境の移行が全て終わりました。

いずれにしても、SSDから起動すると、macOSの起動時間は勿論のこと、ファインダ周りの操作もサクサク実行できるようになりました。体感速度的に、十二分に実感できるほどに改善することができました。

 

(5) どれだけ早くなったのか測定してみます

体感速度だけじゃ投資した効果測定には不足なので、ちゃんとベンチマークソフトを使って、ビフォアーアフターの速度変化を評価してみます。

macOSで使えるベンチマークソフトは、

Geekbench 4“。本格的にテストしたければ是非使ってみたいけど、何せ有料アプリなので…

AmorphousDiskMark” Window版の”CrystalDiskMark“のmacOS版?で、お手軽感がいい感じ。下の結果は、iMacで実行した数値です。Fusion Driveなので、内蔵SSDの性能を測定しているようですね。

後、”Xbench“というアプリもあるのですが、こちらはかなり古いアプリなので…

今回は、メチャメチャ密度の濃いベンチマーク結果が欲しいわけじゃないので、”AmorphousDiskMark“を使わせてもらいました。

まずは、Mac miniに内蔵されているアップル純正のハードディスクの性能を測定しておきます。全体的に数値も低いですが、それを裏付けるように、性能測定を実行する際の所要時間もかなり長かったです。

続いて、SSDから起動した状態で、SSDの性能を測定してみます。体感速度の向上を裏付ける結果が出ました。途中、いろいろ面倒もありましたが、この結果を出せて良かったです。これだけの投資をする意義は十分あると思います。

 

(6) 高速にはなったけど頻繁にフリーズする現象は収まりません…

実は、クリーンインストール作戦でSSDを起動ディスクにした後、ファインダ周りの操作をしていると、いきなりフリーズしてしまうことが多発し、もしかすると、クローン作戦が失敗した原因と同じ事象なのでは?と思い、いくつか試行錯誤をしてみました。

 

最初は、USBハブにSSDのケースを接続すると悪影響があるのかな?と思い、Mac miniのUSBポートに直に接続し直してみたのですが、より高速になった感じはあるものの、フリーズする現象は収まりません。

となると、”Inateck 2.5インチ HDDケース USB 3.0接続 9.5mm 7mm 2.5″ SATA HDD SSDに対応、着脱は工具不要 FE2010“に原因があるのかも?ということで、アマゾンの評価で最も安定感がありそうな”Transcend StoreJet 25S3 USB3.0 アルミニウム製SSD/HDDケースTS0GSJ25S3“に入れ替えてみることにしました。ちなみに、こちらの商品のレビューには、Inateckのケースだとフリーズする、というコメントがあったので、やはりケースの相性なのかなあ?と思いつつ、購入してみた次第です。

 

(7) 改めてセットアップし直してみる

SSDのケースを変更した後、改めて、クローン作戦を再実行してみました。今回は、念のため、Mac miniのUSBポートにSSDを直接接続した状態で、セットアップから動作確認までを進めてみることにしました。

(a) 新しいケースにSSDを実装し直す

新しく購入した”Transcend StoreJet 25S3“のパッケージには、ケース本体とUSB 3.0のケーブルが同封されています。

このケースは、内部にアクセスするために、ネジを開け閉めしなくてはなりません。んんん、ちょっと面倒だなあ。

ちなみに、こちら側のネジではなくて、上の写真に写っているサイドのネジを開け閉めします。

こんな感じで、ケースにSSDを装填します。

 

(b) クローン作成を再実行してみる

上記(2)-(a)、(2)-(b)、および(3)で説明した通りの手順で、再びクローンを作成し直してみました。

で、結果は良好。macOSの起動は勿論のこと、ファインダ周りの操作でフリーズすることもなく、快適に使えるようになりました。USB 3.0ハブを介して、Mac miniに接続していますが、支障なく、正常に稼働してくれています。

これまでに体験した不具合の原因は、SSDを装填した”Inateck 2.5インチ HDDケース USB 3.0接続 9.5mm 7mm 2.5″ SATA HDD SSDに対応、着脱は工具不要 FE2010“に、何らかの問題があったみたいですね。ま、もしかすると、相性の問題かもね。

 

(c) どれだけ早くなったのか再度計測してみました

AmorphousDiskMark“で、ベンチマークテストを実行してみました。前回測定したスコアよりは遅い結果になりましたが、それでも内蔵ディスクと比べれば、格段の違いなので、これはこれで良しとしましょう。何より、安定して動いてくれる方がいいですしね。

 

(8) SSDのTRIMを有効にすべきなの?

ネットの情報によると、SSDのTRIMと呼ばれている機能をオフにしたままだと、SSDの性能が次第に劣化するということらしいです。

最もお手軽な方法は、”Trim Enabler“という有料アプリをインストールすることらしいです。

ただ、macOSの”trimforce”というコマンドを投入すれば、SSDのTRIMを有効にできるそうなので、今回は、お金をかけずに、コマンド投入で対応することにしました。

やり方は簡単で、”ターミナル”で”sudo trimforce enable“と入力するだけです。

でも、アップルが運営しているコミュニティのディスカッション”about enable trim on macOS sierra“を見ると、不具合があったり、最新のSSDでは独自にガーベージコレクション機能があるので不要だったり、といったコメントが掲載されているので、ちょっと様子見が必要かも?ということで、当面はTRIMに関しては静観しておくことにしました。加えて、macOS Sierraの”システム情報”アプリでは、ネット上の各サイトで解説しているような”TRIM”項目は表示されていないので、はやり、早急なコマンド投入はリスクがありそうな感じがします。

ま、徐々にレスポンスが遅くなってくるようなら、再考かなあ?

 

(9) で、今回も1点、返品しました…

恐らく、ハードウェア的な相性の問題だと思うので、厳密に言えば、不良品っていうわけではないのですが、残しておいても使い道がないので、”Inateck 2.5インチ HDDケース USB 3.0接続 9.5mm 7mm 2.5″ SATA HDD SSDに対応、着脱は工具不要 FE2010“は返品することにしました。あれ、元箱が見つからないけど、大丈夫かなあ?

 

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ホームページ”THE POOH FILES”にも是非お立ち寄り下さい。

tomohiko

長年に渡りMacintosh向けの自作アプリを作り続けているPOOHです。最近はiPhone,iPad向けアプリ開発にも挑戦中。グルメ、旅行、露天風呂、写真、サイクリング、映画、STAR TREKが大好き。レトロでSFなおもちゃを大量にコレクション。プレーリードッグと同居中。

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