店舗内に県境
全国には山や川で区切られた県境が多くみられるが、その一方で、ショッピングモールの敷地内という不思議な立地の県境が全国に1ヵ所だけ存在する。
京都府木津川市と奈良県奈良市が接する県境は「イオンモール高の原」という商業施設の中に引かれており、店舗の建物はもちろん駐車場まで2府県にまたがっている。
モール内の小売店の中には、店舗内に県境が引かれている店も多数存在する。
はたしてどちらの市に納税すればいいのか? 出店届はどちらに出したらいいのか? ゴミ収集はどちらの市のルールに従えばいいのか?……と働く人たちも少々混乱してしまうような造りになっているのだ。
少々複雑だが、店舗内に県境が存在する小売店は、敷地面積のうち占めている割合が大きい府または県の商業施設として届け出を出すことになっているという。
モール内にはここが県境だと床にはっきり書かれている撮影スポットも存在する。
新型コロナウイルスの流行が収まったら、珍しい県境を見るため、イオンモール高の原へと足を運んでみるのはいかがだろうか。(康)
『週刊現代』2022年3月12・19日号より