ソニーの2007年度業績説明会 質疑応答セッションより、おもにゲーム部門に対する応答をピックアップ。
ゲーム部門について。プレイステーション3の今年度出荷目標を1000万台としているが、この数字の意義を教えていただきたい。任天堂はWiiの出荷台数を2500万台と見込んでおり、今期末の累計台数差は単純に2000万台近くなる。Homeなりというサービスを投入しても逆転は難しいのではないか。1000万台とはシェア的にトップを放棄するという意思表示ではないか。
大根田CFO: 「Wiiに対して、ヘッドトゥヘッドでコンピートする戦略はとっており ません」。ゲームの世界で勝負するのは変わらないが、PS3は高性能なセルプロセッサといった部分を活用し、たとえば「リアルタイムでオンラインをエンジョイするカスタマー」を対象としている。数でWiiを追いかけようとはしていない。
PS3の本社的位置づけについて。今期のプレイステーション3の戦略について説明を聞いたが、「PS3本格始動」がキャッチフレーズだという。すで に実売で300万台差をつけられている状態で「本格始動」とは、これまではアイドリングだったのか?本社としてPS3はどのような位置づけなのか。ゲーム 機なのかマルチメディア端末なのか、本社として支援策はないのか。
大根田CFO:基本的にPS3はゲーム機と位置づけている。オンラインネットワークでほかのサービスをおこなうとしても、あくまでゲームが 中心。本社の支援については、ソニーは基本的にコンソリ(連結)の会社であって、「赤字だから切るだとかそういうことをいっているわけではありません」。 たとえば映画部門のBDといったシナジーもある。ここ2年ほどは大きな赤字がでたが、今後は(ソニーグループ全体への貢献も)期待してサポートする。
半導体事業の収益について。東芝に設備を売ったあとの見通し。
大根田CFO:基本的にはマーケットプライスで東芝から仕入れることになる。「マーケットプライスなるものがどこにあるのかという議論はあります けれども」。数が落ちればソニー的には有利、増えれば東芝さんに利益がゆくという形にはなる。今期(08年度)は半導体事業全体で減収減益とみているが、 理由はPS3の半導体を07年に前倒ししているから。
ゲームについて。在庫の評価減はどうだったか。2008年度の損益改善についてどうみているのか。
大根田CFO: 4Qの戻しは280億円。07年度末の在庫は600億円ほど。また、プレイステーション3の逆ザヤ(売価超過)は2008年度末でも完全には解消しないだろう。そのため、期末に若干評価減がでるとみている。今期末残高に比べれば減る。
ゲームについて。プレイステーション3は1000万台を見込んでいるが、これでビジネスモデルとしての正常化には確信を持っているのか。
大根田CFO:このまま1000万台でフラットになるとは思っていない。PS3のライフサイクル全体として、現在はネットワークサービスなどへの投資を重視している。今後(コスト的に)実力が付けばもっと打ちだしてゆくこともある。プライスについてはPS / PS2に比べれば弱いため、現時点でアグレッシブに(値下げする)必要はないと考えている。「具体的には、いつものようにちょっといえませんので(笑い)、ご勘弁願いたい」。
(トリはやっぱりこの人、ゴールドマン・サックス藤森氏) ゲームと液晶について。上下期あるいは四半期で、収益改善のイメージを教えてほしい。
大根田CFO:(上下・四半期ごとは公開していないためはっきりいえないが) PS3については、08年度にRSX (GPU)が65nmになり、コストダウンが進むと考えている。これが大きい。ただ、逆ザヤの解消は来期(2009年)になるだろう。
(毎度おなじみ、終了後やや遅れて切れるマイクが拾ったのはCFOの「ふっはっはっはっは。いやいやいや(笑)」。文脈不明)。いやいやいや(笑)。