2月、PC事業売却を決断したソニーですが、投資ファンドの出資の受けVAIOブランドはVAIO株式会社としてスタートを切ります。既報の通り、ソニーは2014年春モデルのVAIOをもってPC事業から撤退するものの、アフターサービスは継続する計画です。
VAIOブランドの新会社は、これ以上ないぐらい直球な「VAIO株式会社」に決まりました。社長にはソニーのVAIO&Mobile事業本部の経営企画部門の関取高行氏が就き、これまでVAIO事業を担当していた赤羽良介氏も新会社に移ります。
資本金は10億円で、資本比率は日本産業パートナーズの投資ファンドが95%、ソニー5%。開発製造拠点はこれまで通り、長野県安曇野市の「VAIOの里」、ソニーイーエムシーエスの長野テクノロジーサイトに置かれます。従業員数は240名。当初、250〜300名規模で操業する計画だったので、転籍や早期退職者が想定よりも若干多かったのかもしれません。
ちなみに今回発表のあった内容は、ほぼ2月の発表通りの内容となっています。2013年度の決算説明会において立ち上げ初期はソニーから5%出資するとしており、資本比率も計画通りです。
ソニーの平井社長は、VAIOブランドの売却について、PC事業の縮小とタブレット市場の拡大を理由に挙げているほか、市場の縮小による競争激化も要因としています。決算説明会では、研究開発費用について「願わくば、自由闊達になんでもどうぞ、と言いたいところだが、いまはそんな時代ではないので」と語っており、ソニーにとってターニングポイントであることをうかがわせました。
このほかソニーは、5月1日に2013年度の業績見通しを修正。PC事業売却後の販売見込みが2月の予想を下回ったとして、300億円の追加費用を計上。海外ディスク製造事業の約250億円の減損などをかんがみて、2013年度の純利益(連結)を当初の1100億円の赤字から、1300億円の赤字としています。ただし、ソニーでは今回の追加費用は前倒しであるため、2014年度にかかる費用は減少すると案内しています。