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埼玉県小川町メガソーラー計画と怪しい事業者

埼玉県の小川町メガソーラーで揉め事が起きてるってニュース記事を見ました。

ざっくりいうと「太陽光発電所を作るって計画に地元の人たちが怒ってる」というのが記事の内容です。

すごい量の盛り土(残土)を入れるって計画内容もあって、行政からもストップが掛かったみたい。

この会社も調べてみると、かなり怪しかったので、そちらもリポートします。

 

埼玉県小川町メガソーラー計画の事業者は?

小川町にメガソーラーを作ろうとしている事業者は、「小川エナジー合同会社」です。

会社概要

小川エナジー合同会社 企業サイトはこちら

会社名 小川エナジー合同会社
代表者 株式会社サンシャインエナジー
職務執行者 加藤 隆洋
所在地 埼玉県大里郡寄居町赤浜2078-1

*企業サイトより引用

これを見て、気になったのは「代表者(職務執行者)の会社が違う」ってところです

さて、どんな雰囲気の会社なのかストリートビューで確認!

小川エナジー合同会社の外観

そんなとこにベンツさん

なんかバイクが放置されてたり、手前の物置っぽいところも中がグチャグチャの様子。

んー大丈夫?っていうのが私の第一印象です。

ただ世の中には、職場がボロくても凄腕の職人さん抱えてたりいますし、外からの印象だけじゃ分かりませんよね。

ということで、代表者の「株式会社サンシャインエナジー」を調べてみます。事業者を調べる方法は、「国税庁の法人番号公表サイト」です。

株式会社 サンシャインエナジー

最新情報
法人番号 5011301018601
商号又は名称 株式会社サンシャインエナジー
商号又は名称(フリガナ サンシャインエナジー
本店又は主たる事務所の所在地 埼玉県深谷市本田6422番地
変更履歴情報
No.1 事由発生年月日:平成29年2月1日

変更の事由:吸収合併
平成29年2月1日埼玉県深谷市本田6422番地株式会社ティー・トゥエンティートゥー(7030001087812)を合併

No.2 法人番号指定年月日:平成27年10月5日

ん-、ぱっと見ても、ちょっとあやしいとこがw

【株式会社 サンシャインエナジー】

所在地は「埼玉県深谷市」

会社は、かなり開けた場所でよさげな雰囲気

え?

これ、気がつきました?

ホラーじゃないですが、この場所ってどこかで見覚えありませんか?

 

では、次に別会社「小川エナジー合同会社」の外観(↓)を見てください。

そう、この 2 つの会社

小川エナジー合同会社
埼玉県大里郡寄居町赤浜2078-1

株式会社サンシャインエナジー
埼玉県深谷市本田6422番

住所はまったく違うのですが、土地は隣り合って繋がっています。

ちょうど住所の境目っていうのは珍しいですが、「会社の住所が同じだった」とかは、太陽光の関連業者ではよくあることです。

これは経営規模の小さいソーラー関連の業者がやっている「事業スキーム」です

その証拠に、この 2 つの住所で登録されている会社が、いくつあるかを調べると…

全部で「14 社」あります。(閉鎖等含め)

 

みなさんは、こうして同じ住所に乱立している会社を信頼しますか?

わたしだったら、経営規模の小さな会社がたくさん会社を立ち上げてたら、その事業にまっすぐ向き合う姿勢を感じないので、信頼度はゼロです。

では、どうして「いくつも会社を作るのか?」を次で解説していきます。

もし地域のソーラー計画に関わる「事業者を調べたい!」ってときは、この「国税庁の法人番号公表サイト」はかなり便利です。日本全国の会社を検索できますし、いつ社名や所在地を変えたとかも分かります。

国税庁の法人番号公表サイト 公式サイトはこちら

 

 

どうして、いくつも会社を作るの?

ソーラー発電っていうのは、売電権(FIT、FIP)っていう「作った電気を電力会社に売れる権利(固定された料金で買取りしてくれる制度)」があるため、事業者にとっては、この先、数十年もお金が降ってくる商売です。

そのため「売電権 と 土地」を管理するための会社(例えば、埼玉用、栃木用など)を作るんです。

そのほか、ソーラー事業の工事に使えそうな建設系なども作ったりします。

売電権と土地を手に入れたあと、資金調達ができれば「自分たちで発電所を作ろう」っとなりますが、ムリなら「大きな企業に会社(事業ごと)転売する」って傾向があります。

また法人登録は紙なわけで、これまで 1 回も太陽光の仕事をしたことがないって会社であってもおかしくありません。

もちろん、登録することは犯罪ではないですし、こういうやり方を知っている一般人が少ないため「そんなに会社を作って、あなた達はなにがしたいの?」とツッコまれることも少ないです。

まぁポンポン会社を作っちゃうって「かなりの面倒くさがり屋さん」なんでしょう

 

問題(例
埼玉県に究極の面倒くさがり屋さんたちが働く会社がありました。彼らはメガソーラー発電所を作ろうと計画中。でも周りの住民たちは不安な気持ちでいっぱいです。このまま彼らに計画を任せていいですか 

答え(例
環境を守るためには、お手入れを続けないといけない。でも、そんなことをすると彼らのお金(儲け)は減っちゃいます。面倒くさがり屋の彼らには絶対に任せたくない仕事です。お金にならなかったら、そのまま放置して逃げればいいんですから

 

社名が変わった事業者

この件で、もうひとつ気になったのは、2021 年 1 月 15 日に「エトリオン・エネルギー3 合同会社」から「小川エナジー合同会社」に社名を変更していたこと。

小川エナジーの企業サイトには、具体的にどの会社が出資したとかの情報はありませんでしたが、エトリオン(自然エネルギーの外資系)が 持分 1 % を保有していたと公式サイトで発表しています。(下) 

この説明だと、2018 年 12 月 20 日以来、持分 1 %保有してたが、あとのことは全部知らないよ!ってこと。 

 

この説明を法人資料で確認していくと「エトリオン・エネルギー3 合同会社」の会社成立は、2014 年 12 月 17 日。

所在地は
東京都港区六本木1丁目9番10号
アークヒルズ 仙石山森タワー 28F ベーカー&マッケンジー法律事務所内

そこから約 4 年、2018 年 12 月 20 日まで、業務執行社員は「エトリオン・ジャパン 株式会社」

なので、設立したのは「エトリオン・ジャパン」で、おそらく持分は 100 %だったのだと思います。

しかし、2018 年 12 月 20 日に、持分 99 %を今の事業者たち(サンシャインエナジーやエヌアールエス)に売ったというのが、この説明から想像できる流れかな…

これ、どういう理由と経緯があったのか分かりませんが、海外市場で上場してるようなエトリオンが、どうして、よく中身の分からない会社に持分を売ったのでしょう?ここはへんな流れだし、説明をしてほしいけど、ベーカー&マッケンジー法律事務所って後ろ盾は怖いですねw

 

メガソーラーがトラブルになる原因

太陽光発電がトラブルになる原因は「事業者」だけではありません。ポイントになる点がいくつかあるので、 5 つ紹介します。

・おかしな制度を作る政治家
・企業チェックできない省庁
・人や環境よりお金の事業者
・本質を伝えないメディア

・なんの知識もない一般人

再生エネルギー事業は、必要な事業だとは思いますし、挙げたポイントのどれかひとつでも良いところがあるはずなんですが、全部が悪いって奇跡です。

太陽光のプロジェクトは、大きな会社でも、環境と地域に向き合う姿勢があるのか?は分かりません。

たとえば、福島県西郷村のあるソーラー事業では、住民たちが土地を安く買い叩かれたことも、そのあと事業者が何をしたのかも知りません。

現在、その発電所( NOBSP 合同会社 )は「上海電力(中国の国有企業)」が運営しています

 

もともと、あのあたりの売電権(FIT)と土地をまとめた「東北復興再生エネルギー 株式会社」(東京都台東区)の代表者 山本 浩司 氏は、これを売って約 3 億円を手にしています。そして 2018 年に国税庁が、そのお金を 山本 氏が脱税したとして、東京地検に告発

まぁ、これもよくあることです。

ソース記事

太陽光発電の売電権を譲渡して得た所得を申告せず、約4300万円を脱税したとして、東京国税局が発電事業会社「東北復興再生エネルギー」(東京都台東区)と山本浩司社長(52)を法人税法違反の疑いで東京地検に告発したことが13日、関係者への取材で分かった。

関係者によると、同社は国の「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)」に基づき、福島県西郷村で太陽光発電所を設置する認可を受け、発電した電気を電力会社に買い取ってもらえる権利を保有していた。2016年に権利を別の業者に約3億円で売却したが、17年2月期の申告をせず、約1億7600万円の所得を隠した疑いがある。

隠した金は山本社長が経営に関わる別の会社の事業資金に充てたとみられる。

山本社長は取材に「(税務調査を受けた後に)申告ならびに納税手続きをした」と回答した。

*2018年11月13日・日本経済新聞

このときも手法は同じで「福島県 西白河郡 西郷村 字道南東10」に複数の関連会社(NOBSP合同会社を含む)を立ち上げていました。

実は、彼らが周辺の土地を買い漁っていたとき、わたしの祖父の土地(西郷村)がほしいとチンピラみたいな恰好をした人が出てきたこともありました。名刺は台東区の会社のもので、親族は、その土地が中途半端な場所だったのと、相続問題をクリアにしたかったため、よく考えずに 15 万円 / 3 人分で売却したようです。

FIT(売電権)と土地をまとめた事業者に、どういう人が関わっていたか?

おそらく上海電力は「なにも知らなかった」という立場ですが、これから買収するって相手を調べないって企業のスタンスはどうなんでしょうね。

もちろん外資だけでなく、日本企業さえ、関連業者のチェックしてない可能性の方が高いです。

わたしは、こういった事業者をチェックするって機能が働いてないこともあって、日本のソーラー計画に関わる事業者 / 経産省(認可) / 電力会社など、全体に悪いイメージをもっています。

すでに太陽光の関連業者200社で70億円以上の申告漏れ、地域住民とのトラブルも続出しており、FIT 制度は見直しがされています。しかし、すでに厳しくチェックせずに売電権を与えてしまったので、トラブルを起こす事業者は多いでしょう。

地元の人にはあまりメリットがなく、脱税する傾向のある人たちに、大金が転がり込むって状況です

 

トラブルに巻き込まれない

わたしは良い人間ではないので正直にいうと、どんなビジネス事業であれ、利益を追う人から見れば、田舎に住んでる人(特に年配の方)は、知識が少ないのでカモです。

例えば、あなたの土地で太陽光発電を作りたいっていう人は、あなたに払うお金の 10 倍~ 100 倍以上のお金を手に入れられると考えています。

その土地に利用価値があるから買いたいわけです。

たとえ、営業マンがいい人そうに見えて、クリーンエネルギー、地球にやさしくて、環境に良いビジネスで、これが夢ですとか。そういうのは、全部お飾りの営業トークです。

ソーラー発電の場合、まわりの環境を壊され、30年後にゴミのパネルが残るって可能性もありますし、最初の計画にはなかった残土や産廃ゴミを捨てていたとか…

そうならないためには、事業者たちが撤退や倒産をしても、環境の整備、解体するための供託金制度を作っておくなど、メガソーラーを作る前に、事業者、住民、自治体、みんなで枠組み(地域ルール)を作る必要があります。

鬼怒川の温泉旅館を壊すため(解体)の費用どうしよう?って騒いでますが、これとまったく同じことです。

建物や工作物も必ず朽ちてゴミになります。

都会なら、そのまま売ったり、建て替えて売却することもできます。

でも、ゴミ山は売れません。

地形は無理でも、ゴミだけは片付けようって「後始末のルール」です。

 

まとめ

おかしな計画を立てている事業者と戦うなら、弁護士や環境の専門家がいたほうがいいでしょう。ただそんなお金を出せないことがほとんどだし、無料で引き受ける「正義の味方がいた」なんて素敵なストーリーはありませんよね。

こういう相手(ネガティブなもの)と戦うのは、すごくパワーのいることです。

だから「住民で協力し合える関係を作ること」が一番大切です

ちゃんとしてない会社だと、調べるとおかしなところがポロポロでてきます。そうしたら、役場、町長などに「住民たちは不安で、みんな怒ってる!」って雰囲気で尋ねましょう。

ほかにも若い人に頼んで SNS で拡散したり、地域の新聞への取材依頼。ここらへんで大手メディアが取り上げると、目立つの大好き政治家(市長や知事クラス)も寄ってきます。

味方が増えれば、見る目が増えます。

その広い目で事業者やプロジェクトを見たりすると、企業の体質やプロジェクトの本質は見やすくなるでしょう。

 

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