秘書という職務であっても、
“現場”を尊重する気持ちは欠かせません

秘書の仕事

武本 和子

秘書室 大阪
中途入社 2008年入社

WORK

仕事内容

あなたの今のお仕事(現場)を教えてください

秘書室・大阪担当として、主に役員の方(現在は相談役、顧問を担当)の庶務を担っています。 スケジュール管理やアポイントの調整、来客対応などが主で、それに伴い移動や社用車などの手配が生じます。他に、取引先等の慶弔時には、それぞれに応じた手配をします。
吉本という会社の特性として、記者会見に役員の方が登壇されることが多くあったので、そういう現場に立ち会うなどのことも私の仕事になります。映画祭などの大規模なイベントで主催者挨拶などに立つ際などは、映画祭の担当者と事前にスケジュールや内容などのやりとりをするのも仕事のひとつですね。

仕事における、あなたの役割を教えてください

私が庶務を担うことによって、役員の方や部署の上司が、自身の仕事に専念できる環境を少しでも整えることが私の役割だと思っています。また対外的には、役員の体面を損なうことなく、用件を円滑・丁寧に取次ぎ、社内的には、役員と社員の間の橋渡しになることだと思っています。

秘書という仕事に求められる資質

吉本という会社での秘書という立場でいうなら、管理部であっても、現場との温度差があってはいけないと思うんです。役員の方も現場を経験されてきた方々ばかりですし、会社の核にやはり現場があると思うので、そこを第一に考える気持ちを持つことは欠かせない部分だと思います。現場の方に助けてもらうことも多いですし、そこは尊重する気持ちを持たなければならない。会社が手掛けているイベントなどを楽しいと思えているかどうか、自分自身も楽しむ心を持っているとよいかなと思います。

この仕事のここが面白い(やりがい)

役員の方に代わっていろいろな庶務を進めていくのですが、その都度、確認もしていきます。そこで私なりに考えたものを「ありがとう、これでOK」と言っていただけると、私が考えていたことと役員の方の考えにブレがなかったのだなとうれしくなる瞬間ですね。
秘書として、気遣いはとても大事なので日々勉強なのですが、難しいなと思うことは、吉本興業の役員の方は気遣いのプロと言えるマネージャーを経験されてきた方ばかりなんですよね。そんな方々の気遣いのほうが、私よりも何枚も上手なので、 “どんなことをすれば秘書として役員の方々のためになるか”を考えて動くのは、大変ですが面白いところでもありますね。

仕事をする上で心掛けていることを教えてください

役員の窓口として、様々な部署から報告や伝言などを取り次ぐことが多いのが秘書という職務です。“円滑に”取り次ぐための大前提として私情をはさまないこと。自分の考えは基本的に不要なので、なるべくそこをカットしてスムーズに取り次ぐことを心がけています。もちろん事前に役員から「こんなことを聞かれるのではないか」と想定ができるときは、それを先に担当部署に確認しますが、私が勝手にスケジュール的に「これは無理」など判断してしまって、役員の方の機会損失があってはならない。もしかしたら私が考えるスケジュールの優先順位と、役員が考える優先順位は違うかもしれない。だから「この日はスケジュール的には厳しいですが、このようなお願いが来ています。どうされますか」と確認することがマストなのです。
あとは、メールでのやり取りも多いので、丁寧さを心がけつつも、読み手が苦にならないよう簡潔にお伝えせなければなりません。そのバランスは気を付けていますね。役員は忙しい方が多いので、長々としたメールは読むのも大変です。そこは私のほうで咀嚼して端的に、かつ事実と違う形にならないよう注意してお送りするようにしています。

EXPERIENCE

社歴・失敗談

吉本興業に入社した動機・きっかけを教えてください

もともとテレビが好きで、マスコミには興味があり、大学卒業後、就職について迷いながらもまずは興味のあることに飛び込んでみようと思い、吉本の番組を制作している会社(吉本と毎日放送の子会社)に入社しました。

吉本興業に入社して今までどんなお仕事(部署)をしてきましたか?

制作会社では、デスクとして事務一般をしつつ、吉本本社の人事・総務、経理との窓口を担当しました。入社して3年目、2010年の人事異動で秘書室に配属になり、現在に至ります。異動を聞かされた時は、それまで秘書の経験などなかったうえ、子会社からの転籍で入社していたこともあり、異動はないかと思っていたので晴天の霹靂でしたね。

吉本興業だから味わえた経験を教えてください

初日公演にお客様を招待したり、出演者の方々に向けた初日お疲れ様の乾杯の挨拶に役員の方が立つこともあり、初日の舞台を見させていただく機会が多くありました。そういうのはすごく吉本らしい経験である上に、私自身、楽しませていただいたなと思っています。 初日ということで緊張感がある現場はものすごく臨場感があり、舞台袖からみる公演などは本当に何とも言えない良さがあり、ワクワクするんですよね。もともとエンタメに憧れてこの世界に入ってきたので、秘書という職についている今でもそういう気持ちが満たされる気がします。
あとは、藤山直美さんが、2016年に舞台「笑う門には福来る」の件で、ご挨拶に来られた際に対応させて頂きましたが、母がファンなので、話すととても喜んでいました。その後、舞台も母と観に行き、初めて親孝行らしいことができたのを覚えています。

飛び上がるほどうれしかったことは?

この部署ではそういう感情の爆発は、あまり起きないのですが、調整役として日々の業務を行う中で、役員の方や上司、他部署のスタッフの役に立てたと思える時は、やはりうれしく、ホッとする瞬間でもあります。秘書という仕事は、極端なことを言えば、当人同士でやったら済んでしまうことでもあると思います。そこにわざわざ自分が入る意義を考える。私が入るのだから、よりスムーズに進むように調整をするのが仕事だと思っています。ただの伝書鳩と思っていてはダメで、だからこそ、それがうまくいったときは、うれしさにつながりますね。

「やってしまった!」失敗から学んだ思い出は?

アポイントの調整などでスムーズにいかなかったり、注意を受けたときは、結構、落ち込みますが、同じようなミスは二度としない、と心掛けて、次に応用するようにはします。 予定に応じて社用車の手配をするのですが、一度その連絡がうまくいかず、当日の時間になっても役員のところにお迎えの車が行かなかったことが……。電話がかかってきたときは本当に青ざめました。どんな仕事でもそうだとは思いますが、連絡ミスがものすごい命取りになる。自分のミスで担当の役員の方々にご迷惑がかかる。自分が謝ればなんとかなることではなく、役員の方のスケジュールや信頼に傷がついてしまい、はかりしれない影響が出てしまうので、ミスは厳禁。とにかく細心の注意を払うようにしています。

吉本興業で達成したいことは?

秘書という職について早10年が経ちました。やればやるほど奥深く、いつまで経っても自分が優秀な秘書になれているとは思いませんが、大事なのは“信頼されること”だと感じています。それは担当する役員の方からの信頼を得ることだけでなく、やりとりをする他部署のスタッフの方々などからも同じくです。どの部署のスタッフであっても、信頼される事が大事だと思うので、少しでも自分がそういう存在に近づけるように、日々勤しみたいと考えています。

MESSAGE

お世話になっているあの方から

総務・岩本真純さん(※現在は人事本部に異動) インタビュー

【Q 武本さんと初めてお仕事をしたのはいつですか】
岩本:
ええっと、いつだっけな…。(笑)
武本:
一緒に仕事をし始めたのは、確か7.8年前だったと思います。
岩本:
そんなに前かな。私が覚えているのは、人事異動で秘書室(大阪)が武本さん1人になった時に、私が総務と秘書室を兼務になった時期があって。それからのお付き合いになりますね。

【Q 武本さんの仕事ぶりはいかがでしょうか】
岩本:
猛進、そして勢い。(一同笑い)
   言い換えるならテキパキかな】
見た目は常に穏やかですが、豪快です。
武本:
穏やかですか】
内心テンパっているけど…。周りに伝わらないように必死です。
岩本:
秘書室は、気配りをしつつ、アンテナを広く張っていないといけない。陰で一生懸命頑張っていますね。そして猪のように突き進んでいる。(笑)
武本:
スケジュールなども急な変更になったりすることも多々あるので。
岩本:
突発的な仕事が多いからね。
武本:
そういったことをグイっと調整したりすることが多いからかな。
岩本:
廊下を大急ぎで走っていることを見ることが多いからかも(笑)

【Q  武本さんの失敗エピソードや印象深い話がありましたら伺わせてもらえますか】
岩本:
失敗ではないんですけど。足がとても速くて。
来客の方々をアテンドされている時に、どんなに歩くのが速いお客様よりも先に先導されているんです。
武本:
たまに、ほんとに速い方がいて競争みたいになることもあります。(笑)
岩本:
その時でも穏やかに見えるのが、頑張っているなと思いますね。
武本:
細かい失敗みたいなのはいっぱいありますが、困った時にいつも岩本さんがフォローして下さって、本当に助けて頂いています。

【Q  お互いに感謝していることや、感じていることをお聞かせいただけますか】
岩本:
サポート体制で常にいますし、お互いに何かあれば、今後もうまく連携出来ればと思いますね。
武本:
岩本さんがいらっしゃることで、安心感があって、何気ないことでも不意にサポート頂けることも多々あって本当に感謝しています。ありがとうございます。

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