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8番、ザンデルリンク指揮、ベルリン響の演奏を真面目に聴きました。
変形怒りの日でいきなり始まる曲なんですね。耳に厳しい処はありますが、興味深い曲です。
1楽章、中ほどのドラの後、弦のトレモロの上でオーボエ?イングリッシュホルン?ソロが続きますが、旋律がちっとも頭に入らなくて老婆の繰り言のような「行き場のないやるせなさ」だけが伝わります。それを弦が優しく慰めるような場もありますが、全体として「悲鳴」「哀しみ」の楽章という感じを受けました。
2楽章は軍隊の描写でしょうが、何故かそれほど元気がない。
3楽章は、同じ音型をひたすら繰り返す弦の動きが「ニーベルングの動機」のような脅迫観念というか、何かに突き動かされているようで、正しく統制下の人民・兵士かと。
ブンチャブンチャのリズム(後拍)の上でトランペットや小太鼓が出てきますが、2楽章といい、絶対に軍隊をからかってるでしょ、と言いたくなる妙な感じです。
つづく4楽章、冒頭にドラの後のトロンボーン?♪ラ♭――ソ―ラ♭シ― から始まる処でハッとしました。
音を確かめたら、トゥビン6番の3楽章冒頭♪ラ―ソ♯ラシ―― と半音違うだけです。
トゥビンはショスタコーヴィチの8番のオマージュで6番を作曲し、ショスタコーヴィチがお返しにチェロ協奏曲に取り入れた・・・なんて考えられませんか?
コントラバスの葬送行進曲の上で多くの魂が浮遊してる感じで、多くの亡骸がうち捨てられたままの戦場跡を想い浮かべます。それにしてもこの楽章ちょっと長い・・。
5楽章は、まだ何だかよく分らないので、もう少し聴きこんでみます。
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