スイスを代表する林政学者であるシュミットヒューゼン博士の訃報に接する。
ご健在の頃は、スイス生まれのスイス育ち、スイス林学の生んだ先生なのだろう、と勝手に思い込んでいたが、あらためて経歴を調べてみてびっくり。
生まれはおそらくバーゼル(独仏との国境地帯)。国際性の原点か。
フライブルク大学での学びの長さ。
それも一旦スイスに帰国してから、またフライブルクに行って博士号を取っている…ようにみえる。(CVを流し読んだので怪しい)
なので、生粋のスイス林学者というよりも、Freiburg Schule の一員だったという方が近いのだろう。といっても、バーゼリアンでもあるからフランス語もおそらくかなり堪能。欧州諸国の林政論を理解した上で、ざっくり見通しの良い議論をなさっていた形跡を感じる。細部よりも枠組みから入る。私の好きなスタイルである。
生前、私有林政策について、
規制→指導・助言→助成
という歴史的流れがあるのだと仰っていた。最後の「助成」は、financeではなく、co-financeだ、と強調されていた。そのときは、EUと国の共同助成、という意味だと確信していたが、ひょっとしたら、公共部門と私的部門(←私有林所有者)が出し合う、という意味で仰っていたのだろうか。今となっては確かめるすべもない。

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