ミッテラン以来のフランスの事ではなく、たまには現代日本のことを。

財源や税源を回さずに、権限という名の責任を地方に押し付けたのが、昨今の「地方にできることは地方へ」路線だというのは、最早常識であろう。

その前に、国債を地方債に肩代わりさせて、地方自治体を借金づけにしているから、地方は逆らえず、合併など、国の言いなりである。

…と、ここまではよく聞く話。最近驚いたのは、県と市町村の関係である。

分野によるだろうが、県の権限が強くて市町村長は責任だけ重い、という場合、タレント知事がスタンドプレイに走ったりすると、市町村はたまったものではない。

選挙民も、経済的政治的閉塞感から、一縷の希望を掛けて、タレント知事を選ぶ。

フランスでは、大統領選システムの関係で、市町村長の政治力が強そうである。長年のケンカから身に着けたバランス感覚といえようか。

（共同体的規制の一つである）「休耕地制度の農業におけるは暴君の自由に対するが如し」

メルレ1859←ブロック1930←高橋幸八郎1963

コモンズ論はさておき、農法論は、技術論にとどまってはならず、社会関係論である、という当然ながら重要な含意を得る。

森林施業論におけるTSF（中林）の歴史的意味に通じる所がありそう。

照査法の社会経済史的意味については、三浦敦2004がある。ジュラ（フランス側しか知らないが）は魅力的な地域である。

　標記のパンフレット、というのか、欧米のしおりサイズの問答集を入手
した。
　現代フランス林政関係の原稿に追われつつ、まとまった時間が無い。
　雑事の合間に息抜きを兼ねて紹介していきたい。
（アクサン記号省略）

Ｑ１：フランスの森には何種類の樹木がありますか？
Ｑ２：森林生態系とは何でしょうか？
Ｑ３：森林官の役割le role du forestierは何でしょうか？
Ｑ４：ある特別な木材は、のらくら暮らすのに役立ちます。何でしょう？
Ｑ５：ワインの製造工程のうち、どの段階で木材が役にたつでしょう？
Ｑ６：木材の主な販路（用途）はなんでしょうか？
Ｑ７：フランスの森は誰が所有していますか？

正解は…っとそろそろ雑用に戻ります。

研究蓄積の限られた外国ものを調べていると、「コンナコトは、既に本国の研究者がやっていて、自分が知らないだけ」だろうという強迫観念（大概、事実なのだが）に囚われる。

偉大な先行研究は、この壁を何らかの方法で（通例、血の滲むような努力により）乗り超えている訳だが、判っている範囲でノートを活字にしておきたかったり、その様な内容で構わぬ、という執筆依頼があったりすると、大いに困る。書く内容を限定するためには、その前提として、周辺分野についてざっと知って置く必要がある。

よくいわれるように「短く書くには時間が掛かる」のである。

結局、修行が足りない（←割と無難な思考停止用語）

　前に書いたことで「しまった」というのがいくつもある。
　著書にする際にさりげなく、というのが最も格好いいが、論文すらなかな
か思うように行かないのがお恥ずかしい現状である。
　要旨レベルだが以前「オーストリアの保安林の６割は禁伐」と書いたのが
web上で読める。これなども、その後の現地調査で「種々の理由で収穫でき
ない保安林」のことを指し、制度的に伐採を禁じているわけではない、と知
る。日本に留学したドイツ人の論文を読んで誤解したのだった。
　いずれ論文を書いて訂正しようと思っていたがそろそろここに書いた方が
社会的な意味があるような気がするので（情けないが）書いておく。
　同業者の方へ＞当分書く見込みがありませんので、独自にウラをとって書
いて下さる分には歓迎いたします。その際、このblogを引用してくださる必
要はありません。