日本でいま大腸がんになる人が急増中。毎年5万人が命を落とす怖いがんです。
でも実は、最新の検査をうまく利用すれば、「大腸がんにならない体」を手に入れられるかもしれないんです!
その検査とは「大腸内視鏡検査」。一度受けると、将来「大腸がんになりやすいか、それともならないか」が一発でわかると言います。秘密は「良性ポリープ」。ポリープの模様が「がん体質」を教えてくれるんです!
もし、なりやすいとわかった場合は、定期的に「腺腫」とよばれる良性ポリープを取り除けば、大腸がんになる可能性を下げることができます。アメリカで大腸がん患者をピークの2/3に激減させた最新の方法をお伝えします!
下剤による「腸内洗浄」で頑固な便秘が改善!?
大腸内視鏡検査の前に行う「下剤」による腸内洗浄(完全にからっぽにする)で、頑固な便秘が一気に改善することがあります。今回の取材で、便秘が改善したことで「お肌の調子がよくなったり」「ご飯がおいしく感じたり」「体重がキープしやすくなったり」という実感まで得られた方がいることもわかりました。 そもそも便秘の原因の一つには、固い便が腸にひっかかり、その便が滞留することでさらに便秘が悪化してしまう「便秘の悪循環」があります。下剤で一度からっぽにすることで悪循環を絶ち、良いリズムへいくきっかけにすることができるのです。
※便秘には様々な原因があるので、全ての便秘を改善できるわけではありません。
※便秘を改善する目的で「下剤の服用のみ」は、通常行っておりません。ただし、便秘の原因を調べるために、大腸内視鏡検査を受けることは可能です。
大腸内視鏡検査を受けたら… 先生に「○○はありましたか?」と聞くべし
大腸内視鏡検査を受けたらぜひやって欲しいこと、それは検査の後、先生に「腺腫(せんしゅ)はありましたか?」と聞いてみること。腺腫とは、1~5%の確率で将来がんに変化していく良性ポリープで、いわば「がんの芽」です。最近の内視鏡には、腺腫をその場で取り除く機能も備わっているため、定期的に大腸内視鏡検査を受けて腺腫を取り続けることで、大腸がんの発生をかなり防げることが明らかになっているのです。また、50歳の時点で大腸に腺腫があるかないかで、自分が大腸がんになりやすい体質なのか?なりにくい体質なのか?を知ることもできます。検査を受けたらぜひ「腺腫のある・なし」を聞いて自分の大腸がんリスクを知りましょう。
50歳で腺腫なし:大腸がんになりにくい体質
⇒大腸がん検診(便潜血検査)を毎年受けていれば十分
50歳で腺腫あり:大腸がんになりやすい体質
⇒1~3年おきに大腸内視鏡検査を受けるべき(検査の間隔は医師と要相談)
※見つかった腺腫の大きさによってはその場で取り除けないことがあります。その場合、改めて検査を受け直したり、病院を変える必要があることもあります。
大腸がんになりやすい体質は、生活の中で変えることも可能です。 腺腫のできやすさは、遺伝だけでなく生活習慣の影響も大きいとされ、具体的には「喫煙・過度の飲酒・運動不足」を改善することで、腺腫ができやすい体質をできにくい体質に近づけることができます。特に運動は、大腸がん予防に非常に効果が高いことがわかっており、ジョギング・水泳・ダンスなど全身運動がオススメです。
○大腸内視鏡検査の費用
大腸がん検診(便潜血検査)で陽性、または下血・排便障害などの症状がある場合
⇒保険適用で7千円~3万円ほど
特に症状がない場合
⇒自由診療で3万円~9万円ほど
※大腸内視鏡検査では、極まれに内視鏡で腸に穴が空いてしまう場合があります。このような注意点も含め、医師とよくご相談ください。
詳しくは「日本消化器内視鏡学会」のホームページを参考にしてください。
がん発見率をアップ!便潜血検査のコツとは?
便潜血検査は、国が推奨している大腸がん検診です。40歳以上の人は年に1回、自治体の補助で受けることができます(自己負担額は自治体によって違います)。また、便潜血検査で陽性になった場合、精密検査の大腸内視鏡検査を保険適用で受けることができます。
便潜血検査のコツ1
便に含まれる血液で大腸がんを見つけるのが便潜血検査の仕組みですが、血液は高温になると便に含まれる細菌に分解されてしまうことがあります。そうすると、本来あるはずのがんが発見されないということにもつながりかねません。そこで、特に30度を超える場所では分解が進みやすいので、夏など気温が高い季節は冷蔵庫、もしくは保冷剤と一緒に保管することをオススメします。実は、検便キットにも冷暗所で保管するよう注意書きがあります。
便潜血検査のコツ2
実は、便潜血検査の採便1回あたりのがん発見率は45%程度とそれほど高くありません。しかし、現状の便潜血検査では2日分の便を提出するため、2回分で発見率は70%にまで上がります。さらに、2年目(のべ4回)受けると発見率は91%、さらに3年目(のべ6回)では97%…、と100%に近づいていきます。年1回の検査を継続して受けるのがオススメです。