みさきは幼稚園を卒園する前年に殺害された。
6歳であった。
おしゃれに敏感で色んなキャラクターの髪留めを集めていた。
家庭ではみさきだけが厳しく躾けられていた。
食事の時や何かを買ってもらった時には親への感謝の言葉を求められ、
家事の手伝いは当然彼女の義務であった。
それを忘れると当然に食事は与えられなかった。
近隣住民は何故か彼女を見なくなったことを不思議に感じていた。
母親の写真には必ずみさきの沢山の透明な顔が写り込んでいたのだが、
誰もそれには気付かなかったようである。
大した問題にはならなかったのは、母親がみさきの写真を加工したりして見せていたからである。
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