Agresteという、日本で言ったら農林水産省統計部に相当する
サイトがある。ここのメールニュースを登録しておいたら、
「GraphAgri」（フランスの農林水産業年次統計を図表化して
示してくれる便利な本）が今後無料pdfで取れる、というおし
らせがあったのでご紹介します。

http://agreste.agriculture.gouv.fr/publications/graphagri/article/graphagri-france-2009

で最新版がDL可。
　URLは変わるかもしれませんが、
http://agreste.agriculture.gouv.fr/
から入って探せばみつかる筈。

　欧語文献の引用で、日本語でいう『前掲論文』に当たる言葉として、
よく見かけるものに

op.cit.
ibid.
idem.

といった表現がある。
　恥ずかしながら、適当に使っていた。人によって上を使ったり真ん
中を使ったり、要するに趣味の問題だと信じていたのである。
（ただしidemには別の用途がありそう）

　先日読んだ論文（たしか水田洋先生）が、上の２つを明確に使い分
けておられて、目ウロコだった。どう使い分けていたか忘れているの
だからお話にならないのだが。

　HISパリ支店のブログに、「最近フランスの郵便事故が多い」
旨、警告的書き込みがあり、現地在住者の情報だけに怖れてい
た。
　パリ市内の郵便局から、それでも7kgのColissimo
Internationalを出したのは、サンミシェルの古本屋などで買
い込んだ資料があまりに重くなったからである。
　渡仏のたびにここは寄るのだが、常に見かけない本が出てい
て油断ならない。

　滞在最終日、ホテルに一番近い郵便局に出かける。
　例によって、資料を多めにもっていき、新聞紙と補強用ガ
ムテープを用意し、箱を局の量りに載せて、出したり入れた
り7kgぎりぎり送る、という作業であるから、最終的にどの資
料を送ったかすら記憶が曖昧である（5kgまでなら、自分で
梱包して印刷物小包で送った方が安いのだが、局員がこの料
金体系tarifを知らないことが殆どで、交渉が面倒）。

　たまたまかもしれないが、帰国して無事受け取ったときに
はかなり安堵した。

ピンショーという米合州国アメリカの初代森林局長は有名だが、フランス人は彼をパンショーと呼ぶ。

PINCHOTはナンシーに１年いた。コンサベーションというキーワードはフランス仕込みか。ドイツ林学の影響は無かったのか…

などと自問していたら、ナンシーから英帝国各地を歴任ののちNZに赴任した森林官の話を聞いた。米合州国同様、欧州林学の新大陸への伝播という事になる。

日本の中で、比較的欧州の気候風土に近く、先住民収奪を開発と呼んだ北海道が欧州林学の影響を受けたプロセスは、米合州国と比較したら面白いかと思い込んでいたが、先住民との関係や、「開発」の時期は、NZの方が近いのでは？

などと思いつつ、NZにはまだ一度も行った事が無いのであった。北大の先生や関係者が、豪州やNZに関心を向けておられたのを思い起こす。

その意味が判っていなかった。迂闊だった。

　コペンハーゲンの国際環境史学会では、多くの方にお世話になり、日本人の参加者も決して少なくなかった。

　ところが意外なことにフランスからの参加が非常に少なく、林野史関係ではフランスでしょっちゅう国際会議（という名のフランス語中心の発表）を開いている研究者の面々が皆無。技術史関係の方々にもお目に掛かれなかった感じがする。なにしろ同時進行セッションの数が多すぎて、「感じがする」としか言いようがない。

　その後、パリ、ナンシーと移動し、帰国前のひとときを偉大な知人のおかげでラウンジで過ごしている。

　LeMonde2という雑誌にアンジェイ・ワイダ監督のインタヴューをみかけた。いわく、

「1970年代のポーランドの状況は…

何か考えているなら、しゃべるな。
何かしゃべったら、書くな。
何か書いたら、署名するな。
そして、もし署名したら、何が起こっても驚くな」

と。

　実際の状況がどの程度深刻だったかという皮膚感覚は、想像力と他の文献の勉強によるよりないが、この４行表現、レトリックが巧みで敬服するほかない。