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Conversation

書店さんにとって「立ち読み」は本来してほしくないことなのは理解します。 反面、書店の店頭でタイトルを見て興味を持った本の「中身を確認する」ために手にとって数ページ読むことは、普通やるんじゃなかろうか。 それすら許されない本屋なら僕はもう行けません。
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とくに、初めて訪問する書店さんは、棚揃えが気になるので(他人の本棚を見る感覚と近いかもしれない)、背表紙を見ながら、気になる本は手に取る。中を見る。棚揃えにお店の個性が出るからおもしろい。 当たり前だけど、書店の本は買うまではお店のものだから僕はそうとう丁寧に扱っているつもりです。
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そして「この本おもしろいな!」と思った本ほど、数ページ読んでしまうことはある。 「この本は買おう」と心に決めたとして、小規模書店なら、僕は持ち歩くのではなく最後にまとめて棚から持っていくことにしていったん棚に戻します。万引き警戒の観点からもそのほうがいいんじゃないかと思うので。
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たぶん、10冊強ぐらい手にとって、その中で4冊ぐらい「今日はこれ買ってこ」と思いつつ、さらに棚を進んでいたところで、 「立ち読みですか」 と店主から声をかけられた。 「あ、すみません😅」と反応したら、 「立ち読みをする人の80%は何も買わないで出ていくんですよね」 と言われてしまった。
Replying to
前述のとおり、立ち読みは本来書店にとって望ましいことではないのはわかるので、咎められるとこまでは理解する。 しかし、そんなふうに言われたらさすがにカチンと来てしまう。 「僕、中身を見ずに本を買うことってほぼないんですけど」と返すと 「私もそうです」と店主。 え??
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それはさすがに 「その違いって何なんですか?」 と僕は店主に聞いて良いと思うのだ。 誓って言うけど、僕は本の扱いはそうとう丁寧だと思う。開きすぎないこと、雑に扱わないことを心がけてます。 でも、自分が気づいていないだけで、店主の癇に障るような行いをしている可能性もあるのだし。
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すると店主が「その聞き方、怖いです」と。 えええ?? 正直、戸惑いしかない。なんだこのやりとり。 しかも、閉店時間でもないのに「今日はもうお店を閉めないといけないので」と言う(個人商店的なお店なのでそういう日もあるかと僕は信じたのだけど、それも嘘でした…)。
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いきなり「立ち読みする人の80%は買わない」も相当だけど、その後の返しも意味不明で、正直そうとう感じ悪い。 でも、ここで買わずに帰ったらまさにその通りになってしまうし、何より「本に罪は無い」のだ。本は出会いだし、さっき「買おう」と決めた本だけ買って帰ろう、とレジに持って行ったら、
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「そんな、いいです、いいです」と両手を振って断られた。 はあ????? 何それ?? つまり、「立ち読み客の80%は買わない」なんて言われたから、僕が無理して買おうとしてるんだ、と、この店主は思ったということか。 「何ですか、それ!」 と言うよね。ここは普通。
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「え? ちょっと、何ですかそれ!」 と僕が言うと、 「それも怖いです。本当、怖いです」と言いながら、 店主は外に出て行った。 は?????? なんだこれ????
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一人、店内に残されて、 「え?何これ?何が起こってるの?」と困惑しまくり。そりゃそうだ。 しばらくすると、 店主が隣のお店の主人を連れて戻ってきた。 何これ。俺がすごく怖くて危ない客だと認定されてるってこと?? なんで? 何が起こってるの?
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結論から言うと、 いきさつを聞いた隣店の主人が店主に、 「それはあんたが悪い。このお客さんに謝りな」 と言ってくれて、店主も「すみませんでした」と。 隣店の主人、「話を聞いたら、このお客さんは本好きじゃん。むしろ店主の選書とセンスが合うってことじゃん」とまで言ってくれて、正しい。
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それでも、その書店で4冊5000円分も本を買ってしまったよワシは。 だって、本に罪はないから。本は出会いだから。「買おう」と思ったその日が買い時なのだから。 でも、やっぱりグルグルしている。あの店主を僕はとても応援できない。だとしたら、やはりあの店で買うべきではなかったのではないか。
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ただ、品揃えはおもしろいと思った。こういうおもしろい本屋さんにはがんばってほしいなあ、と思いながら棚を見ていた。それは事実。 (その時はその後にあんなこと言われるとは思わなかったけど) まあ、僕にとっては、「人より本が勝った」ということなんだろう。今回は。本好きだからしょうがない。
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論点が変わっちゃうんだけど、 店主は女性で、ちょっと前に、怖い男性客に遭遇したらしい。 その男は「買えばいいんだろ!」と本をカウンターにバン!と叩きつけられたと。 それは同情します。それはその男が悪い。 (その男にも「立ち読みだけで80%は買わない」と言ったのかどうかは聞いてない)
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「怖い」というのも、 「それはあなたが男性だからです。女性なら怖いとは思わなかった」 と言われてしまい。 過去のつらい経験には同情します。 「でもそんな男性全般を怖いと認識しないで」と言うと、まるで性被害経験者がよく言われるセリフと同じになってしまうから、それは言えないと思いつつ。
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じゃあ俺はどうすれば良かったの? と、ものすごくグルグル回ってる。 「男」であることが、「加害性を持った側」と認識されてしまうことは理解する。「男」の複数が、その人の過去において加害性を発揮したのだ。僕自身がそうでなくても「男チーム」である以上、それには向き合わなければならない。
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これは、多少フェミニズムを齧った程度の僕には今のところ解決が見えないことで、ずっと苦しんでる。 話は逸れるけど、以前、 「妊娠・出産は命に関わるほど大変なのに、『子どもが欲しい』って言う男はDV加害者だ」 っていう声を聞いたときに感じた困惑に似ている。 (話逸れてますね)
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というわけで、 「本好き」テーマと「男性の加害性」テーマの二つでグルグル回った日でした。 そのあと、近所の別の書店に寄って8000円分ほど本を買って帰りました。ストレスを本を買うことで発散する本好きあるある。 (その書店も久方ぶりだったので棚をくまなく物色😅 そこの店主は何も言わない)
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1日経ってみて、追記。 今回のことで僕がいちばん、「憤り」と「悲しみ」を感じているのは、やはり、本を物色している客に対して「どうせ立ち読みだけで何も買わないんだろ」という意味の暴言を書店の店主が投げたことです。いきなり。 書店を営む者が、それでいいのか?というわだかまり。
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リアル書店にとって、立ち読みだけで買わない客は困りもの。わかる。 でも、本好きであればあるほど、店頭でたまたま目についた本に惹かれて手に取り、中身をちょっと読んでみて、おもしろそうだから買うことは多々あるはず。 店に入るまではそんな本、知りもしなかったのに。そんなことは多々ある。
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つまり、リアル書店というのは、ある種「信じる心」で成り立っているのだと思うのだ。書店と客の無言の信頼関係。 書店は、立ち読みだけして何も買わない客もいるかもしれないけど、買う客も必ずいるはずと「信じて」店を開けている。 そうじゃなかったら、本屋なんてやってられないでしょう。
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そして、客側もそれに甘えることなく、本来は立ち読みは歓迎されないことなんだけど、店側が客を「信じて」黙認してくれていることを「信じて」、本を手に取るのだ。 だから、毎回必ずとは言わないまでも、おもしろい本が見つかったときは、「その店で」買うようにしないといけない。
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そうしないと、その書店が存続しないのだから。 ただ、買いたい本がないのに無理に買う必要はなく。義務になっちゃうのは違う。「信頼関係」なんだから。 立ち読みだけで店を出る日だってあると思う。そういうときは心で「申し訳ない」と思って、 買いたい本があった日は「その店で」買えばいい。
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書店はもちろん、書店に立ち寄る客も、基本は「本好き」のはず。 このご時世に、あえて本を売ることを選んだ書店。 このご時世に、時間に余裕があるときにスマホゲームでなくあえて書店に立ち寄ることを選んだ客。 そこに「同志」としての信頼があるから、リアル書店は存続していけるのではないのか。
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だから、僕は、今回の店主の「立ち読みする人の80%は何も買わずに帰る」発言は、とにかく、 悲しかった のだ。最初は、困惑と憤りが大きかったけれど、思い返すと、いちばんは「悲しみ」。 「この店主は客を信じていないのに書店をやっているのだ」という、本好きとしての悲しみ。
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この問題、「女」にとっての「男」の加害性、という面もたまたま絡んでいるのだが、でも、この店主が過去に 「男性から怖い思いをさせられた」ことと、 一見の客にいきなり 「立ち読みをする人の80%は何も買わない」と 暴言を吐くこととは、何の関係もない。 そこは、間違えちゃいけないところ。
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むしろ、「過去に怖い思いをさせられた」「男性」に、 いきなりそんな不快にさせるような暴言を吐けるのが不思議なぐらい。 トラウマが激し過ぎて正常な判断ができないとかいろいろあるかもしれないけど、 店主が一見の客に暴言を吐くこととそれは本来何の関係もない。
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僕が、心中ですでに買う本を決めつつ、他の本を物色していたのかどうかなんて、店主にわかるわけがない。 でも逆に、買うつもりが初めから無くただ本の中身を眺めているだけかどうかも店主にわかるわけがない。 その状況下で、「どうせオマエは立ち読みだけで買わない」といきなりの暴言。
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あの店主は、その己の暴言の「加害性」に向き合うべきだと思う。 そんなことを言われたら言われた側は不愉快なのはもちろん、買うつもりだった僕は正直、傷ついた。 ならば、そう疑った理由は何なのか、それを僕に説明する責任が店主にはあったはずなのだ。
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実際僕は、店主に対して、「自分は何か不審な行動をした自覚はない」けれど、 「でも、実はあなたから見たら、僕の何かが不信感を与えたのかもしれない。僕は、この先の自分の人生で誰かにそんな思いを持たせたくない。だから後学のために理由を教えてください」とまで言っている。
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それも、店主と2人きりのところでここまで言ったわけでは無く、隣店の主人が来て、いきさつを説明しているなかでの話です。 結局、隣店の主人に促されて店主は「すみませんでした」と謝ったけど、それより僕は理由を知りたかった。 …ちょっと話が逸れてますね。
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とにかく、僕にとってその書店は「残念」でしかなかった。 店主の「男」へのトラウマを聞いて、つい同情する心も出てしまったけど(その体験自体には同情します)、 やはり、どう思い返しても、そのトラウマは、 一見の客に対して暴言を吐く彼女の「加害性」を許す理由にはならない。
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なので、1日経ってみて、結論は「あの店主が特殊」でしかないです。トラウマとかは別の話。 ただ、これきっかけで、 「書店」と「客」について、 「女」から見た「男」の加害性について、 さまざま考えられたことは、やはり良かったと思います。 結局それでしかない。僕は考えることが好きなのだ😅
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