55年間の中で、
私は降る雨を何回見つめたのだろう…
なんてことは、
この歳になってもう、
考えたりしなくなりました。
でも私は10歳ごろまで、
雨を経験するのは生まれてから、
何回目だろうとか、
虹を見ては生涯であと何回、
虹が見られるのだろうとか。
そんなことばかり考えていた、
変わった子どもだったと思います。
とても生きづらくて、
いつも苦しくて、
自分の居場所が見つかりませんでした。
お人形遊びや ままごとをしながら、
遊んでるふりをしているだけで、
実は大人の話に耳を傾けて、
くだらない人の悪口を聴き、
つまらないなと思うような、
そんなませた子どもで。
傷付きやすいいうよりは、
かなり図太いメンタルで、
「自分の人生」というものを、
5歳ぐらいから考えていました。
小さい頃の写真を見ても、
その時の状況も記憶も、
きちんと残っています。
その後芸能界に入り、
何かを表現するということを、
繰り返していきます。
そうしたことにより、
自分の心が整っていったのか、
あまり感傷には浸らなくなりました。
芸能界は個性的な表現者の集まりで、
自分のそんな部分も、
人と変わっていて変だとも感じなくなり。
そしてそののちに、
初めて子を産み母になり。
子育てをしていく中で、
自分の未熟だった心も育ち、
やっとこれで私も生きやすくなったと、
感じたものでした。
私が子どもの頃に感じていたことは、
多分時間があり過ぎて、
暇だったんだと思います。
それにプラス孤独感が加わると、
頭だけでいろんなことを空想し考え始め、
頭でっかちになってしまう。
それに気付いたから、
自分の子にはいつもクタクタになるまで、
遊ばせました。
四駆車に子どもを乗せ運転して、
山でも海でもどこにでも行き、
アウトドアをしたりキャンプしたり、
ハイキングしたり。
Tシャツに短パンやデニムに帽子を被り。
日焼けした肌。
髪はショートカット。
帰りには当時流行り始めの、
スーパー銭湯に子どもたちを入れて。
また運転して自宅に戻り…
クタクタになって寝ている子どもを、
一人ずつ順番に布団に入れて。
体力あったなぁ。
そんな私が今、
がんだのリウマチなどに、
悩まされているだなんて。
もっと頑張らなきゃな…
とひと昔前の私なら、
そう思いこう締め括ると思いますが。
今の私はこう締め括ります。
あの時はあの時。
今は今。
今の私が最優先。
体力や健康はあの頃より衰えても、
(あっ!あと何よりも若さね)
あの頃よりもずっと人生を味わいながら、
自分のペースで自分のために、
エンジョイしているから。
一番大きなことは、
そのことに気付けたということ。
人生しあわせに生きるためには、
そこが最大のポイントなんですね。