10月4日にリリースされたばかりのスマートフォン向けRPG『コードギアス Genesic Re;CODE』……通称『ギアジェネ』。
2019年に劇場公開された『コードギアス 復活のルルーシュ』から続く『コードギアス』サーガの正統続編であり、次の10年へ向けて始動した「コードギアスNEXT 10YEARS PROJECT」の第1作目という注目作だ。
そのアプリリリースを記念して、開発元「JORO」・松田晃佑氏、本作宣伝プロデューサー博報堂DYメディアパートナーズ・三上公也氏、そしてサンライズ企画担当・谷口廣次朗氏の3名に集っていただき、『ギアジェネ』の企画立案から今後の施策まで気になるすべてのことをうかがった!
ひとつの結末へ向けてさまざまな謎が収束していく本作の開発秘話、さらにキギのコスプレの「秘密」とは……?
◆発端は「毎日会える『コードギアス』をつくりたい!」
――サービスが開始されて約1ヶ月です。プレイヤーの育成状況はいかがですか?
松田 プレイヤーLvもキャラクターLvも現状の最高レベルとなる80に達した人が沢山いてスピードに驚いています。レベル上限の解放を含め、アップデートをしていく予定です。
――『ギアジェネ』は基本的に5人編成でバトルをしますが、レベル80のプレイヤーはスタメン5人を集中的に育てている感じですか?
松田 まんべんなく育てている方が多い印象です。とくに、先月開催したハロウィンイベントでスコアランキングを実施したのですが、どのキャラクターをどの組み合わせにすれば高得点をだせるか検証するために高レアのキャラだけでなく低レアのキャラまで幅広く育てる方が多かったかと思います。その結果、ランキング上位にいる方たちは1億ポイント以上を達成していました。
三上 どうやったらそんなハイスコアを叩き出せるんでしょうね。僕らも驚きです。
松田 イベント開始直後は2000万ポイントとか3000万ポイントあたりが最高値だったんですが徐々にスコアが更新されていくのが凄まじかったです。まだ上があるのかと(笑)。
三上 それまで『ギアジェネ』は攻略動画のようなものはありませんでしたが、ハロウィンイベントを機に動画が上がったり、ユーザーさん同士で情報交換したりするようになりました。その検証結果は驚くべきもので僕らも教わることがあるくらいです。
松田 ユーザーさんの感想で嬉しかったのは「やりこめば手応えがあって楽しい」「理解してくると楽しい」といった意見を多くいただいたことです。もちろん反対に説明不足な点がおおく改善点があるということなのですが、触ってすぐに離脱するのではなく遊んでいくことで理解してくると面白いと思ってもらえるような要素が沢山あるのでそういった感想をいただけるのはとても嬉しかったです。
――『ギアジェネ』は『復活のルルーシュ』の続編として話題です。もともとTVアニメ発の作品だったものが、なぜスマホゲームで続編を展開することになったのですか?
谷口 原作もののゲーム化企画ということで、よくある外伝的なイメージをみなさん持たれているかと思います。しかし『ギアジェネ』は劇場総集編三部作(『興道』『叛道』『皇道』)の頃から『コードギアス』の次のステージを、別のメディアで展開できないかと考えていたんです。
――3~4年前から決まっていたんですね。
谷口 弊社サンライズはアニメーション制作会社なのでアニメのイメージが強いかと思います。しかし昨今は原作を創出するIP会社としての側面が強くなり、小説、マンガ、ゲームなどの媒体でも積極的に作品を展開するようになりました。『コードギアス』も同じです。アニメだけで新作をリリースするのではなく、これからは多角的に展開してもいいのではないかと考えていました。
――そう考えるに至った具体的なきっかけは何かあったのですか?
谷口 マンガや小説といった原作からのアニメ化と違い、オリジナルアニメの制作には原作にあたる部分から作らないといけないため、多くの時間を必要とします。原作もののアニメ化なら1年から1年半で放送できるものが、オリジナル作品だと2年以上はかかってしまいます。仮にヒットしたとしても、「来年新作をお届けします」とは中々いきません。その部分をどうにかできれば……と。
――それでアプリゲームにつながるんですね。
谷口 そうです。ここ5年から10年ほどで、皆さんの中でアプリゲームという存在が当たり前のものとして定着したと思うんです。私としてもそのフィールドで「毎日できる『コードギアス』を作りたい」と思うようになりました。ファンの皆さんにはルルーシュやスザクなど、愛してくれているキャラクターがいるかと思います。アプリゲームとなったことで。、そういったキャラクターたちに毎日会うことができるようにできた……それは「コードギアスプロジェクト」にとって革命的なことでした。
――実際にサービスが開始されていかがですか?
谷口 やっとみなさんに『復活のルルーシュ』以降の物語を見ていただけるようになりました。ストーリーは基本的にサンライズ主導で制作しているものなので感慨もひとしおです。
松田 谷口さんには毎週の会議にも参加していただいて、ストーリーはもちろん、新規設定や各キャラクターのプロフィールもお願いしております。ただ作品をお借りしてゲーム化したわけではありません。しっかりと『コードギアス』の血が通った続編になりました。
――『コードギアス』といえばルルーシュ以外の主人公が活躍する派生作品も魅力です。すでに公式サイトでは作品一覧という形で紹介されていますが、そのあたりのストーリーも今後、実装されるのでしょうか?
谷口 すべて収録する予定です。『亡国のアキト』『反逆のルルーシュR2』『復活のルルーシュ』『双貌のオズ』『漆黒の蓮夜』……それにまったく新しい主人公、まったく新しいストーリーの『コードギアス』も収録されるので膨大な量になると思います。
――プロローグでは旧ドイツ軍の物語が語られたり、シャーロック・ホームズや新選組のキャラクターも控えていたりします。今後はそういった、史実に基づくストーリーや古典をベースにしたストーリーにも世界観が広がっていくのでしょうか?
谷口 そうですね。もともと『コードギアス』は私たちの世界と歴史が分岐した世界設定なので、歴史上の人物やホームズのような名作キャラクターも存在しています。すでに作業が進んでいる『不転のトシゾォ』のストーリーは新選組をベースにしており、表記は異なるものの土方歳三や沖田総司らが登場して、実際の彼らと似た人生を歩むことになります。
歴史上の人物は、万人を惹きつけるカリスマ性とか、誰からも憧れられる美貌の持ち主とか、不思議な能力を持っているんじゃないかと思えるような人物が多く存在します。その「能力」がもしもギアスだったら……そんな視点でひとりずつピックアップして物語にしているのが『ギアス』なんですよ。
――アニメから入ると、つい『コードギアス』はロボットアニメではないかと思ってしまいます。
谷口 よく言われます(笑)。
――しかしゲームオリジナルストーリー第1弾の『血盟の紅羽』はナイトメアフレームが存在しない時代の出来事で、出ないからこそギアスに焦点が絞られて『コードギアス』の純粋な物語が浮き彫りになったような気がしました。
谷口 ナイトメアフレームが出ない物語としては『漆黒の蓮夜』も同じです。でも代わりに「ナイトメア」と呼ばれるキャラクターたちがその役割を担っているんですよ。
――『血盟の紅羽』には夜想宝具(ナイトメア)と呼ばれる伝説の武具が登場していましたね。
谷口 主に相手の目を見ることで能力を発揮するのがギアスの力で、ナイトメアフレームはその視線をブロックする作用があります。つまり谷口悟朗監督がおっしゃるには、ギアスに対抗する手段が“ナイトメア”なんですよ。ナイトメアフレームの存在が強く印象に残るためロボットアニメと思われがちですが、タイトルが示す通り、コードとギアスの物語なんです。
三上 『ギアジェネ』が「コードギアスの真実がわかる」を謳い文句にしているのも、すべてギアスを中心にした物語だからですね。
谷口 ナイトメアはロボットだけではありません。変身ヒーローのような強化服があるかもしれないですし、味方ではなく敵対する要素として登場するかもしれない。「この物語のナイトメアはどれなんだろう?」と物語ひとつひとつを楽しみにしてもらえたら嬉しいですね。
――『血盟の紅羽』の物語は、兄妹の物語だったり、国を取り戻す戦いだったり、親友が対立してしまったりするなど、キャラクターを取り巻く状況が『反逆のルルーシュ』を想起させるものです。そのあたりにはどのような意図があったのですか?
松田 オリジナルストーリーの第1弾ですから、『コードギアス』にはじめて触れるユーザーさんのためにもわかりやすい物語にしようと思いました。『コードギアス』といえば、みなさん真っ先に思い浮かべるのは『反逆のルルーシュ』ですよね。ですから『項羽と劉邦』という有名な小説作品をベースにしつつ、『反逆のルルーシュ』の要素を盛り込んで『コードギアス』のベーシックな物語になるよう考えました。
――『コードギアス』には『反逆のルルーシュ』とは切り口もキャラクターも異なるさまざまな作品がありますからね。
松田 ナイトメアフレームと呼ばれる機動兵器が出ないストーリー、ルルーシュとは異なる主人公が登場するストーリー、別の時代のストーリー……。『反逆のルルーシュ』は『コードギアス』の壮大な物語のほんの一部でしかないのですが、ファンの方の一般的なイメージはやはり『反逆のルルーシュ』です。すると、『反逆のルルーシュ』とはまったく異なるストーリーを見せてしまうと違和感を抱いてしまう……。そのため『反逆のルルーシュ』に寄せるのはどうかという形で谷口さんに相談しました。
谷口 『反逆のルルーシュ』とその他の『コードギアス』の物語の架け橋になる物語として『血盟の紅羽』を作った形ですね。
――すでに終了してしまいましたがハロウィンイベントが楽しかったです。ルルーシュとゲームオリジナルキャラクターの紅羽が絡んだりして、作品の垣根を越えた共演にワクワクしました。
松田 イベントに関してはユーザーさんが何を求めているかを第1に考えて企画しています。たとえばハロウィンイベントなら「1発目のイベントにはルルーシュに登場してほしいよね」と。
三上 組み合わせも重要ですね。このキャラとこのキャラは一緒に出そうとか、組み合わせのどのパターンをユーザーさんは期待しているかとか。
谷口 キャラクターが決まったらそれに沿ってテーマを設定する形ですね。ハロウィンならナナリーを主人公に決めて、ナナリーの悩みがきっかけとなって物語が展開する形です。今後はクリスマスなどが控えていますので、そこでどんな組み合わせが見られるか楽しみしていてください。
――アルが主役のメインストーリー「ライン編」も注目です。とくにキギはイベントでもないのにコスプレをしていて驚きました。
谷口 あれは単純にシナリオに書いてあったのでそのままビジュアル化してもらったものですね。
松田 谷口さんに言われて「おっ、おお……」となったやつです(笑)。登場シーンはほんの一瞬ですし、スマホゲームで新衣装となればイベントを1本作れる大きな要素ですから、とても贅沢な仕様になりました(笑)。
――1着目は「サービスかな?」と思うのですが、2着目、3着目と続くと「さすがに贅沢すぎん?」と(笑)。
松田 ただそこは妥協したくなかったので、ちゃんと新規衣装を用意しました。おかげでユーザーさんからは、キギはただのコスプレキャラだと(笑)。
三上 ギギ役の高田憂希さんもコスプレキャラの認識でしたね(笑)。
谷口 ギギはまだ本性が見えないキャラですが、もしかしたらコスプレには何か意味があるのかもしれません。ソーシャルゲームといえば結末がない印象が強いのですが、『ギアジェネ』に関しては結末を決め、そこへ向けて展開していきたいと思っています。ギギの正体も分かる、アルの失われた記憶もすべて戻る、世界の謎も明かされます。さらに『反逆のルルーシュ』の頃からあるギアスの謎にも触れます。ギギの衣装ともども注目です。
――システム面では今後、どのような改善点やアップデートを考えられていますか?
松田 たくさんあるのですが、直近ではレベルの上限開放や「深淵」の報酬追加を考えています。
「深淵」についてはすべての報酬を獲得して、やりきってしまったユーザーさんもいらっしゃるので、レベル上限と同じように早く対処しなければと考えています。
あとは対人や協力コンテンツを実装したいですね。現在はソーシャル要素が同盟くらいしかありませんから、同盟の誰かと協力したり、プレイヤー同士の対戦コンテンツを実装したり……。そういった部分を提供できればと思っています。
――今後のストーリーを含め楽しみにしております。それでは最後に読者へメッセージをお願いします。
谷口 『ギアジェネ』は『コードギアス』の15周年記念作品であり、「コードギアスNEXT 10YEARS PROJECT」」の1作目の作品でもあります。15年前に谷口監督や大河内さんがおっしゃったように、アニメにとどまらない作品として『コードギアス』の次のステージをどんどんと展開できればと考えております。
『コードギアス』の世界観に毎日触れながら楽しんでいただければ、そのうちに『反逆のルルーシュ』で疑問に思っていたことが解決されるかもしれません、ルルーシュの新たな一面が見られるかも知れません。これまでの『コードギアス』とこれからの『コードギアス』の新しい一面がそれぞれ見られるのが『ギアジェネ』です。これからの10年をこの作品で楽しんでもらえたら嬉しいですね。
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