旧ノイズファクトリーの公式Twitterアカウントは、『豪血寺一族』シリーズの復刻企画の状況について明らかにし、頓挫したことを報告した。
「あるキャラクターがポリコレ(political correctness)になる(抵触する)リスクが高く訴訟に発展するリスクが高い為」としている。
『豪血寺一族』は、アトラスが発売した対戦ゲーム。1993年にアーケードで登場、1994年にスーパーファミコン版とメガドライブ版が発売された。その後もアーケードを中心としてシリーズが展開されていった。
またニコニコ動画では、2007年に「新・豪血寺一族 -煩悩解放 – レッツゴー!陰陽師」という動画が第三者によってアップロードされており、人気を博したことでも知られている。
3月30日、旧ノイズファクトリー関係者は『豪血寺一族』の「豪血寺30周年」に向けてゲームの復刻を目指していたとツイート。しかし版権もとから「ポリティカル・コレクトネス」(政治的な公正さや妥当性)について抵触し、訴訟に発展するリスクがあり、ゲーム復刻の許諾がおりなかったと報告した。
その内実は明らかにされていないが、SNS上の一部で指摘されているのが『豪血寺一族』に登場するアメリカ先住民族のキャラクター「ホワイト・バッファロー」だ。
アメリカ先住民族は、長らく征服、差別、迫害を受けてきた歴史があり、現代でもそれらは根深い社会問題となっている。歴史的にも西部劇を筆頭に偏見に基づいた描写がされてきただけに、この「ホワイト・バッファロー」の描写が現代では不適切なのではないかと、版権元が判断した可能性はある。
旧ノイズファクトリーは、そうした不適切なキャラクターが含まれていないタイトルの復刻を版権元に申請したが、それも許諾NGとなっている。
旧ノイズファクトリーは「時代の流れを理由にされると過去のゲーム復刻はより困難になって行く事でしょう」と嘆き、今後は「サウンドの復刻」、「キャラクター設定資料集」などを模索していくという。こうしたことを実現するため、ひとりだけの会社も設立すると伝えている。