両親宅、何年か前に中古住宅を購入。
中古、といっても売れ残り物件に、施工主A工務店の重役がとりあえず2年間住んでいたところ。
契約の際、「この物件には住宅性能保証がついている」と言っておきながら、問いただすと「性能保証の引継ぎは制度上できない」と虚偽の発言。制度上は引き継げることを調べ、統計上事例もあることを指摘すると「A工務店重役に引き継ぐ意思がない」と主張を変えた。「施工時には住宅性能保証があった安全な物件だと理解してほしい」とも言うので「引き継がなくてもよいから見せてくれ」と、立ち会っていた仲介業者(P社)を通じて言ったら、P社は担当者を転勤させて話が通りにくくなり、見せてくれたのはA社が作った別の物件の保証書のコピーだった。
宅建業法違反かとも思ったが、住宅性能保証制度というのは説明義務のないグレーゾーンらしい。アネハ問題の後、工務店の社会的地位を向上させるために、国会決議をもとに国交省肝いりで作ったこの制度の適用をうけているかどうか、というのは、常識的にいって重要事項に準じる情報で、十分交渉の余地があると思ったが、両親にもいろいろ事情があって、向こうの家も売ってしまい、時間がなかったので、結局こっちが折れた。
新築時の性能保証がもし引き継がれていれば当然10年保証の対象である「雨漏り」事象が今年9月、突然、天井からドバッと水が落ちる形で発生。
急いでいたので、建てた工務店ではなく、第三者のプロに修理を依頼。見て貰ったら担当者が屋根裏まで入ってくれ、「手抜き工事が原因」「うちで修理してもよいが、その前に工務店にクレームつけて修理させよ」と。屋根裏の断熱材に黄色い水が溜まっていた。かなり以前、少なくとも5年以上前から降雨のたびに水を含み、ついに重さに耐えられなくなったらしい。
詳しくはわからないが、ベランダがFRP。その上にモルタルが載っている作りでそこから流れ込んだらしい。「モルタルの重みでFRPが壊れることがあるので、今直すならモルタルは載せない」とA工務店の営業マンは言った。
S県に本社があってコマーシャルでも有名なA工務店の対応はとにかく悪くて、9月に発覚したこの件、いまだに何もしてくれていない。年寄り夫婦が、何度も電話をして、事務所まで脚を運んで、なかなか連絡もつかなかった。
最初に技術の人が来て「これは(ひどすぎる)、Aのやった仕事じゃない」と非を認め「営業に話をしておく」といって帰った。
が、その後なしのつぶて。
さんざん急かしてやっと営業の人が来た。両親の説明に、修理費用は「うちが出します」と言ったが、その後なしのつぶて。
その後、やっと営業の人が再度やってきた。「所有者が途中で代わっているので保証対象外」「天井工事の人件費だけ出す」と豹変。両親は、天井裏まで誰がチェックできるか、契約がそもそも成立していない、と主張して平行線。
A社営業からは翌日電話があって、同じ事を言ったらしい。両親は「そういう大事なことは書面でほしい」と当然の要求をし、A社も承諾したが、これもなしのつぶて。
最初に頼んだ第三者のプロは
「悪質な案件だから、全面的に支援する。ネットで公開してもよい」
と言ってくれているらしい。
端で見ていて、A社の作戦は時間稼ぎ&兵糧攻めだとしか思えない。これまでの経緯を振り返ってみて、自分が作った建物に住む顧客に対する誠意というものがおよそ感じられず、売ってしまえばあとは知らぬという会社体質だというのをうすうす感じる。雨が降りそうになると外出も出来ず、文化住宅のような雨漏り対策をもう3ヶ月もやっている老人夫婦は、果たして、ラニーニャ現象で寒くなるこの正月を温かい気持ちで越せるのだろうか。
同様の悩みをお持ちの方や、これから購入をご検討の方、ご連絡いただければA社やP社の実名をお教えします。ちなみにP社のご担当によると、A社物件はよく扱っている、とのことでした。
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