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「努力義務」なく進まぬ接種 10歳未満の感染多く

産経ニュース / 2022年4月3日 20時42分

新型コロナウイルスの感染再拡大による「第7波」の到来が懸念される中、東京都では新規感染者のうち10歳未満が2割前後を占め、各年代層を上回る状況が続いている。3月から本格的に始まった5~11歳のワクチン接種が感染抑止の一つのカギとなるが、5~11歳には予防接種法上の「努力義務」は適用されず、各自治体は積極的な接種促進に動き出せずにいる。

「ワクチンは重症化を予防するだけではなく、感染の連鎖を断ち切る効果が期待できる」。小池百合子都知事は今月1日の記者会見でこう述べ、すでに2回の接種を終えた年代を念頭に3回目のワクチン接種を検討するよう呼び掛けた。

重症化リスクが高いとされる高齢者はワクチン接種が進み、3月31日時点で65歳以上の都民のうち8割超が3回目の接種を終えた。2月は新規感染者の1割近くを占めた65歳以上だが、3月に入ってからは下降し、同月22~28日は4・5%まで低下した。

これと対照的なのが10歳未満だ。新規感染者に占める割合は上昇傾向が続き、19・1%となった2月22~28日以降は全ての年代層を上回っている。

学校での集団生活は1人の感染がクラスター(感染者集団)を引き起こしかねず、都内でも春休みを前に各地で5~11歳に対するワクチン接種がスタート。ただ、副反応への懸念などから接種に慎重な保護者も少なくない。3月31日時点で5~11歳の都民のうち1回目の接種を終えた人は7・8%。1回目から3週間の間隔が必要な2回目の接種完了者は0・7%だ。

自治体側も5~11歳に対しては、ワクチン接種の促進に及び腰だ。もともと、接種は個人の自由な判断に基づくものであるうえに、予防接種法が規定する「接種を受けるよう努めなければならない」という「努力義務」は5~11歳には適用されないためだ。

都内でも、オミクロン株の主流系統「BA・1」から、より感染力が強いとされる派生系統「BA・2」への置き換わりが進み、感染再拡大の兆しが見え始めている。都は3月14日に、5~11歳の子供と保護者が一緒に接種できる会場を千代田区内に設けたが、自治体ができるのは「場の提供」まで。都の担当者は「『努力義務』がない以上、『接種を検討してください』とは言えない。悩ましいところ」と明かした。(力武崇樹)

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