今や週刊誌に「避難区域」と呼ばれている柏市。
普段気にもしない議会の動向を調べてみた。6月の定例議会は今日閉会で、放射能対策の請願についても今日採否が決まる。
請願の内容
市議会のページ
質疑はすでに終わっているが、文字起こしがされておらず、質問趣意書の箇条書きのみ。
○質問趣意書を見る限り一番突っ込んだ内容だった日下議員の質疑(6/15)を視聴した。放射線のホの字も触れていない議員も多い。
○園庭校庭除染について(質問に対する市長見解)
一部の学者の説を訊いた一部の市民から「不安」の声がメール等で寄せられている。
国の基準20ミリ。1ミリに近づけるは努力目標にすぎない。
「不安に思う市民がおかしい」とは言っていない。
低線量被曝について、低ければ低い方が良いという科学的事実は認識。
園庭校庭除染で今の線量を下げられるのは認識。
線量を下げるコストと健康リスクの低減という便益の釣り合いが不明(健康被害が不明だからカネ掛けたくない)。
学者の間でも見解が分かれていると認識。
測定結果の評価は、国の基準に従う。
東葛6市放射線量対策協議会が動けば動く。
国の基準が変われば動く。
学会の統一見解でも出れば考える。
○給食について(議員vs教育長)
モニタリングのサンプルが少ない。横浜市が給食について独自計測、これにみならえ、という流れで議員は攻めた。
国の甘すぎる食品暫定基準値を子供に押しつける問題まで議論が行かず。
教育長が答弁し、県や「関係諸機関」が測定しているので安全と認識、というにとどまる。柏の野菜も測っているというがどこが測っているのか明言せず。
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○印象
園庭校庭除染については、ほとんど市長が答弁。
ALARA原則などをきちんと踏まえて実務的な答弁をする幹部クラスのフォローが無い。専門に勉強している職員がいないのでは?危機感が感じられなかった。
0.3程度の測定結果に対する東大本部の評価が最近変わったことが(議員・市長とも)認識されていないやりとりだった。
低線量被曝について「学会の統一見解」など出るわけがないと踏んでの答弁だとしたらかなり問題。疫学的調査が難しいのは当然で、そこに防衛線を張るのは「やりたくない」というのに等しい。
不確実性があるなか、コストは確実にかかるという論法。議員は「費用は国や東電に請求」という前提で質問したし、20ミリは福島限定の緊急措置、と主張したが平行線。
柏の子供をモルモットにして良いのか、ということ。分かってからでは遅すぎる。
○一番驚いたのは、教育長を含めて幹部職員が内容のある答弁をしていないこと。柏市の行政が、子供たちを大切にする気があれば、寝食を惜しんで勉強し、もっとレベルの高い議論になったであろう。
○国の枠組みも問題だが、市には測定の権限があるし、国が「20ミリを越えてはならず1ミリを目指す」と行っている以上、規制の上乗せはできる。市民が一番の受益受苦者であることを考えると、従来のような、国任せ、県任せでは行かない事態になっているという認識があるかどうか。埼玉県川口市など、見識の高い市も出てきている。
○幸い、柏には大学も多いし、もっと勉強している市民も多い。行政は心を開いて市民とのざっくばらんな対話の機会をもってほしい。別に敵味方のある話ではない。まさかマンション販売業者に買収されている訳ではなかろう。
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