和魂洋才などという前に、武満徹を聴いてみればよい、たとえば、ノヴェンバー・ステップスを。
などという、分かるヒトにしか分からなかったネタは、ようつべ時代になって、結構分かってもらえるのではないかと思うのだが、その希代の名作曲家・武満と、昔、コンサート会場のトイレに行くときに、至近距離で遭遇したのを思い出した。
あれはたしか、日本の現代作曲家が入れ替わり立ち替わり、「自分に影響を与えた曲」など3つくらいのテーマで3曲選んだ演奏会シリーズというのがあって、武満が企画した回だったと思う。そのときのプログラムで覚えているのが、
影響を与えた曲:牧神の午後への前奏曲(Debussy)
***な曲:J.ケージの何か。オケの各パートが、指揮者の棒に合わせて任意の音をジャッと鳴らすと、偶然性のある和声ができる、といった嗜好だった。
いつまでも若い気でいるから昔話など価値がないと思っていたのだが、案外こんなことも知らない世代が増えているのかもしれないから、一応、書き記しておこう。
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