アイスもポテトチップスも空前の「バター味ブーム」 背景に“背徳感”と“韓国からの逆輸入”

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韓国から逆輸入で定番化

 スナック菓子では、カルビーの「ポテトチップスしあわせバタ~」が定番化している。実は、カルビーのバター味のポテトチップスの歴史は古い。

「1987年に『北海道バターしょうゆ味』というポテトチップスを発売しました。こちらは、現在、北海道、東北地方の地域限定商品になっています。さらに、『ア・ラ・ポテト』など、様々なシリーズからバター味の商品を発売する中で、だんだんとバター味が定番の味として認識されるようになってきたと思います」(ポテトチップスチーム アシスタントブランドマネジャー)

「しあわせバタ~」は2010年に発売開始した。

「当時は、期間限定の商品でした。その後、2014年にカルビーと韓国のヘテ製菓が発売した『ハニーバターチップス』が韓国で大ブームになり、日本でも大きな話題に。『ハニーバターチップス』が品薄でなかなか手に入らない中、近い味がする『しあわせバタ~』がいわば逆輸入のような形で人気になり、2015年からは通年商品になりました」(同)

 他のポテトチップスには無い、独特の味わいも人気の理由だ。

「単純にバターだけの味というわけではなく、『バター』『はちみつ』『パセリ』『マスカルポーネチーズ』の4つの素材を合わせた、4あわせが、ネーミングの由来です。他のポテトチップスにはない、あまじょっぱい味が特徴で、驚きはありつつも奇をてらいすぎていない、馴染みがある味が喜ばれているのだと思います」(同)

女性、特に20代に人気

 お笑いコンビ「霜降り明星」の粗品はバター好きとして知られる。バターの使用量450%の「ポテトチップスバター攻めのしあわせバタ~」、「バター愛がすぎるポテトチップス」、「バターになりたいポテトチップス」といったバター味のポテトチップスを紹介したYouTube動画の再生回数は33万回を突破している。

「『しあわせバタ~』は、バター増量の限定商品など様々な形で展開しており、コンビニやスーパーで目につく機会が増えていると思います。ポテトチップスは『うすしお』が圧倒的に人気で、『コンソメパンチ』、『のりしお』がそれに続くのですが、『しあわせバタ~』は4番目に人気です。この順位が揺らぐことは無いと思いますが、『しあわせバタ~』はもともと安定した人気だったものが、ここ1年くらいの間に売上を伸ばしていて、今まさにトレンドになっていると見ています」(同)

 他の味とは購買層が違うことも特徴だ。

「『しあわせバタ~』は、圧倒的に女性、特に20代に人気があります。そこが、購入者の多くが40代くらいの男性である『うすしお』など、他の味との違いです。シェアするというよりも、ちょっとしたご褒美として1人で食べる女性に支持されているのではないでしょうか」(同)

 動画の中で粗品が言うように、今「空前のバターブーム」が起きている。

デイリー新潮編集部

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