ぱさつく、ツヤがない、うねる、切れやすい。女性にとって深刻な髪の悩み。その原因は外側を覆う「キューティクル」の問題だけだと思っていませんか?実は最近の研究で傷んだ髪は内部が“空洞化”!これも髪のトラブルの元凶であることがわかってきたんです。髪の“空洞化”の原因は、みなさんが良かれと思ってやっていた日々の手入れや洗髪の中に隠れています!そこで“空洞化”を防ぐ正しい髪のお手入れ法や傷んだ髪でもきれいに見せられる達人のドライヤー術を大公開!
髪の“空洞化”とは?
一本の髪の毛はおもに、外側を守る硬いキューティクル、繊維状のたんぱく質であるコルテックス、そしてたんぱく質と脂質からなる柔らかいメデュラからできています。キューティクルがはがれ、さらに内部のメデュラとコルテックスの一部が髪から漏れ出すと内部が空洞になってしまいます。これが「ぱさつき」「ツヤがない」「うねる」「切れやすい」といった髪の悩みの原因の一つになってしまうのです。
よかれと思ったお手入れで“空洞化”
髪の“空洞化”は、日々の間違ったお手入れで進んでしまいます。防ぐカギは「ぬれた髪をこすらないこと」!実は、髪の毛はぬれるとやわらかくなり、キューティクルがはがれやすくなります。そこでこすると、キューティクルがはがれ、中からコルテックスやメデュラが漏れ出してしまうのです。みなさんが髪を洗うときにやってしまいがちな「こすり洗い」や、髪を乾かすためのタオルドライやドライヤーの際にぬれた髪をこすってしまうことが“空洞化”の大きな原因になってしまうのです。
“空洞化”させない髪のお手入れの極意とは?
- 洗髪の際の予洗い
シャンプーをつける前に時間をかけて、地肌と髪を十分にお湯でぬらします。髪の長い方は、特に時間を かけてぬらしてください。 - シャンプー
シャンプーを手に取り、地肌で直接泡立てるようにして地肌を洗います。髪の長い人は、シャンプーを耳の後ろや襟足の地肌からも付けて泡立て、地肌をしっかり洗います。
たくさんの泡が髪同士がこすれるのを防いでくれます。毛先は、指で泡を通すだけで十分きれいになります。
※お湯に溶けにくい油性の整髪料をつけている場合も、予洗いでしっかりぬらしてから洗髪すれば、髪をゴシゴシこすらなくても整髪料が落ちやすくなります。 - タオルドライ
タオルは、押さえるように拭きます。ゴシゴシこすってしまうと、髪の“空洞化”の原因に! - ドライヤー
地肌に直接、温風を当て、その後毛先まで全体を乾かします。そのとき、目の粗いくしや手ぐしを使い、毛流れを整えるようにしましょう。ぬれているときに目の細かいくしを使うと、傷みの原因になることがあります。
温風を使っているときドライヤーと髪の距離を近づけすぎないようにご注意を!髪との距離の目安は10センチほど。地肌に触れたときに完全に湿り気がなくなったらOKです。そのあと、お好みの髪型にセットしてください。
一度、“空洞化”した髪の毛は、元に戻ることはありません。地肌から生えてきたばかりの髪の毛は“空洞化”していないので、入れ代わるまでは、“空洞化”しないお手入れを続けましょう!
傷んだ髪でもきれいに見せる!達人のワザ
世界的ブランドのシャンプーなどのCMを20年以上にわたって手がけてきた、ヘアデザイナーの田中勇輝さんが教えてくれたのは、“冷風”を上手に使ったドライヤーのワザです。
- 髪全体を地肌から温風で乾かす。
- うねったり、まとまりのない部分を手ぐしや目の粗いクシで根元から毛先まで優しく伸ばしながら、 温風を当てる。
- ドライヤーを冷風に切り替える。
- 同じ場所を2.と同様に髪を伸ばしながら根元から毛先まで冷風を当てる。
- これを1か所につき2セットを目安に、気になる部分ごとに行う。